飲食店の課題対応① ~急な欠員でシフトが組めない、そんな時はIT活用で欠員補充!~
- 2023年6月28日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 清水康裕
- 飲食店
昨今、各業界で人手不足が課題となっていますが、その中でも飲食業界の人手不足は深刻で、店舗運営に支障をきたしているところも少なくないのではないでしょうか。
最近では、給仕ロボットを設置している飲食店(主に大手フランチャイズ)もありますが、人手が足りずに休業を選択する大型店舗も散見されます。
飲食店における人の重要性
飲食店の収益性を確認する指標に「FLR比率」というものがあります。FLRとはF(食材費:Food)、L(人件費:Labor)、R(家賃:Rent)の略で、この3種類のコストをどの程度にするかが、店舗の売上と収益に大きく影響します。
今回はその中でも「人」に着目します。多くの飲食店が、社員やパート・アルバイトを雇って店舗運営しています。厨房、ホールスタッフそれぞれを充足する必要があり、配置が不適切な場合、顧客満足度が低下する要因にもなります。
以下は飲食店リサーチマガジンによる飲食店経営に関する調査レポートです。こちらを見ると多くの飲食店が従業員不足で困っていることがうかがえます。
飲食の仕事は、早朝から夜まで、あるいは、昼間から夜間までと、営業時間が長い場合が多いため、スタッフはシフトを組んで店舗運営にあたります。シフト管理のデジタル化は、今やモバイルオーダー、キャッシュレス決済と並び、取り組むべき課題になっています。
緻密なシフトを組んだとしても、突然の欠員というのは起こり得ます。このようなケースでは、当日休暇予定のスタッフに出勤依頼をすることになろうかと思います。代わりのスタッフが集められなければ、社員が連続勤務で対応するということもあるでしょう。しかし、社員の長時間勤務による欠員補充が常態化してしまうと、過重労働によるサービス低下やモチベーション低下に繋がる恐れもあります。
突発的な欠員を臨時募集で対応
このような突発的な欠員を補充するアプリケーションがあります。
欠員補充したい店舗がスタッフを募集し、空き時間を利用して単発バイトをしたい人とマッチングする仕組みです。
このアプリケーションを利用することにより、飲食店オーナーとスキマ時間を有効活用して働きたい人、双方の要求が満たされます。
こうしたアプリでは、マッチングによりアルバイト契約を結んで実際に稼働した場合、サービス利用料として、例えば時間単価の30%程度を飲食店側が支払い、初期設定費用や月額費用、募集時の掲載費用は無料で利用可能な仕組みがとられていることが多いです。
飲食店のオーナーは、依頼したい業務に対応できる人材が多数登録しているアプリケーションを選定することが重要です。専門分野・業種に特化したアプリや、アルバイト希望者の登録が多いアプリを選ぶと、良い人材に手伝ってもらえる可能性も増加します。アプリケーションによって、登録人材の特色がある場合もありますので、利用前に確認してください。
もうひとつ重要なのが、初めてお店で働く人でも即戦力となれるような環境を準備しておくことです。キャッシュレス決済やモバイルオーダーで環境整備しておけば、簡単な給仕であれば支障はないでしょう。ITを活用した環境整備が間に合わない場合でも、初心者用のマニュアルを用意しておくことで、伝える手間を大幅に省くことができるかもしれません。
自動でマニュアルを作成するアプリケーションもありますので、様々な状況を想定して、有効活用できそうなところからDX化を推進してみてはいかがでしょう?