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特集

POSレジの種類と導入に必要なもの

  • 2020年8月6日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 下山田 賢也
  • POS

お店の在庫管理、顧客管理、売り上げ分析等はどのように行なっていますでしょうか?
コンビニやドラッグストア、スーバーで会計のときに使われているレジスタにはPOSという機能が付いています。
POSとは、Point Of Sales – 販売時点情報管理
物品販売の売上実績を単品単位で集計することを意味します。
例えば、バーコードをスキャンした時点で、時間、場所、商品名、価格、その他顧客の年齢層、性別、その日の天気、気温も記録することが可能です。
これにより、売り上げの分析が可能になり、売れ筋商品の仕入れ計画、死に筋製品の在庫処分等の計画を立てることができるようになります。

○POSとPOSレジ

POSはPOSシステムとPOSレジから成り立っていると言えます。
POSシステムとは、価格や在庫の登録、売り上げの分析を行う仕組みのことを指します。
対してPOSレジは、会計に使用するレジスタそのものを指します。
コンビニやスーパーなど、多店舗展開している場合にはそれぞれの店舗のデータを一か所に集約して分析する必要があるため、POSシステムがPOSレジを統括しているようなイメージになります。

小規模店舗がPOSレジを導入するべき5つの理由——楽しいお店づくりのために
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○POSレジの種類

現在普及しているPOSレジには「ターミナルPOSレジ」、「パソコン型POSレジ」、「タブレット/モバイルPOSレジ」の3種類があります。
それぞれについて説明していきたいと思います。

・ターミナルPOSレジ
スーパーやコンビニで導入されているような普段最も目にすることが多いPOSレジです。バーコード等必要な装置を備えた専用のハードウェア(本体)に専用のソフトウェアが入っており、業務ごとに様々なカスタマイズを施すことが可能です。最近は自動釣り銭機の機能が付いているものも多くみかけます。システムが更新されると置き換える必要があるため、導入コスト、運用コストともに高額になります。

・パソコン型POSレジ
パソコンにPOSソフトウェアをインストールしたものです。通常のパソコンとして使用することも可能です。汎用のPCとソフトウェアのコストのみなので、ターミナルPOSレジに比べるとコストは安く、パソコンを買い換えた場合でも新しいパソコンにソフトウェアをインストールするだけで済みます。ただし、キャッシュドロアやレシートプリンタ、バーコードスキャナ等の周辺機器を別途購入する必要があります。

・タブレット/モバイルPOSレジ
タブレットやスマートフォンにPOSアプリをインストールしたものがタブレットPOSレジ、モバイルPOSレジになります。コストや設置スペースの面で導入の敷居が低く、タッチスクリーンによる直感的な操作により、他の種類のPOSレジと比べて容易に扱えます。必要に応じてキャッシュドロワーやレシートプリンタ、バーコードスキャナは必要になります。

○タブレット/モバイルPOSレジの導入に関して

上述の通り、タブレットPOSレジ、モバイルPOSレジはタブレットやスマートフォンがあれば始められますが、必要に応じて下記のような周辺機器を揃える必要があります。
・キャッシュドロア
・自動釣銭機
・レシートプリンタ
・バーコードスキャナ
・カードリーダ
・カスタマーディスプレイ
カスタマーディスプレイは会計時の金額やお釣りの額を顧客に対して表示するために使用するもう一台のタブレットです。
アイテム数の少ない店舗であれば、バーコードスキャナを使用せず、画面をタップすることで商品の入力をすることも可能でしょう。
モバイルPOSとカードリーダの特性を最大限に生かしている例のひとつがApple Storeですが、店員が全員モバイルPOS(Appleの自社製品でもあるiPod touch)を持っており、カードで決済する場合はモバイルPOSに取り付けられたカードリーダを使用して決済し、レジに商品を持っていく必要すらありません。
また、飲食業の場合は注文、調理、会計までの情報の流れを一気通貫でデジタル化できると生産性が向上するので、下記の2点を揃えておいた方がよいでしょう。
・ハンディ端末(タブレットまたはスマートフォン)
・キッチンプリンタ

○POSとクラウド

さらに、従来型のPOSであれば、複数のPOSレジからの情報収集のためにサーバの構築が必要でしたが、これは大企業のフランチャイズに導入するから可能であったと言えます。
今はクラウドを利用することにより、個人経営や小規模事業者でもオンラインでのデータ管理が可能になっています。お店にいなくても売り上げの分析ができるようになります。

○結び

かつてはコストの敷居が高かったPOSも、タブレット、クラウドの登場により個人経営や小規模事業者にとっても導入しやすいものになりました。操作性もスマホのアプリに慣れていればすぐに使いこなせるものが多くあります。
経営者の負荷軽減、商機損失防止、経営戦略立案という観点からも、POSの導入メリットは大きいのではないでしょうか。

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