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特集

アフターコロナを見据えたテレワーク(1)〜リモートデスクトップ、クラウドサービス、VPNってなんだっけ〜

  • 2021年12月9日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 高見康一
  • テレワーク
テレワークのイメージ画像(机の上に開いたノートパソコンが置かれている画像)

新型コロナウイルス感染症の流行が一段落しつつあり、オフィス回帰などの言葉も話題になっています。そんな今こそ改めてテレワーク環境について知識をおさらいしてみましょう。

コロナ禍をきっかけにずいぶんと企業のテレワーク環境整備が進みました。
ただ、流行し始めてから2年足らず経った2021年12月現在では、日本国内は新型コロナウイルス感染症の流行が一段落しつつあり、「テレワーク疲れからのオフィス回帰」などの言葉も話題になっています。今後テレワークは廃れていくのでしょうか。私はある程度の数の企業が今後もテレワーク環境を継続していくのではないかと思います。
今回はそのようなテレワークを継続していく企業のために改めてテレワーク環境についての知識をおさらいしていきたいと思います。経営環境が急激に変化し、急ピッチでテレワーク環境を整備された企業も多いのではないでしょうか。「急場しのぎ」で整備した環境に不安を覚えている企業も多いのではと思います。新型コロナウイルス感染症の流行が一段落しつつある今こそ、テレワーク環境を「整理」する良いタイミングかもしれません。

テレワークは柔軟に働くことができる形態のこと

まずは「テレワーク」という言葉のおさらいです。特集記事:テレワークについてでも紹介していますが、 テレワークとは、「tele=離れた場所」、「work=働く」という意味の単語を合わせた造語です。情報通信機器等を活用して、時間や場所の制約を受けずに、遠隔勤務や在宅勤務など、柔軟に働くことができる形態のことを指しています。

テレワークで場所や端末を選ばず仕事ができ、生産性の向上へとつながっていることを表すイメージ図

コロナ禍では自宅で業務をすることを指す事が多かったかと思いますが、カフェなどの外部施設で業務をする、いわゆるモバイルワークも「テレワーク」に含まれます。ワーケーションなどの言葉も流行りましたね。これもテレワークを組み合わせた働き方の一つです。

テレワーク実施時の技術的な課題

テレワークを導入すると、働き方が従来とは異なるため、様々な課題が出てきます。例えばコミュニケーション。働く場所が異なるのでコミュニケーションを取るにしても電話やWeb会議、チャット、メールなどのツールが必要になってきます。また従業員の管理方法にも手を加える必要が出てきます。勤怠管理、人事評価などが「出勤前提」で整備されているのであれば、「遠隔勤務」に対応できる形への修正が必要です。

業務面・管理面・技術面の各課題を表した図表

そして、「技術的な課題」です。一般的に企業は日々「事業所内」にある設備を利用して業務を行なっています。そのような企業がテレワークを実施するためには、「事業所外」でも業務を実施できるような設備環境を整備しなければなりません。ファイルサーバーにある情報を管理する業務であればその情報を「事業所外」で扱えるように、専用システムを利用している業務であればその専用システムを「事業所外」で利用できるように環境を整備していく必要があります。このような「技術的な課題」を解決する際によく出てくる用語があります。「リモートデスクトップ」「クラウドサービス」「VPN」です。

「リモートデスクトップ」「クラウドサービス」「VPN」

これらの用語、誰しもがどこかで耳にした事があるのではないでしょうか。テレワークをすでに導入している企業の方であれば、実際にこれらを日々利用していると思います。ただ、「急場しのぎ」で整備したために知識がおぼつかないという方も多くいらっしゃると思います。ここでは、あらためてそれぞれがどのようなものなのか、整理していきたいと思います。

リモートデスクトップは遠隔操作技術の一つ

リモートデスクトップは遠隔操作技術の一つで、遠隔にあるPCのデスクトップを手元のPCで操作する仕組みです。簡単に言うと、あるパソコンで別のパソコンを操作する仕組みという事です。操作には専用のツールを利用します。テレワークでは、「事業所外」のPCから「事業所内」のPCを操作し、業務を遂行します。この技術を利用すると、ファイルサーバーへのアクセスや、事業所内のPCで動作する専用システムの遠隔操作などが可能になります。ただ、リモートデスクトップは事業所外のネットワークから事業所内のネットワークにアクセスをするので、通信の暗号化やツールへのアクセス権限などに注意が必要です。ただ、そういったセキュリティリスクを軽減させるような仕組みを組み込んだリモートデスクトップツールも徐々に登場してきています。

リモートデスクトップと社内ネットワークの関係を表したイメージ図

クラウドサービスはインターネット上にあるサービスの呼称

クラウドサービスはインターネット上にあるサービスの呼称です。ブラウザや専用アプリなどを通して利用することができます。サービス自体が「事業所外」にあるので、当然テレワークの際に「事業所外」から利用することができます。クラウドサービスは色々な種類があります。例えばファイルサーバーの代わりとして利用できるオンラインストレージや、会計サービス、テレワークに便利な勤怠管理サービスなどがあります。

ここからアプリ「オンラインストレージ」アプリ検索結果

ここからアプリ「会計」アプリ検索結果

ここからアプリ「勤怠管理」アプリ検索結果

現在、業種に特化したサービスや業務自動化サービスなどもどんどん登場しています。当サイトでも種々紹介しています。気になる方は調べてみてください。ただ、「事業所外」サービスを利用するということはサービス運営者の信頼性が非常に重要になります。情報漏洩リスクや消失リスクも運営者に大きく依存します。その辺りの対策・ポリシーも検討しておくと良いと思います。

クラウドサービスのイメージ図(総務省安心してインターネットを使うために国民のための情報セキュリティサイトより)

     出典:総務省 安心してインターネットを使うために国民のための情報セキュリティサイト

VPNは仮想専用回線を構築する技術

最後はVPNについてです。VPNはインターネットの中に専用の回線領域を構築する技術の事です。簡単にいうと「事業所外」にいても「事業所内」にいるかのようにパソコンを利用できるようにする技術です。「インターネットVPN」「IP—VPN」などの種類がありますが、それぞれでセキュリティリスクや通信品質、構築コストが異なります。構築は一般的には「ルーター」と呼ばれる機器や専用ツールを利用します。テレワークを日常化するのであればVPNを利用して「事業所外」にいても「事業所内」にいるかのようにパソコンを利用できるようにしていく方が効率よく業務が遂行できると思います。

VPNと社内ネットワークの関係を表したイメージ図

今はテレワーク環境整備の絶好期

近年は新型コロナウイルス感染症の流行によって「テレワーク=新型コロナウイルス対応」という見方が一般的でした。しかし、その少し前までは「働き方改革」の一部として期待されていたものでした。流行が一段落しつつあり、緊急性が薄れた今は、テレワーク環境を整備する絶好機です。利用できるツール・技術も本当に数多く登場しています。アフターコロナを見据え、今度は「攻め」のためにテレワーク環境を整備するのも良いかもしれません。

IT支援力アップミニ講座では、テレワークツールを分かりやすく紹介する動画を公開していますので、是非、参考にしてください。

  • IT支援力アップミニ講座無料から使えるテレワークツールMicrosoft Teams基礎編のイメージ画像
  • IT支援力アップミニ講座無料から使えるテレワークツールMicrosoft Teams指導編のイメージ画像

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