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特集

受注業務のデジタル化で変化を起こそう【中小企業のためのクラウドサービス/アプリ分野紹介 BtoB EC】

  • 2020年7月2日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 吉田明弘
  • アプリ分野紹介
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数多くの顧客からこまめに発注が来るような事業をされている場合に、受注業務における生産性向上は大きな課題となります。受注が集中するなどして処理が滞ると顧客を待たせることにもつながりますし、常に事務作業に時間を取られていると本来の営業活動に割ける時間が減ってしまいます。
BtoB ECアプリは、受発注の省力化・自動化を実現することで、課題解決のためのチカラになります。また、自社内の生産性を向上するだけでなく、ビジネスを変化させるためのチカラにもなります。以下、BtoB ECアプリによって受発注周りの業務を変化させる3つの観点を紹介します。

○受注業務の負担を減らす

数多くの顧客から、それぞれこまめに発注をもらうと、それを受けるための手続きや作業が膨大になります。電話で連絡を受ければ、それをまずメモしながら、見積書の作成や、在庫の確認、リピート受注であれば過去受注の記録を参照するなどの作業も発生するでしょう。その後も、受注書や発注書の作成、送付などがあります。電話だけでなく、FAXやメール、SNSなどで顧客から連絡を受けるケースもあり、さまざまな媒体に分散している情報を常に確認しなければなりません。
そのような状況では、営業はどうしても受け身になりがちで、既存顧客への新しい提案や、新規顧客の開拓などが後回しになってしまいます。

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そこでBtoB ECを導入すると、Webサイト経由で受注でき、さまざまな業務が簡易化・自動化されます。顧客がWebサイト上で自ら在庫を確認できたり、過去受注に基づいた発注をできたりすることで、営業担当者に問い合わせをする必要もなくなります。また、顧客がWebサイト上で選択した商品に対して自動で見積書を取得したり、営業担当者がデータ化された受注情報から自動で帳票作成をしたり、といった機能もあり、事務処理にかかっていた時間を削減することができます。顧客の入力から帳票出力まで一貫してデジタル化されていることで転記の必要がなくなるため、間違いが減るということもメリットです。
こうして負荷を減らすことで、営業担当者は、本来の営業活動に注力できるようになります。

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○オンラインで完結する営業体制を構築する

BtoB ECアプリを活用することで、受発注の接点をWebサイト上に構築することができると、オンラインでの営業活動との相性も良くなります。
昨今は、一般消費者がSNSやWeb検索などを起点とした購買行動を取ることが一般的になっていますが、企業の調達業務においても、オンラインでの情報収集が重要になってきています。そうした中で、オンラインで情報収集から見積、発注まで完結できると、顧客はスムーズに商品を発注できるようになります。メールマガジンの配信、自社サイトでの情報発信、問合せフォーム、チャットやWeb会議でのコミュニケーション、そしてBtoB ECアプリの活用といった施策を組み合わせていきましょう。
ECサイトを一般公開すれば、既存顧客だけでなく、新規顧客も訪れてすぐに商品情報を閲覧し、見積、発注できます。試しに少額で発注して価値を感じてもらえれば、そこからお得意様になってもらうということもあるかもしれません。

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また、感染症が拡大するなどして、世の中の情勢が対面営業に向かなくなるリスクもあります。顧客の事業活動によっては、事務所外で活動されているなどで訪問営業をすることが難しいケースもあるでしょう。オンライン・非対面型の営業活動を進める体制を構築できれば、さまざまなケースに対応しやすくなります。逆に、これまで当たり前のこととして常に取られていた対面営業という手段も、目的をもって意識的に活用していけるようになります。

○顧客の発注業務を支援する

BtoB ECアプリは自社業務の効率化というだけでなく、顧客に提供する価値の向上という観点からも重要なツールとなります。受発注は表裏一体で、受注としてみれば自社業務ですが、同じことを発注としてみれば顧客側の業務となります。顧客としては、必要なモノやサービスを必要な時に必要なだけ得ることで、より良い事業活動を進めていきたいと考えており、営業活動とはそれを外部から支援するものです。だとすれば、受発注の接点を顧客目線で作っていけば、顧客の事業をより強力に支援することが可能になるはずです。
ECという枠組みを突き詰めていくと、システム開発部隊を自社内に置いて、いわゆるDX(デジタル・トランスフォーメーション)を進め、顧客業務に合わせて製販の仕組みをカスタマイズする事例も出てきます。顧客企業が本部一括ではなく、販売店ごとに販促品を発注できる仕組み。顧客の生産管理と連携して、必要とする量を必要なタイミングで生産して届ける仕組み。エンドユーザーが発注できるサイトまで一緒に用意して、そこからの注文をまとめて生産し、個別に発送するBtoBtoCの仕組み。など。
ただ、そこまで行かなくともBtoB ECアプリを活用することで、顧客業務を改善することは可能です。例えば、屋外で活動されている小規模事業者の方などは、スマートフォンからECサイトにアクセスすることで、仕事の合間に見積依頼や発注ができるようになります。ECサイトは24時間いつでも発注を受け付けられるため、営業時間中に電話しなければならないといった制限もありません。そして多くの受注処理が自動で進行するため、納期を短縮できることも多くなり、必要なモノが必要な時に届く可能性が高まります。また、例えばamazonはWeb上に商店を作ることで、商品棚を個々の顧客に合わせて並べ替えることを実現していますが、それと同様に、BtoB ECでは、顧客企業に提案すべき商品だけを並べて、その顧客向けの料金を提示することができます。購入履歴表示やお気に入り登録、おすすめ商品の提示などの機能によっても、顧客が商品に気づきやすく、選びやすくなります。

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○まとめ

BtoB ECアプリの活用というのは、言ってしまえばWeb上で販売するというだけのことではありますが、上述のように考えていくと、ビジネスをさまざまに変化させていくことでもあります。営業担当者が事務作業に煩わされることなく本来の役割を全うすれば、より多くの顧客により多くの価値を提供できます。オンライン・非対面型の営業活動とも親和性が高くなります。そして、顧客の発注環境がデジタル化されることで、顧客業務の改善にもつなげることができ、付加価値の向上になります。
ぜひBtoB ECアプリにより受注のデジタル化を進めて、ビジネスを変化させることを検討してください。

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