老舗菓子店の一体感を高めるグループウェア

弊社は菓子の製造・販売を行っています。1903年に創業し、2021年で118年目を迎えました。総本店を構える岩手県一関市を中心に、路面店、商業施設内を含め計5店舗を展開しています。看板商品は約100年前に生まれた「田むらの梅」です。梅の実を青シソの葉と餅（求肥）で包んだ菓子で、1928年に昭和天皇へ献上したことでも有名になりました。それから「ごま摺り団子」という、ゴマダレが入った団子も名物となっています。こちらはシリーズ物の人気漫画の作中にも登場しており、テレビ番組などのメディアでもたびたび取り上げていただいております。弊社商品は和菓子が中心ですが、近年は洋菓子も製造・販売を行っています。
お客様は昔からご愛顧いただいている地元の方や、世界遺産の平泉を訪れた観光客のほか、通信販売も行っているため、日本全国からご注文をいただいております。

【課題】これまで利用していたグループウェアのサポート期限を機に新規サービスを検討

弊社では長年使用しているグループウェアがありました。サービスが古くなっていたため、簡単な情報共有をするだけでも時間と労力がかかるなど、不便を感じることも多々ありました。そのサービスのサポートが2020年に終了するので、思い切ってほかのグループウェアの導入を検討することにしました。

【導入】スムーズな導入のために使い慣れたマイクロソフト製品を選択

検討の結果、「Microsoft 365」の導入を決断しました。私も従業員もマイクロソフトオフィス製品自体を使い慣れているため、導入がスムーズだと考えたためです。IT導入補助金を利用して、2020年9月から導入しました。
導入してまず思ったのは、直感的に扱いやすいデザインだということです。弊社には20代から60代までの幅広い年齢層の従業員が在籍していますが、比較的すぐにグループウェアのインターフェースに馴染んでいたのではないかと感じます。現代ではメッセージアプリなどを日常的に使用している人が多いことも関係しているかもしれません。

【効果】場所を問わずに情報伝達や会議ができる利便性

まだ導入して間もないですが、主に情報共有の面で高い利便性を感じています。「情報共有がスムーズというだけで、これだけ業務がはかどるのか」と驚いたくらいです。「Microsoft 365」のチャット機能はスマートフォンとの連携が可能なので、タイムリーに通知を確認することができ、場所を問わずに誰でも発信をすることができるのがメリットです。例えば、大寒波による豪雪のため閉店時間を急遽早めるなど、緊急性を要する連絡の際にもスピーディーな伝達が可能となりました。
そのほか、日常の業務にも役立っています。例えば、ある店舗のディスプレイを写真付きで共有すれば、他店舗でも即時参考にすることができます。また、メディアへの掲載や出演の情報などもあらかじめ全社向けに知らせることで、通信販売の注文数が急増したとしても困惑することなく対応できますし、店頭スタッフがお客様から「あのテレビ番組で紹介された商品はどれですか」と聞かれてもスムーズに回答することが可能です。そして何より、意思疎通の速度と頻度が上がったことで、従業員それぞれに弊社の一員であるという当事者意識が芽生え、一体感が高まっていると感じます。
加えて、コストカットにもつながりました。弊社は盛岡と仙台に営業所がありますが、従業員は会議があるたびに岩手県平泉の本社に集まっていました。それを「Microsoft 365」の機能の1つ「Microsoft Teams」でオンライン会議に変更したことで、交通費とタイムロスを大幅にカットすることができました。金額にして1カ月あたり50万円以上は削減できています。

【展望】積極的なIT導入で生産性を向上させ、さらに強い会社に

「Microsoft 365」には多種多様な機能があり、まだまだ使いこなせているとは言えません。しかし自分なりに機能を勉強して、さらに業務の生産性向上に役立つよう発展させていきたいと考えています。今後の世相に応じて、リモートワークなどにも対応していきます。
次に挑戦したいのは、生産管理や会計に関するクラウドサービスです。現在検討している段階ですが、導入すれば確実に人的作業を減らせるはずです。そして空いた時間を企画や営業に使うことができれば、さらに強い会社になっていくのではと考えています。
IT導入を迷われている企業様は、ひとまずやってみることが大事だと思います。有料のサービスでも、利用料以上のコスト削減につながることが多いのではないでしょうか。実際に弊社も十分に元が取れています。取り入れてみた結果、効果が出ないようなら廃止するという手もあります。現在はIT導入補助金も利用できることですし、ぜひ行動してみるべきだとお伝えしたいです。