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特集

YouTube SEOで再生回数アップに取り組もう 〜動画をもっと有効活用していくには(8)

  • 2022年5月27日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 眞本崇之
  • 動画
  • YouTube SEO
動画をもっと有効活用していくには(7)のサムネイル画像

高性能な機器やソフトウェアを買い揃えなくても、スマートフォンのカメラで綺麗に撮影ができ、無料または安価に利用できるアプリで簡単に編集ができるようになったことで、ビジネスシーンで動画を活用する事業者が増えてきました。
ここでは、YouTube動画を活用するケースを想定して、動画版SEO(VSEO:Video Search Engine Optimization)について説明をしていきます。

前回の記事「動画アナリティクスを活用して、視聴回数を増加させよう!〜動画をもっと有効活用していくには(7)」では、視聴回数や視聴者を増やすためには、インプレッション(露出)を増やす必要がある、と説明をしました。動画版SEO(VSEO:Video Search Engine Optimization 動画検索エンジン最適化)に取り組むことにより、動画視聴につながる、最終的に売上アップなどの効果が期待できます。

VSEOの具体策として、下記の点に取り組んでみてください。

タイトルや説明文に効果的なキーワードを含める

動画コンテンツがどのような内容のものか、検索エンジンが判断するためにタイトルと説明文が重要な要素となり、SEOでも広く知られている「キーワード」を、タイトルや説明文に含めることが必要です。

ただ闇雲にキーワードを詰め込めばいいわけではなく、視聴者の目を惹き、検索ニーズに応えるタイトルや説明文を工夫して作りましょう。
そこで、「キャッチコピー」とも呼ばれる謳い文句や煽り文句となるタイトルをつけることが、クリック(視聴)に繋がっていきます。

タイトルをつける際には、下記に紹介するPASONAの法則を参考にしてみてください。
PASONAの法則とは、Problem(問題)Affinity(共感) Solution(解決策)Offer(提案)Narrow(絞込)Action(行動)の頭文字で、消費者の心を掴み、購買などの決断を促すためのメッセージを法則的にまとめたものです。

P(Problem:問題)視聴者の問題を明確にする
例:「よくある間違い」「残念な」「〜すべき理由」「〜してはいけない」

A(Affinity:共感)視聴者に共感する
例:「○才からでもできる」「質問に答えます」「まるで〜のように」「○○女子」

S(Solution:解決)解決方法を提示する
例:「攻略法」「○つの方法」「お金をかけずに」「手に入れる方法」「〜に学ぶ」

O(Offer:提案)具体的な商品サービスを提案する
例:「〜できます」「新登場」「最新」「○選」「豆知識」「メソッド」「No.1」

N(Narrow:絞り込み)対象者を絞り込む
例:「〜でお悩みの方へ」「限定」「大人の」「入門(初心者)」「〜でもわかる」

A(Action:行動)行動を呼びかける
例:「今話題の」「行列のできる」「○認定」「○愛用」「〜がやっている」

サジェストキーワードを含める

Googleなどの検索窓でキーワードを入力すると、関連のある他の単語を予測表示する機能(サジェスト機能)があります。
例えば、『美容師 シャンプー』と入力したときに、『やり方』『おすすめ』『メンズ』『コツ』のような関連ワードが出てきます。

 

このサジェスト機能を使い、自分では思いつかなかったキーワードを記載できるようになれば、複数キーワードからの動画視聴が期待できるようになります。
※当然ながら、動画に関係のないキーワードを含めることは好ましくありません。

GoogleやYouTubeの検索窓からサジェスト機能を利用する以外にも、サジェストキーワードをまとめて検索できるWebサイトなどもあります。『サジェストキーワード』などで検索してみてください。

関連するタグを追加する

タグは、視聴者から直接見えることはありませんが、動画のジャンルをYouTubeに伝える要素となっています。
ただし、YouTubeヘルプ(下記引用文)にあるように、タグ自体は検索結果への影響は小さいと書かれています。タグの役割としては、『「関連動画」へ表示されるようになる』と言われていますので、影響が小さいとはいえ、少しでも影響がありそうな項目は設定しておいた方がよいでしょう。

タグについて

タグとは、コンテンツを検索でヒットしやすくするために動画に追加できる説明的なキーワードです。動画の検索時には、動画のタイトル、サムネイル、説明などのメタデータのほうがタグよりも重要な役割を果たします。こうした主要な情報は、視聴者が動画を見るかどうかを決めるときの判断材料になります。
タグは、動画のコンテンツがスペルを間違えられやすいものである場合には役に立つことがあります。その場合を除けば、動画の検索時にタグが果たす役割はごく小さなものです。
 

引用元:https://support.google.com/youtube/answer/146402?hl=ja

自動字幕を活用する

現在、YouTubeでは自動で字幕が付けられるようになっています。
字幕内のキーワードには、動画の検索キーワードとして使用される可能性が高まります。

年々、音声入力や音声認識の精度が向上していますが、実際に字幕を確認してみると、そのままの状態では正しい言葉になっていないことがあります。大事なキーワードになる言葉に間違いがある場合には修正をしておくと良いでしょう。

アクションを追加する

YouTubeには、2種類のアクションを設定することができます。
動画の途中に関連する他の動画やチャンネル、リンクを設定することができる「Card:カード」と、動画の最後に他の動画の紹介やチャンネル登録を促す「End Screen:終了画面」です。
関連する動画を設定しておくことで、関連動画への流入が期待できます。また、それぞれが関連性の高い動画としておすすめ表示され、動画視聴の増加が期待できます。

動画分析ツール『vidIQ Vision for YouTube』

最後に、YouTube動画の分析に活用できるツール『vidIQ Vision for YouTube』(以下、vidIQと呼びます)を紹介します。

vidIQは、YouTube動画のSEO対策評価や、YouTube動画のトレンド・ニーズを確認できるツールとなっています。また、自分の動画だけに限らず、第三者が作成した動画であっても、同じような分析が行えます。

SEOの評価欄は下記のように項目が設定されています。

 

キーワードがタイトルや説明文に盛り込まれているか、タグが設定されているか、などを5点満点で評価されるため、不足している点が分かりやすく表示されます。

また、動画の設定項目が下図のようにチェックリストとして表示され、タグが少なすぎる、説明文が短すぎる、カードや終了画面が設定されていない、など、×が付いているところを改善しましょう、と教えてくれています。

 

動画のトレンドやニーズを把握する

vidIQでは、SEO対策以外にも、YouTube全体の動画からトレンド・ニーズを確認することもできます。

 

例えば、上図のように、『美容師 シャンプー』とYouTube内で検索をすると、YouTube内のVolume:検索ボリュームの多さ、Competition:競合の多さ、Highest Views:最も再生されている動画の視聴回数、Avg Views:平均的な視聴回数、検索したキーワードのTop チャンネルなどを表示してくれます。

同一や類似のテーマの『上位表示されている=YouTubeから評価されている』動画を見つけ、動画の構成やタイトル、説明文、ユーザーからの評価、コメントなどから、自社動画の参考にできるところを真似してみるとよいでしょう。

YouTubeの基本ツールであるアナリティクス、今回ご紹介したvidIQなどを使いながら他社のVSEOの取り組みを参考にするなど自社のコンテンツに反映し、VSEO対策に取り組んでみてください。

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