特集

jSTAT MAPを使いこなして商圏の分析をしよう!

  • 2021年2月8日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー 村上 知也
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新規出店の時には、どの地域にどんな住民がいるのか調べたいものです。また、チラシをポスティングする際にも、自店のターゲットにあった層に情報を届けるためには商圏分析をしておきたいです。
そんな際に役に立つのが、無料の商圏分析ツール「jSTAT MAP」です。国勢調査など国が提供するデータを地図上に表示してレポートを作ってくれます。

e-Stat
https://www.e-stat.go.jp/

jSTAT MAP
https://jstatmap.e-stat.go.jp/

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    jSTAT MAPを使いこなして商圏の分析をしよう
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    jSTAT MAPを使いこなして商圏の分析をしよう
    (操作編)
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使い所

もちろん、jSTAT MAPは商圏分析に使うのですが、実はそんなに詳細な分析はできません。例えば、お店を出店する際に、ターゲットを富裕層に絞りたいと思った場合は、次のようなデータを見たくなります。
「○○駅周辺の世帯収入はどれくらいだろう、△△駅と比べて、どちらが豊かな地域なんだろう」
しかし、残念ながらjSTAT MAPでは、そのようなデータは出てきません。出てくるのは人口動態のデータが中心です。女性が多い地域なのか、若者が多い地域なのか調べられる程度です。
そのため、本格的な商圏分析を実施するにはデータ不足だと言えます。それでも出店する場所を探す際の概要調査には使えるのではないでしょうか。

そして、一番オススメしたい使い所は、補助金の申請書を書く場合です。例えば「小規模事業者持続化補助金」の申請をするには、冒頭で市場動向や、顧客ニーズを記載しなければなりません。
和菓子の小売店が、お店で一服してもらえるようにイートインスペースを作る費用を補助金で申請しようと思った場合、当店のメイン顧客である女性の高齢者は、他の地域より多いです!といったデータを掲載しておくと、しっかり調べているのだなと認識してもらえるのではないでしょうか。

ちなみに、政府統計の総合窓口e-Statには更に多くのデータがありますが、すべての情報が、地図情報と紐付いて詳細に商圏分析できるわけではありません。データも市区町村単位にあるものありますが、都道府県単位のデータも多いです。
例えば世帯収入でデータを探してみると、県単位で世帯人数単位のデータは出てきました。以下の図表の例では、神奈川県の平均世帯収入は、680万円程度ということがわかります。

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それでは実際にjSTAT MAPを使っていきます。

機能の活用

様々な機能がありますが、今回の記事では2つに絞って説明していきます。
まずは (1)リッチレポートをエクセルで出力して、自分が調べたい地域の大まかな情報を掴みます。
次に、(2)統計グラフ作成で、自店がターゲットとする世代がどのエリアに多いのか個別に確認していきます。

(1)リッチレポートの作成〜エリアの概況を知る

1.エリアを作成します。

レポート作成したいエリアを指定します。多角形や、円が選べます。

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2.グループを作ります。

例えば蒲田駅周辺を調査したければ、蒲田グループを作って、その中に東口エリア、西口エリアなど分けて調べることができます。

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3.エリアを選択する形を選びます。

今回は多角形でやってみます。多角形で調べたいエリアを登録します。

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4.そしてレポートを作成します。

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今回はリッチレポートを作成します。

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リッチレポートの出力項目を選択します。全部選択しておくといいでしょう。
“ユーザエリア”を選択すると、先程登録したエリアを指定できます。
なお、ユーザエリアを作っていなくても、“円・到達圏”を選択すれば、地点を指定して半径1kmなどと言った指定も可能です。

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ここでは先程登録した蒲田エリアグループの、蒲田駅東口エリアを選択しました。そして“リッチレポートを作成する”をクリックするとレポートが作成されます。

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そうすると、エクセルで9シートあるレポートがダウンロードできます。

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基本分析のシートの中身だけ確認していきます。
人口ピラミッドが表示され、該当エリアと、大田区、東京都の比較が表示されます。このエリアの特徴としては、女性の20〜34歳、男性の20〜59歳が多く、70代以降は比較して少ないと言えます。特に男女とも30歳前後が多い若いエリアだと言えるでしょう。この層をターゲットとする販売促進施策を実施する補助金を申請する場合には、ちょうどよい根拠資料になるのではないでしょうか。

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若い世代が多いので、一人世帯が多いこともわかります。

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(2)統計グラフ作成〜性別・年齢でのエリアごとの出力

次に統計グラフを作成してみます。統計グラフではエリアを250メートル単位のメッシュに切って、そのエリアの例えば女性が何人いるのか、多い地域と少ない地域に色分けしてくれます。

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以下の例では、国勢調査の2015年のデータを250mメッシュで、女性数のデータを出力します。

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そうすると、蒲田駅周辺のメッシュデータが出力されました。
図表の左下に凡例がありますが、赤い地域ほど、女性の人口が多いことがわかります。

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これらのデータは、持続化補助金等の申請で、チラシを作成してポスティングをする費用を申請したい場合に、調査データとして添付するとよいのではないでしょうか。

まとめ

jSTAT MAPの使い所と使い方を記載しました。該当地域の概要や補助金申請の際の調査データとして有用なツールです。もちろん無料ですので積極的に使ってみてください。