チャットAIは活用法がたくさん! 〜 デジタル学習はじめの一歩 6
- 2023年3月31日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 高見康一
- はじめてのIT
- AI
当シリーズの第1弾では「AI」をテーマに、活用例や仕組みなどをお伝えしました。それから約3か月経過しましたが、たったそれだけの期間で、AIという言葉がニュースを賑わせる頻度が随分と増加したように思います。
今回は一般利用できる中で有名なチャットAI「ChatGPT」の事業活用例を紹介していこうと思います。
Chat GPTは自然な会話(チャット)をしてくれるAIサービス
Chat GPT は、OpenAIという組織がリリースした人工知能チャットボットです。有料版では最新のAIを活用できますが、少し前のバージョンであれば無料で利用可能です。
今までもこのようなサービスは沢山ありましたが、Chat GPTが世間を賑わせている理由は「やり取りの品質が良い」からです。こちらが書いた文章を精度良く読み解いてくれるのが最大の特徴です。
AIにチェックしてもらう事で、業務改善が進むかもしれません。
Chat GPTは、一般利用はもちろん、事業運営にも大いに活用可能です。例えば以下のように、現在の業務の改善ポイントを探るのにも活用できます。
「予定や進捗状況に関する情報を事前に提出するように依頼し、会議での報告時間を短縮することができます」など、具体的な改善行動が可能になるような回答をもらうことができました。聞き方によっては一般的な回答しか返してもらえない場合もあるので、質問する際、課題については具体的に記載できると良いでしょう。
Chat GPTはこの後もどんどんと会話を続けることができます。ですので、例えば、会議が上長の一方的な通知になっているのが気になる場合、「フィードバックの促進が気になります。現状は上長の発言がほとんどで、メンバーの発言が少なく会議が活性化しません。」などと送信することで、それに合わせた回答がまた返ってきます。
また、気になっている課題の解決法について、具体的に質問しても良いかもしれません。業種なども明記することで、よりこちらのニーズに即した回答が期待できるでしょう。
AIに作業を依頼することで、業務効率化が図れるかもしれません。
具体的な「指示」をすることで、自身が行なっていた業務を代行してもらうことも可能です。例えばメールを書く際に、初めから書くのではなく、必要情報を与えて案を書いてもらうなどの使い方が可能です。
回答に対して更なる要求を送信し、改善案を出してもらう事もできます。
また帳票の作成も依頼できます。
さらに、「残業や有給休暇にも対応したい。」などと送信することで、項目を増やしたサンプルの提示も期待でき、幅が広がります。ChatGPTの活用が進めば、人の手で「最初から」何かを作成するという業務そのものが、本当に希少になるかもしれませんね。
AIを活用する事で、付加価値を生み出せるかもしれません。
Chat GPTは他のシステム・サービスに組み込む事も可能です。LINEに組み込んだサービスを開始した事業者も登場しましたし、Microsoft社は検索やオフィスソフトへの組み込みを行いました。
このように、新しいビジネスの基盤や現行サービスのパワーアップなどに活用するなど、付加価値の創出につながることも考えられます。とはいうものの、これらの使い方は既にITサービス提供ノウハウがないと少しとっつきにくいかもしれませんね。
まずはいつも隣に置いてみませんか。
これからは、いかに有効にAIを活用して業務を進めていけるかが事業者の生産性に大きく影響していくと、私は考えています。一度利用してみると体感できると思いますが、文章などの作成において、AIを活用した場合とそうでない場合ではその効率性に歴然の差が出ます。
もちろん、活用するにあたっては注意点もあります。例えば、情報の正確性についてはまだまだ疑問があります。また、一度のやり取りだけではこちらの意図を把握してくれないことも多いですが、繰り返し詳細を伝えていくことで、今回紹介したように、今までなかった切り口で自身の業務を振り返ることもできます。
最初の一歩として、まずは業務中、常に立ち上げておくというのはいかがでしょうか。ふとした時に「気になること」「やって欲しいこと」を書いて送ってみると役に立つことがあると思います。
「メールを送る前に文面のチェックをしてもらう」
「報告書の案を作ってもらう」
「調べ物のサポートをしてもらう」
もっともっと良い活用法はあると思いますが、私は今のところ、上記のようにChat GPTを活用し、少しでも良い価値提供ができるよう試行錯誤しています。