動画はつかみが大事! 〜動画をもっと有効活用していくには(6)
- 2022年5月27日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也
- 動画
- 動画アナリティクス
前回までの記事で、動画を作るアプリの紹介や構成について説明してきました。
今回は、動画の実際の再生データのアナリティクス(アクセス解析)確認しながら、動画の冒頭、すなわち“つかみ”の重要性を確認します。
動画はつかみが大事!
会社や商品・サービスの動画を作ったものの、ほとんど再生されず、残念な結果に終わった例は枚挙に暇がありません。世の中には動画があふれ、よほどの見る理由がない限り、自社の宣伝動画は見てもらえないものです。
ただ、動画を作り始めた頃は、再生回数よりも再生維持率のデータを確認してみるとよいでしょう。再生回数は少なくても、再生が維持されて、お客様が最後まで見てくれているなら、動画による顧客獲得のチャンスはあると言えます。逆に、動画を再生しても、一瞬で止められている場合は、動画の効果は少ないでしょう。
なお、再生維持率のデータは、YouTubeのアナリティクスで確認することができます。
みなさんも視聴者の立場として、動画を再生したものの、一瞬で止めた経験があるのではないでしょうか。かっこいい音楽が流れ、自社のロゴがかっこよく回転し、社長の固い挨拶が始まるような動画などは見たいと思わないでしょう。
動画はつかみが大事です。つかみとは、動画のサムネイル写真(以下サムネ)と冒頭の数秒になります。
動画のつかみを変更するだけで最後まで見てくれた人が増えた
ある塗料販売の会社で動画を作っていたものの再生回数は多くありませんでした。動画のアナリティクスを確認すると、以下の図表のように最初の30秒まで見られた割合は66%で、最後まで見た人の割合は33%でした。動画の構成は冒頭で会社ロゴが登場し、商品担当の挨拶からスタートしていました。少し冗長だったので、編集し直して、順番を変更しました。
具体的には、一番見てもらいたい商品のデモの一番いいシーンを冒頭に一瞬流し、挨拶は短縮しました。その結果、最初の30秒を79%が見て、最後まで53%の人が見てくれました。明らかに動画の効果が上がりました。
またサムネイル写真も変更しました。商品パッケージの写真だったサムネを具体的なデモ写真に変更するのに加え、ハンマーで叩いても割れない特殊塗料ということがサムネでわかるように、キャッチコピーも入れました。
結果として、つかみのサムネと冒頭の数秒でアピールできたことで、最後まで興味を持って見てくれた方が増えたのだと思います。
複数の動画を組み合わせて提供する
このように1本の動画の構成を考えるのでも、手間はかかるものです。しかし、SNSの投稿と同じく、1本作って満足せずに継続的に発信していきたいです。最初は自社商品のアピールをする接客動画を作るのがいいでしょう。今回のように動画の構成を考えて、顧客が飽きずに最後まで見てもらえる流れを考えてください。
一方で自社の宣伝動画だけでは集客は難しいでしょう。一番いいシーンだけを切り出したショート動画を複数作ったり、お客様にとって役立つノウハウ動画で集客していくことも必要でしょう。また自社商品の使い方をじっくり説明するようなマニュアル動画の活用も考えられます。
目的に応じて、短いものから長い動画までバランスを考えて、複数作って発信していくことが、自社ビジネスにとっての効果につながるのではないでしょうか。
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