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特集

収益性を把握するために、販売管理サービスを活用しよう【中小企業のためのクラウドサービス/アプリ分野紹介 第9弾 販売管理案件型】

  • 2019年9月30日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー 村上知也
  • アプリ分野紹介
 

 中小企業・小規模がIT化(ITツールの導入)を進めるにあたって、業種や業態によってどういった分野の業務にITツールを導入していくかは異なります。
 以下の図表を確認すると、利用されているクラウドサービスとして子メール、ポータル、スケジュール共有などコミュニケーション系(複数の人数で同時に活用することにより効率性が向上するもの)の割合が高くなります。その次に、会計や、給与、人事といったバックオフィス系の仕組みの割合が高くなります。
 その他、業種等によって重要となる分野のITツールは変わってきますがが、以下の図表のとおり営業や販売管理系の仕組みの利用が確認されます。顧客数や案件数、請求書枚数が多い事業者にとって販売管理は効率化に直結する分野であることが、理由であると考えられます。

販売管理の重要性

 中小企業・小規模がIT化(ITツールの導入)を進めるにあたって、業種や業態によってどういった分野の業務にITツールを導入していくかは異なります。
 以下の図表を確認すると、利用されているクラウドサービスとして子メール、ポータル、スケジュール共有などコミュニケーション系(複数の人数で同時に活用することにより効率性が向上するもの)の割合が高くなります。その次に、会計や、給与、人事といったバックオフィス系の仕組みの割合が高くなります。
 その他、業種等によって重要となる分野のITツールは変わってきますがが、以下の図表のとおり営業や販売管理系の仕組みの利用が確認されます。顧客数や案件数、請求書枚数が多い事業者にとって販売管理は効率化に直結する分野であることが、理由であると考えられます。

クラウドサービスの利用内訳
(図表)クラウドサービスの利用内訳 (出典)情報通信白書平成30年版 に追記

 図表における会計や給与計算までの分野は、事業者によって業務の規模は異なるものの、業務の流れは、大きな違いはありません。しかし販売業務は、業種、業態、規模によって、流れや、実施方法が大きく異なることがあり、クラウドサービスを導入する際も業種特化でないと導入が難しい場合もあります。

 ここでは、一般的な卸売・小売業が案件を管理しながら、見積書、納品書、請求書といった書類を発行していく業務とそのシステム(ITツール)の導入について記載します。

販売管理で管理するデータと必要な書類

まずは、「販売管理」で何を管理していくのかを確認します。販売管理の仕組みで基本となるデータは「顧客」と「商品」です。顧客マスタ(顧客管理において必要となるデータ項目)では、顧客の社名や担当者、住所情報等の基本情報を管理します。商品マスタでは、商品名や単価等を管理します。

顧客からの引き合いがあって案件が発生すると、顧客とその顧客に販売する商品を結びつけ、「見積書」を発行します。受注し商品販売後(サービス提供後)、「納品書」や、「請求書」を発行します。

案件販売管理の仕組み

 販売管理案件型では、こういったデータと発行する書類を紐付けて顧客ごとに管理していくことに価値があります。

販売管理ツールでできること

 販売管理の仕組みには、たくさんの機能がありますが、ここでは、「書類」と「案件」という観点で分けて記載します。

(1)書類の発行

 販売を行う上では、見積書、納品書、請求書等の様々な書類が必要です。これらの書類をエクセル等のオフィスソフトで作っていると、徐々に関連するファイルの枚数(ファイル数)が大きくなります。そうすると、過去の書類を探すのが大変になります。見積り依頼を受けた場合、そのお客様に出した過去の見積書は確認して、改めて見積書を発行するかと思います。その際に過去の見積書がすぐに見つからないと業務が停滞してしまいます。

 このようなときに、販売管理サービスを利用することで、顧客ごとにいつ見積書を作成したのか、請求書を作成したのかが、一覧で確認することができます。

 書類自体の作成はオフィスソフトで作成したほうが早いという方も多いと思いますが、社員各自がオフィスソフトで書類を作っていると、書類を探すのに手間がかかります。全社的にすべての書類が顧客データに紐付いて管理されることで、業務の効率は飛躍的に高まります。

 各社員・営業担当者の業務の最適化のみならず、会社として組織一体となって顧客対応をしていくためには必要な機能と言えるでしょう。

(2)案件ごとの管理

①収益の管理

 特に、小額な案件が多数発生している中小企業では、案件ごとに利益が出ているかを把握するのが、業績を改善する上では最も重要な視点であるといえます。1件1件の案件で黒字がでているのか、また、顧客トータルで黒字がでているのか把握できないと、今後の営業戦略も立ちません。
 案件ごとに発生する書類が散在しているようでは収益の管理は難しくなります。販売管理のITツールを活用することで、各種書類を一箇所にまとめつつ、案件ごとの収益を管理してみましょう。

②請求管理

 同じく、小さな案件が多数ある会社では、多数の請求書の発行や、入金の確認が必要です。そのため、請求漏れ、入金漏れが発生するリスクが高いです。1件ずつ確実に請求したのか、入金がされたのか・まだなのか、確認していく必要があります。

 以下のイメージは、販売管理サービスでの①収益管理や②請求管理の例です。

検索条件テンプレート
(図表)案件ごとの利益率の把握や請求状況の確認の例

ここからアプリ 販売管理(案件型)

 最後に、ここからアプリで掲載している販売管理案件型のコーナーを紹介します。ここからアプリ「販売管理案件型」アプリ検索結果

このコーナーでは、以下のアプリが掲載されています。(掲載日時点)
SmileWorks
SpreadOffice
reformaPSA
 ここからアプリで紹介しているアプリは、無料で試行できるものが多くなっていますので、ぜひ導入に向けて試していただければと思います。

結び

 事業が順調に拡大して売上が大きくなると、販売管理業務の負荷が高くなります。日々の受注入力、見積書、請求書等の書類発行業務などに追われることになります。そのままでいると、案件の管理が甘くなり、赤字受注が発生し、請求漏れをしてるのに、気づかず放置してしまい、知らぬ間に業績が悪化しているということになりかねません。。
 そういった事態を防ぐためにも、販売業務の負荷が高まる前にアプリの導入を検討してほしいと思います。

以上