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特集

アフターコロナを見据えたテレワーク(8)〜Microsoft TeamsとZoom Meetings、それぞれに良さがある。違いを知って効果的に活用しよう〜

  • 2022年8月19日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 高見康一
  • テレワーク
アフターコロナを見据えたテレワーク(8)のサムネイル画像

新型コロナウイルスが再び流行している中、オフィス回帰なのかリモートワークの継続なのかで各企業が揺れています。「ハイブリッドワーク」などの言葉も聞かれるようになりました。
テレワークで欠かせないツールとなっているのがWeb会議アプリ。今回は、その中で人気の「Zoom Meetings」と「Microsoft Teams」に注目したいと思います。
ともにWeb会議を実施するのに非常に使いやすいアプリです。それぞれの特長を知ってうまく活用していけば、より効果的なWeb会議・テレワークを実施していくことができます。

どちらもここ数年で大幅に機能を拡充。いま両者ともにできること

冒頭でも述べましたが、「Zoom Meetings」と「Microsoft Teams」はともに使い勝手の良いアプリです。そこで、まずは両者が「使いやすい」と言える理由を簡単にご紹介いたします。

 
※画像はhttps://explore.zoom.us/ja/products/meetings/より転載
 
※画像はhttps://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-softwareより転載

無料プランがある

時間や人数の制限はありますが、ともに基本的な機能は無料で利用できます(詳しくは公式HPを参照 Zoom MeetingsMicrosoft Teams)。とにかくWeb会議を開催したいという際、コスト・支払いなどを意識せずすぐに使い始めることができます。

様々な機器から利用可能

また、様々な機器から利用できるのも大きな特長です。2022年7月現在、Windows PCやMacはもちろん、iPhoneやAndroidスマートフォン、iPadやAmazon Fire HDなどにも専用アプリが用意されています。個々の状況に合った機器からWeb会議に参加できるため、参加者にとっては非常に助かる特長と言えます。

様々な機器で使えるツールであることを表したイメージ画像

便利な機能を標準搭載

Web会議実施中に使える便利な機能も豊富に搭載されています。
例えば、ある参加者の画面を全参加者に共有できる「画面共有機能」や会議自体を録画できる「レコーディング機能」などは有名ですね。

さらに、参加者同士で自由に描画し合える「ホワイトボード機能」や、発言者を目立たせるためのフォーカスモード(Microsoft Teamsではスポットライト)、会議への没入感を向上させるイマーシブビュー(Microsoft TeamsではTogetherモード)なども搭載されています。もちろん「チャット機能」や「ファイル共有機能」も搭載されています。

Zoomの便利機能については、こちらの記事で紹介しています。
特集記事:アフターコロナを見据えたテレワーク(7)〜Zoom Meetings、普及後に追加されたお勧め機能紹介〜

Web会議は、普及し始めの頃はどうしても対面での会議の「代替」として認識されることが一般的でした。しかし普及が進んだ今、これら機能の存在もありWeb会議の「独自性」が注目されつつあります。例えば会議の記録を取りたい場合、対面の会議だと機器の準備や参加者への了解、データの格納など結構な手間がかかります。これがWeb会議になると、レコーディング機能があるのでボタン一つで可能です。

Web会議ツールの便利な機能を表したイメージ画像

標準機能をベースに、機能追加が可能

では、Web会議を開催したい場合、どちらを選んでも良いのでしょうか。

「何ができますか」と直接聞けば両者とも「なんでもできます」と答えるでしょう。なぜなら上記機能が標準搭載されている上に、両者とも「機能追加」ができるからです。ともに「アプリ」という機能があり、それを使えば様々な機能を自身のツールに追加することができます。

Web会議を開催するだけであれば標準機能で十分で、それ以上にやりたいことがあれば「アプリ」追加をしていけばともに種々業務に対応できるツールになるでしょう。
ただし、やはりどちらも「得手不得手」がありますので、次にそれぞれの「特長」について、簡単に紹介したいと思います。

Zoom Meetingsはとにかく「Web会議」をしたい場合に便利

まずは「Zoom Meetings」です。
特長は「手軽さ」ではないでしょうか。「Microsoft Teams」と比べアカウント作成や操作性がシンプルで、素早くWeb会議を開催することができます。一般的に「組織外」の人とのWeb会議に「Zoom Meetings」が利用しやすいと言われているのも、このような事が理由になっていると思います。私自身もとりあえずWeb会議を開催したいと思ったらZoomを利用することが多いです。

またWeb会議で便利な機能の「拡充スピード」も早いように感じています。イマーシブビューなどは2021年から利用することができていましたが、同様機能である「Microsoft Teams」のTogetherモードは2022年リリースでした。また2022年8月現在、「Zoom Meetings」ではアバター機能なども実装されていますが、「Microsoft Teams」には今現在そのような機能はありません。

このような点からも、「Zoom Meetings」はとにかくWeb会議に便利だと言えます。

Microsoft Teamsはじっくり「テレワーク」をしたい場合に便利

次は「Microsoft Teams」です。
こちらの特長は「共同作業のしやすさ」ではないでしょうか。「Microsoft Teams」はそもそもWeb会議アプリではなく、コラボレーションアプリという名目で誕生しました。

コラボレーションの意味は「協力・連携・共同作業」。「Microsoft Teams」において、Web会議機能はあくまで「コラボレーション」の一手段という位置づけで搭載されています。またチャット機能、ファイル共有機能、掲示板機能などがWeb会議機能と同じ位置付けのため、それぞれが単体として使いやすいです。「Zoom Meetings」でも同様の機能はありますが、こちらはあくまでWeb会議を「補佐する」ような位置付けとなっています。

さらに、「Microsoft Teams」はWindowsやWord、Excelなどを展開しているMicrosoft社製です。2021年にリリースされたWindows11には標準で搭載されるようになりました。WordやExcelとの親和性も高く、「Microsoft Teams」に共有したファイルを共同で編集するなども簡単にできます。

このように「Microsoft Teams」は、Web会議だけでなく、チャットやファイル共有・作業などでも有効活用できる様々な機能を備えています。まさに所在の離れたメンバーで業務を行う「テレワーク」にはぴったりなツールと言えるのではないでしょうか。

利用シーンや特長で使い分けよう

今回もWeb会議に焦点を当ててお話をしてきました。

Web会議アプリで人気の「Zoom Meetings」と「Microsoft Teams」。基本的にはどちらを利用されても十分満足できるでしょう。そのため、顧客とWeb会議をするのであれば顧客が使い慣れた方を選ぶなど、先ほど述べたような特長を把握しつつ、利用シーンや参加者の属性によって使い分けを考えるのが良いと思います。
Web会議だけでなく、継続的にチャットでコミュニケーションを取っていく事やファイルのやり取りが想定されるのであれば「Microsoft Teams」を選んでも良いでしょう。

一方で、それらは別の手段で既に行っており、今後もその手段を継続していく予定であれば「Zoom Meetings」で手軽にWeb会議だけ実施しても良いかもしれません。
Web会議が会議開催の当たり前の選択肢になりつつある今、「Web会議に対応できる」ではなく「Web会議を武器にできる」状況を早めに作ることが、アフターコロナでの飛躍につながるかもしれません。

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