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特集

動画アナリティクスを活用して、視聴回数を増加させよう!〜動画をもっと有効活用していくには(7)

  • 2022年5月27日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー 眞本崇之
  • 動画
  • 動画アナリティクス

高性能な機器やソフトウェアを買い揃えなくても、スマートフォンのカメラで綺麗に撮影ができ、無料または安価に利用できるアプリで簡単に編集ができるようになったことで、ビジネスシーンで動画を活用する事業者が増えてきました。

ここでは、YouTube動画を活用するケースを想定して、動画アナリティクスの活用方法について説明をしていきます。

アナリティクスを活用する前に必要な「目標」と「仮説」

アナリティクスと聞くと、データの見方がわからない、使い方や操作方法がわからないなど、とても難しいイメージを持たれる方が多くいらっしゃいます。
しかし、アナリティクスとは、データの見方や操作、数値の大小が重要なのではなく、「目標」や「仮説」を持っておき、現状との乖離を確認する、答え合わせをする作業が重要です。

「目標」がないままアナリティクスを使っても、数字の羅列を見るだけになってしまうため、『数字を見てもよくわからない』となってしまいます。そのため、アナリティクスを活用する前に、必ず「目標」や「仮説」を用意しておきましょう。

例えば、事前に『1週間の視聴回数1000回』という「目標」を決めておき、アナリティクスを見た結果、視聴回数が200回しかないとわかります。『視聴回数が大幅に目標未達だった』と状況を把握することがアナリティクスの基本となります。
このようにアナリティクスは、『自分が思い描いた目標と取り組んだ結果の答えあわせをする』と考えてみると、アナリティクス=難しいというイメージは軽減されるはずです。

動画アナリティクスを見てみよう

YouTubeの管理画面(YouTube Studio)では、動画のパフォーマンス数値を確認できるアナリティクスが用意されていて、「インプレッション」、「視聴回数」、「再生時間」、「チャンネル登録者数」などが表示されます。
また、YouTubeでは、動画単体の分析ができる他に、動画同士の比較ができるチャンネル全体の分析も利用可能となっています。

・リーチ

リーチとは、視聴者がどのようにして自分の動画を見つけたのか、を示すデータです。

どのくらいたくさんの人に動画を見つけてもらえたか、という露出回数を表す「インプレッション」は、動画が再生される前の状態で、動画のサムネイル(画像)が視聴者の視界に入った回数のことです。YouTube検索、YouTubeトップページ、フィード(登録チャンネル、急上昇、後で見る、などの一覧のこと)、次の動画、再生リストなどで表示されることを指します。
その他に、動画をクリックしてくれた割合を示す「クリック率」、「視聴回数」、「視聴者数」などのデータが表示されます。

 

また、下画像では、「トラフィック」と呼ばれる動画が表示されるきっかけとなった場所が集計されて表示されます。
外部サイトの場合は、Google検索やYahoo検索なのか、Facebookなのか、といった集計がされて表示されます。
また、インプレッションから視聴に至った「視聴回数」や「再生時間」といった流れを、視覚的に把握できるようにグラフ表示されるようになっています。

 

・エンゲージメント

エンゲージメントとは、視聴者の反応のことです。YouTubeのエンゲージメントは、動画が試聴された「総再生時間」、「平均視聴時間」、「評価」、「次の動画へとクリックした割合」などが指標となっています。

 

視聴者維持率、という項目では、どこまで視聴を続けているか、どのタイミングで視聴をやめたかも詳細がわかります。

 

・視聴者

視聴者データは、自分の動画を見ている視聴者の概要を把握できます。
「年齢」、「性別」、チャンネル登録者・未登録者別の「視聴時間」や「視聴回数」などが集計されています。

 

アナリティクスを活用した改善方法

スマートフォンの普及でスマホカメラやアプリで手軽に動画制作・編集が行えるようになった反面、競合となる動画が多くあります。(YouTube全体では、毎分500時間以上のコンテンツがアップロードされています。※Wikipediaより2019年5月時点情報)
そこで『動画の再生回数が伸びない』、『視聴者数が増えない』という場合には、動画を作成・配信して完了するのではなく、動画掲載後も下記の改善に着手することで、その後の視聴回数の伸びが期待できます。

・インプレッション(露出)を上げる

YouTubeにおいても、インプレッションを増やすには、SEO対策が必要です(VSEO:Video Search Engine Optimizationと言われます)。YouTubeで高い評価を得るためのSEO対策については、特集記事「YouTube SEOで再生回数アップに取り組もう〜動画をもっと有効活用していくには(8)」もご覧ください。

また、動画を見てもらう機会を増やすには、YouTube単独での取り組みだけではなく、他の媒体との連携も多用すべきです。Webサイトやブログに動画を埋め込んだり、FacebookやTwitterなどのSNSやメールマガジンなど、すでに使用している媒体でも発信したりすることで、多くの人の目に触れて視聴される機会の増加につながります。

・クリック率を上げる

YouTube動画では、インプレッションに対するクリック率(CTR: Click Through Rate)は3~8%が平均値と言われています。

クリック率を上げる最も効果的な改善方法は、インパクトあるサムネイル(画像)が必要です。また、動画タイトルにも目を引くフレーズを入れるなどの工夫が必要です。

・チャンネル登録者数を増やす

チャンネル登録をしてもらうことで、次の動画が表示されやすくなります。継続的に動画の視聴回数を増やしていくには、チャンネル登録者数の増加が必要になってきます。
そのためには、動画の中で、このチャンネルは、誰をターゲットに、何をテーマにしているか、次にどのようなコンテンツが期待できるのか、をわかりやすく説明します。

また、配信者として、その分野の専門家であることも提示しましょう。大学教授のような地位や資格、特許のような第三者評価がある必要はなく、飲食のプロ、美容のプロ、整体のプロ、というご自身の立場を確立しておくことで、視聴者に信頼してもらうことを意識しましょう。

これらの発信は、全ての動画の冒頭や最後に繰り返して伝えることに加え、『チャンネル登録をお願いします』と視聴者へ行動を促すことも大事です。

・評価を集める

ビジネス動画では、最低限、視聴者の役に立つ内容でなければなりません。
しかし、動画の内容が役に立ったとしても、視聴者は動画を見て満足して終了してしまうケースは少なくありません。そこで、動画を見てもらった後には、視聴者からの評価を得ることを忘れないように、最後に『いいね評価をお願いします』と伝えることが必要です。

アナリティクス活用の効果

上記の通り、インプレッションを上げる、クリック率を上げることにより再生回数が増えます。チャンネル登録者数が増えてくると、再生回数も底上げして増えていきます。再生回数が多くなれば、YouTubeのおすすめ欄に載る可能性が高くなるため、動画の再生回数は飛躍的に伸びていきます。

動画はたくさんの情報を短時間で魅力的に伝えることができるため、動画の再生回数が伸びると、期待できる効果(認知度向上や商品の売上増加など)は、文章や写真以上に高くなります。

また、アナリティクスの活用により、『こういう取り組みをすると再生回数が伸びる』という「仮説」が立てられるようになると、次に作成する動画に高い効果が期待できるようになります。

このように作成した動画の「目標」や「仮説」との乖離を答えあわせすることがアナリティクスの基本です。動画がより多くの視聴者に届くように、また競合との差別化を図っていくために、現状分析、そして改善の効果を数値で把握できる動画アナリティクスの活用を始めてみましょう!

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