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特集

手書きの文字認識率がAIで飛躍的に向上。「AI-OCR」の効果を知ろう!

  • 2022年9月6日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 野村真実
  • AI-OCR
  • 文字認識
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コロナ禍でのテレワーク需要拡大で手書き書類のデジタル化を進める企業が増えています。
何らかの理由で紙は無くせないが、手書き文字をデジタル化したい場合に役立つソリューション技術 「AI-OCR」について、解説いたします。

「AI-OCR」の概要

文字位置を自動抽出するため、帳票の文字位置や項目を事前指定しなくても読み取りが可能です。最新のAIを組み合わせることで、現在は文字の認識精度が高まり、個性的な文字でもハンコ付きであっても高確率で読み取ることが可能となっています。

                        <認識対応例>

システムに手入力していた伝票を一括登録可能となり、システム入力の単純作業による誤入力・見落としなどのミス削減、データ化により文書管理・検索が容易になります。
またFAXで受信した注文書等をAI-OCRで読み取り・データ化し、RPA(別途、特集記事あり)等により社内システムへ自動登録すると、出勤しなくても一連の作業がテレワークで出来ることとなり、withコロナの対策ソリューションとして、活躍しています。

事例

ライトプランなど低価格のサービスも増え、かつ帳票設定が容易になったこともあり、中小企業での事例も増えてきました。スタッフ数十名規模の事例をご紹介いたします。

(1)製造業

年間約5,000件の注文書(フォーマットは8種類あり)のデータ入力を自動化。作業時間は年間232時間⇒導入後38時間まで削減。

(2)不動産業

従業員13名でおよそ1,000戸の管理業務を担当。帳票設定は1名の担当者で実施し、年間約300件の入居申込書をデータ化。入力ミスも削減。

(3)サービス業

適性検査アンケートの入力。3〜5月の採用シーズンは、1日で50〜60社分の入力を残業でこなしていた。現在は自動化され、テレワーク・残業なしで対応できている。

取組方法

(1)帳票類の一覧化を行い、それぞれの手書きの廃止可能性を調査し、手書きが残るものについて、デジタル化を検討します。過去の帳票(膨大な枚数が残されているもの)でデータ分析したいものも、同様に検討します。

(2)伝票毎、書類毎に多くの印字パターンサンプルを準備しておくと、データ化の検討がスムーズになります。実際のデータを用意し、正誤チェックを行いながら本格導入に備えます。数が多いほど、AIの機械学習で読み取り精度が上がっていきますので、時間の許す限り、準備しましょう。

(3)(2)まででやりたい事がほぼイメージ出来たと思いますので、導入システムの検討に入ります。詳細は下記の「AI-OCRシステムの種類と選定方法」をご参照ください。

AI-OCRシステムの種類と選定方法

まず手書き文字の場合に認識率が低いOCRシステム(価格は安い)をAI-OCRシステムと混同しないことが必要です。なお、プリンターから印字した活字だけの場合に強いAI-OCRシステムも存在するので、「手書き」に強いのかそれとも「活字」に強いのかで選ぶ選定方法もあります。

また帳票レイアウト事前設定型か、帳票レイアウト自動認識型(オプションの場合あり)の区別も確認してください。特定の帳票のみであれば、レイアウトそのものから自動認識させることができるので、運用は楽になります。なお「納品書と請求書だけに特化」しているAI-OCRシステムなどもあり、システム選定の際は、対応できる帳票類の確認も必要です。

<選定ポイント>

  • 手書きor活字
  • レイアウト事前設定or自動認識
  • 帳票特化orすべての帳票

また顧客情報など機密情報を扱う事が多いので、セキュリティ面(サービス提供会社がセキュリティ関連資格を保有しているか、など)や読み取りデータを渡すAPI連携など、他システムとの連携機能の有無や実績なども確認しておきましょう。

導入コストや費用対効果の考え

データ入力時間削減など人的コスト削減効果のみ議論されることが多いと思いますが、スピーディなデジタル化でデータ分析が可能となることは、意思決定が速くなることを意味します。「時間を買う」投資としての側面もお考え下さい。
また改正電子帳簿保存法(令和4年1月改正)に基づき、紙の保存からデジタルでの保存へ運用面を含めて検討する企業が増えています。そのメリットは下記の通りですので、OCR導入と併せて、是非ご検討ください。

<メリット>

  • 保管コスト、運搬コストの削減。 紙に比べ、保管にも運搬にもコストが削減されます
  • 紛失や滅失リスクの削減。 クラウドなどでの電子データ管理では紛失等から解放されます
  • 情報管理や検索の利便性向上。 電子データの場合、閲覧防止などの策を講じることができます

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