【経営課題】 若い人たちに認知拡大し、新規顧客を開拓したい
原田靖子代表「当社は、私と息子の傑、ベテラン職人2名の計4名で運営している建築リフォーム会社です。父が創業し、その後、夫が代表を務めていましたが5年前に急逝。息子が会社を支えてくれて再スタートを切ることができたのですが、夫が担っていた顧客獲得のノウハウを継承するのが難しく、『リフォームの仕上がりに自信があり、価格的にもお得なのに売れない』といった悩みが続いていました。」
青木さん「今年度から斎藤組様を担当させていただき、月1回のペースで訪問していました。当金庫ではお客さまDXサポートの一環としてSNS支援を行っています。集客についてご相談いただいた際、まさにSNS活用が課題解決につながるのではないかと感じました。そこで、お客さまサポート部の成田さんと連携し、具体的な施策をご提案しました。」
原田傑さん「SNSが重要な集客手段であることは理解していましたが、何をどう始めるべきかわからず悩んでいました。個人のInstagramアカウントは持っていましたが、企業アカウントとして適切に運用する方法がわからず躊躇していたのです。運用方法を学ぶことができれば、自分たちの仕事をより多くの人に知ってもらえるのではないかと感じました。」
【IT導入】無理なく継続できる仕組みづくりをサポート
導入したITツール:SNS「Instagram」、グラフィックデザインツール「Canva」
成田さん「最初に、私ともう一人のDXサポート担当者で斎藤組様を訪問し、SNSツールや投稿編集ツールを比較検討しました。20~40代のターゲット層に最適なSNSとしてInstagramを選定。投稿編集には生成AIを活用して継続的な発信ができる仕組みをつくりたいと考え、AI画像作成機能を備えたCanvaを採用しました。その後、マニュアルを作成し、3回にわたって運用サポートを実施。事前にマニュアルをご確認いただき、訪問時には画面を操作しながら学んでいただくことで、実践的な使い方を習得していただけたと思います。」
傑さん「Canvaはテンプレートが豊富で、自社に合ったデザインを簡単に選べるのが便利ですね。さらに成田さんが物件紹介用のテンプレートを作成してくださったので、見せたい写真をアップロードするだけで自動的に縮尺が調整され、アニメーションも自動でつくれるようになりました。普段の投稿内容は、物件情報や暮らしに役立つ情報が中心です。成田さんは投稿したコンテンツをよくチェックしてくれ、週3回の投稿を目標にするようアドバイスいただきました。」
成田さん「SNS活用は時間を見つけて投稿することが大変で、継続的に発信を続けられる事業者様は意外と少ないんですよ。原田様はSNS運用の重要性を理解され、地道に取り組まれていることが成功の要因だと思います。」

【成果】スムーズに新規顧客を獲得! 会社の認知度や信頼度もアップ
靖子代表「地元ではこれまで不動産売買は紹介が当たり前でしたから、SNSでの集客が本当にうまくいくのかしら、と半信半疑でした。でも、新規のお客様や若い世代は抵抗なくSNSで物件を探しているようで、Instagramを見た方から内覧希望をいただくケースが増えています。今年は土地付き住宅が5件も成約しました。SNSの影響力を実感しています。」
傑さん「SNSが口コミの役割を果たしているように感じます。最近はInstagramを通じて、『こういう物件を探しているのですが』とダイレクトメッセージからご相談いただけるようになり、嬉しいですね。今後は、職人不足や町の高齢化といった地域の課題にも向き合いながら根室の魅力を発信し、安心して暮らせる町づくりに貢献していきたいと考えています。また、地域の方が住環境で困ったときに、まず相談される存在になりたいですね。」
靖子代表「SNSを活用するなかで、土地の価値や観光に対する新しい視点も得られました。たとえば、鹿や様々な野鳥が見られる地域の特徴を活かした民泊物件など、新たなビジネスも模索しています。」
青木さん「当金庫のSNS支援を効果的に活用いただき、その成果を拝見できることを大変嬉しく思っています。これからも地域の住環境を支える斎藤組様をしっかりサポートし、地域DXの推進を通じて町全体の利便性向上にも貢献したいと考えています。」

有限会社斎藤組
HP:http://www.e-ouchi.biz/company.html
代表:原田 靖子