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特集

複数のポータルサイトを”選択と集中”で活用しよう 飲食店編

  • 2021年8月24日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー  眞本崇之
  • データ分析

ネット集客にかかせないツールの1つであるポータルサイト。
たくさんの店舗が掲載されているため、利用者にとって探しやすいメリットがありますが、当然、ポータルサイト内で比較され、思ったより集客ができない店舗もあることでしょう。

この記事では、ポータルサイトに掲載している飲食店が、ポータルサイト内のデータを活用する視点を解説していきます。

ネット集客と相性がいい飲食店

飲食業界のポータルサイトには、グルメサイトと呼ばれる集客予約サイトに加え、口コミサイトも数多くあります。
最近では、Google Mapのような地図サービスの利用者や、コロナ禍ではデリバリーサービスの利用者が増えてきました。
消費者が飲食店を調べる際には、ネットを活用する人の割合が多く、特に近年はパソコンよりもスマートフォンを使用する割合が増加傾向にあります。
ネット検索で上位に出てくる、目的にあわせた検索ができるポータルサイトは、飲食店の集客における依存が高くなっており、売上に与える影響も大きくなっています。
そのため、ポータルサイトを有効に活用してこそ、厳しい競争環境に打ち勝つ秘訣になるでしょう。

反面、飲食店では、様々なサイトに登録、掲載されている店舗が多くなっていますが、掲載管理にまで手が回らずに、有効に活用できている店舗が多くはありません。
今回は、ポータルサイトにある集客データをどのように活用していけばいいか、多くの掲載店舗のなかに埋もれない工夫を説明していきます。

ポータルサイトを選ぶ際の注意点

新規掲載にあたっては、まずは、自店舗の利用者層にあった集客が期待できるか、を確認します。
ポータルサイトにも得意/不得意があります。例えば、若い女性をターゲットにしたいお店が、サラリーマン層を得意とするポータルサイトに掲載する必要はありません。

続いて、ポータルサイトを選ぶ際には、掲載店舗数が多いポータルサイトを選ぶとよいとされています。
掲載店舗が多い=競争が激しくなると思われがちですが、利用者の利便性(掲載店舗が多いと選択肢が増える)を考慮すると、選定基準の一つとして掲載店舗の多いポータルサイトを選定しましょう。

有料掲載にあたっては、できること/できないことを把握し、必要かどうかを吟味することになります。有料掲載にできて無料掲載にできない例として、上位検索キーワード設定がある/ない、ネット予約機能がある/ない、ニュース配信ができる/できない、といった機能の違いを出すポータルサイトが多くあります。
また、予約台帳やPOSレジと連動できるポータルサイトもありますので、集客以外の機能でもしっかりと有効活用していきましょう。

データ活用① 集客の全体像を把握する

ポータルサイトの多くは、アクセス状況のデータ集計やグラフ化、レポート化をしてくれる機能がありますので、必ず集客状況を確認・把握しましょう。

飲食店の多くはポータルサイトだけでなく、様々な集客方法を用いていることが多くあります。
すべてを把握する必要はありませんが、それぞれの利用状況を把握し、主な集客方法からのアクセス状況を把握しておくことが必要です。

データ活用② 費用対効果を測る

飲食店のポータルサイトでは、無料で掲載できるポータルサイトも多くありますが、掲載費を払って掲載する場合には費用対効果を測定します。

「飲食業の広告費は、売上の10%以下」というデータから、まずは一般比較をしてみましょう。
目安として、月の広告費が売上の10%を超えている場合は、費用対効果が低いと判断できますので、改善の余地があります。

有料でポータルサイトを活用しているお店の多くは、費用対効果が低くなる傾向があります。
その理由として、お客様が検索するキーワード(例:「港区 お好み焼き」「赤坂 焼き肉」 等)で検索結果の上位掲載を狙うことや、閲覧者数を増やすための広告配信によって掲載費用があがり、割引クーポン、割引メニューを提示していること、ポータルサイトを経由した予約には送客手数料がかかり、利益が下がってしまうためです。

一方で、売上が低く、資金的に広告費にかけるお金がないからと、極端に広告費を掛けていないお店も見受けられます。しかし、売上が低いお店は、広告費を掛けることで今以上の売上獲得を期待できますので、先行投資も必要です。

データ活用③ 選択と集中

ポータルサイトに限らず、飲食店に限らず、掲載されたら終わり、掲載料を払っていれば放ったらかし、とならないよう費用対効果を高める改善が必要になります。
ポータルサイト活用で最大の効果を得るためには、「選択と集中」の改善が基本です。

複数のポータルサイトや集客方法での状況を比較できたら、その割合を見て改善策を打つことが必要となります。
改善策の一つには広告掲載料を上げることも考えられますが、地域性、専門性、独自性のような商品やサービスの差別化ポイントをアピールすることが必要です。
改善策の一例として、店舗情報、掲載内容の更新、更新頻度の充実、口コミ投稿の促進などを実施していきましょう。

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