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特集

ショート動画をつくってみよう

  • 2025年9月17日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー  村上知也
  • 集客
  • SNS

タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する時代になっています。長い文章は読んでもらいにくく、長い動画も視聴されにくい傾向があります。もちろん、映画やドキュメンタリーのような作品は別ですが、事業者にとっては、短い時間で的確に自社商品の魅力を伝えることが求められています。

スマホの普及率は、60代でも8割に迫っています。縦長の動画視聴にも多くの人が慣れてきています。今こそ、ショート動画の発信を始めてみませんか。

ショート動画の重要性が高まりつつある

ショート動画とは、縦長で再生時間の短い動画のことです。長さは15秒から60秒程度のものが多く、最近では投稿できる時間が徐々に長くなりつつありますが、基本的には短時間で楽しんでもらうための動画といえます。

主な投稿プラットフォームとしては、YouTubeショート、TikTok、Instagramリールなどが挙げられます。

ショート動画の重要性は、近年ますます高まっています。多くの人がスマホを所有しており、スマホを見ている時間がパソコンより長い方も少なくありません。

電車の中でふと隣の人のスマホ画面を目にすると、動画を視聴しているか、ゲームをしている人が圧倒的に多いと感じます。

もちろん、ショート動画を作れば必ず見てもらえるわけではありません。しかし、テキストから写真、写真から動画、そして動画の中でもショート動画へと発信の主役が移りつつある今、その役割は非常に大きくなっています。そこで、今回の記事ではショート動画の作り方について、いくつか解説していきます。

どんなアプリが使われているか?

動画編集のスマホアプリは多数あります。本格的に編集したい方は、機能がたくさんある有料アプリを使ってもいいでしょう。しかし、機能が多いアプリは使うのが少し難しくなります。とりあえずショート動画をつくってみたい方は、それぞれの標準アプリで投稿することをオススメします。そこで、今回はInstagramの標準アプリでのショート動画投稿のやり方を紹介します。

Instagramのリール(ショート動画)を標準アプリで投稿する

Instagramであれば標準アプリで簡単にリールを作成することができます。
基本的な流れを確認してみましょう。

①作成ボタンから「リール」を選択します。
②発信する動画や写真を選択します。複数枚を選択可能です。
③手軽に発信するにはテンプレートを選択します。音楽や動画のテンポがテンプレートに沿って決定されますので、素材を登録するだけで完成できます。

ただしテンプレートを使うと、他の人と似たような動画が出来上がるので、個別に編集していくのもいいでしょう。

④編集ボタンが画面の下部に現れます。
 字幕ボタンや、スタンプボタンを選ぶことで、登録が可能です。

⑤実際に動画に字幕やスタンプが入ったら、その表示タイミングも画面下部のバーで調整が可能です。

⑥複数の動画をつなぐ場合は、画面転換ボタンで効果を選びます。下記の図では、「スピン」を選んだので、動画と動画のつなぎ目は回転しながら画面が切り替わります。

Instagramでも他のプラットフォームでもまずは標準アプリを使い、もう少し色んな編集をしたくなったら、別のアプリを使うのもいいでしょう。

Editsを使う

EditsはInstagramと連携した動画編集アプリです。Meta社が提供しています。

Instagramの標準アプリで編集するより高機能ですし、動画編集操作もやりやすくなっています。以下のような機能が使えます。

・標準機能では60秒までの編集時間が10分になります。
・インサイト(アクセス解析)がよりわかりやすく確認できます。
・字幕やステッカーを出すタイミングを細かく調整できます。
・動画中に写真をさしこみできます(オーバーレイ)。
・話し音声を文字起こしして字幕を入れられます(キャプション)。

さらに、動画編集が完了すると、そのままInstagramに連携して投稿可能です。

Canvaで動画を編集する〜デザインや素材が豊富

Canvaではさらに数多くの素材や、動画のテンプレートが用意されています。字幕やイラストのアニメーション機能も豊富です。

ただし、Canvaは無料で使えるものの、有料のイラスト・写真や動画の素材を使うためには契約が必要になります。まずは無料版で操作を体験してみて、使えそうなら有料化を検討してはどうでしょうか。なお、Canvaはショート動画だけではなく、SNS投稿、チラシ、プレゼン資料など様々なデザインを作ることができます。

Vrewで動画を作成する〜テキストからAIで自動生成

Vrewは動画に自動で字幕を入れてくれるアプリでしたが、AIの進化に伴い、テキスト文を登録すると、テキストの内容に合わせて自動でショート動画を作ってくれるようになりました。Vrewも何本か動画を作成するのは無料で体験できます。

アクセス解析の重要性〜インサイトを確認しよう

ショート動画を発信したら、インサイトを見て、効果を確認しておきましょう。何回再生されたのか以外にも、新規(フォロワー外)に届いたのか、既存(フォロワー)にしか届いていないのか等を確認することができます。

多くの場合、まだフォローしてもらっていないユーザに自社を認知してほしいでしょうから、フォロワー外に情報が届くかどうかは重要です。
以下のインサイトの例では、リール動画はフォロワー外に多く届いていますが、写真投稿はフォロワー内ばかりに届いています。
この割合はInstagramの状況によってケースバイケースであり常に一定ではないですが、傾向としては多くの場合、リール動画の方が新規(フォロワー外)に届きやすいです。この点からも新しいお客様にアクセスしたいなら、リールの発信を増やしていくべきと言えます。

まとめ

著者は2007年にブログを始めました。現在も継続して記事を書いていますが、やはり以前に比べるとアクセス数は低下しています。文章をしっかり読んでもらいたいと思う一方で、文字離れを実感しています。

その後、Facebookに登録したのは2010年頃だったでしょうか。文字だけでなく写真も投稿できるSNSでの発信力には驚かされました。さらにInstagram、TikTok、YouTubeといったさまざまなSNSが登場し、動画の力を実感するようになったのは、コロナ禍がきっかけでした。

当初は「動画は大画面で横長のほうがわかりやすい」と感じていましたが、スマホの利用時間が拡大するにつれて、ショート動画も日常的に見るようになりました。

消費者の行動は時代とともに変化しています。そのため、事業者としても、自社の魅力を伝えるにはショート動画を活用することが効果的なのではないでしょうか。

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