ネットの広告は効果が出るのか?(3) 〜検索広告で成果を出すには
- 2022年2月22日
- 中小機構 中小企業支援アドバイザー 村上知也
- ネット広告
今回は、広告の中でも、検索広告に絞って、
どのように出稿し、成果に繋げていくのかを解説します。
前回は、「広告の種類」を紹介しました。検索広告の概要については、前回の記事を確認してください。今回は、検索広告についてより具体的に紹介していきます。
1クリック500円の広告費用は高いのか!?
広告の単価については、前回の記事の例でご紹介しました。キーワードによって単価は大きく異なりますが、人気のキーワードであれば、1クリック500円することもあります。この金額は高いのでしょうか?
広告は見てもらうのが目的ではありません。広告を見て、問い合わや申し込みをしてくれるといった実際にビジネスに繋がることを求めているでしょう。
そうすると、広告を見たお客さまはどれくらいの割合で申し込みをしてくれるのでしょうか。これはケースバイケースですので以下の図表のリフォーム会社の一例で考えてみます。
広告を100人がクリックしたとして、3%の人が無料見積りボタンを押してくれるとします(3人)。そして無料見積りをした人の33%が成約してくれるとすると、受注につながるのは1人ということになります。
1クリック500円だとすると、100人が広告をクリックして、5万円で1受注となります。高いでしょうか?安いでしょうか?受注金額が高額であれば安く感じるかもしれませんし、小額の受注であればとても広告を出す気は起きないかもしれません。
広告を実施する前にこういった確率や金額について、想定で構いませんので考えた上で実際に検索広告を活用していきましょう。
広告を出すときには少しずつトライ&エラーですすめていこう
初めて広告を実施するときは実際に成果につながるかわからず不安だと思います。そのため、どういった広告文面を出すのか、誘導するページはどのような画像を使えばいいのかを、複数パターンで試しながらやっていきましょう。こういった取組をABテストといいます。
少しでも成約率が高い広告や、自社ページを用意できたら、広告の予算を増やしていくといいでしょう。
また、地域を絞って少しずつやっていくのもいいでしょう。例えば、大阪府下全域に広告を出したいとしても、最初は例えば堺市に絞ってだしてみてはどうでしょうか。地域についても、都市部と地方で差が出るのか確認しながらやってみるのもいいでしょう。
どんなキーワードで集客していくか?
多くの人を集客したいときは、幅広いキーワードを設定してしまいます。しかし、キーワードの幅が広くなると、成約率は低下しがちです。広告の運用を外部に依頼する際には、もっと集客するためにキーワードの幅を広げようと提案を受けるかもしれません。しかし、そのキーワードで集客して、本当に自社の売上につながるのかは、その場面で冷静になって考えてみましょう。
例えば、結婚関連のギフトを販売したいとします。いろいろなキーワードが考えられますし、Google広告ではキーワードのマッチタイプがあります。部分一致、フレーズ一致、完全一致です。
完全一致であれば、「結婚 ギフト」と完全に同じキーワード検索をした人だけに広告が表示されます。しかし、部分一致であれば、「結婚」や「ギフト」に関連する検索に対して広告が表示されてしまいます。そうすると、「結婚 出逢い」と検索した人に対しても広告が表示されるかもしれません。
友達が結婚したのでギフトを贈りたいと思っている人を集客したいのに、結婚の出逢いを探している人が集客されてしまうと、自社の商品購入の成約にはつながらないでしょう。キーワードについても徐々に考えながら広げていく方が無難です。
そのため、除外キーワードの設定も重要です。除外キーワードはそのキーワードが含まれる場合は広告を出さないという設定ができます。前述の例では、「出逢い」や「マッチング」などのキーワードは除外しておくと、無駄な広告コストがかかるのを防げます。
データを見ながらすすめていくこと
いずれにしても重要なことは広告結果のレポートをじっくり確認することです。どんなキーワードで成約している確率が高いのか、1受注にいくらかかっているのか(コンバージョン単価)を見ていきましょう。
また、自社の商品サービスにつながらないような無駄なキーワードで来訪していないかも確認していきましょう。
ネット広告では、紙やテレビの広告に比べて成果測定ができるため費用対効果が明確になります。コストが見合っているのかを確認しながら広告にチャレンジしていくといいでしょう。
IT支援力アップミニ講座では、今回の記事を分かりやすく紹介する動画を公開していますので、是非、参考にしてください。