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特集

デジタル活用はじめの一歩 2 ~紙の通帳をやめよう!

  • 2022年10月26日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也
  • DX
  • 会計
「デジタル活用はじめの一歩2」のサムネイル画像

紙の通帳を使うには銀行のATMに行って確認しなければなりません。
近年ではネットバンクの利用が一般的になっています。
本記事では紙の通帳を止めるメリットについて紹介します。

紙の通帳を使ってATMで記帳していますか?

通帳を持って金融機関に行ってATMで記帳する光景は日常的でした。しかし、近年は金融機関の窓口やATMも減少しており、中には紙の通帳を有料化するケースも出てきました。

そもそも通帳記帳は手間のかかる行為です。入金や出金はデータ化され金融機関が保有しています。私達はわざわざ金融機関に出向いて、データをプリントアウトして持ち帰っています。そしてその通帳のデータを、改めて会計ソフトに登録し直しています。データを活用できないため、二度手間が発生しているわけです。

 

ネットバンクを活用して会計ソフトと連動すると

金融機関のATMへ行かずとも、近年ではネットバンクを利用してデータを取得するケースが増えています。以下の図表のように、取引日・取引先・金額は金融機関が保有しているデータです。そのため、ネットバンクの契約をして会計ソフトと連動するとデータが自動で入力されます。
 
データが自動で入ってくると言うことは、自社で登録し直す必要が無いということです。ネットバンクと会計ソフトの活用で、二度手間だった入力業務が削減され、効率化が図れます。

 

会計ソフトのAIが進化してさらに便利になっている

さらに近年の会計ソフトにはAIが導入されており、上記図表のように勘定科目や品目を自動で推測してくれます。これで、取引日、取引先、金額、勘定科目、品目と5項目が自動化できますので、会計処理の効率は飛躍的にアップするのではないでしょうか?

もちろん勘定科目の品目は100%正確ではありませんので、人間の目による確認や修正が発生します。

著者自身もネットバンクと会計ソフトを連動させていますが、連動を始めた頃は50%程度の修正が発生していました。ただAIは学習すると賢くなります。著者が修正した内容を記憶し、次回同じような内容が連動されると、正確に推測してくれるようになりました。今では修正が必要な項目は20%程度まで減少していると感じています。

領収書の保存にも会計ソフトを活用していく

ここまで、通帳のデータと会計ソフトの連動について記載してきました。さらに会計ソフトは、領収書の保管時にも役立ちます。

以下の図表の通り、領収書をスキャンもしくはスマホアプリで写真を撮ると、自動的にデータ化してくれます。著者自身も活用していますが、取引日や金額等のデータはほぼ間違いなくデータ化されています。勘定科目は人間の目で修正が必要なケースもありますが、それでも効率化効果は大きいのではないでしょうか。

 

なお電子帳簿保存法は2022年1月より施行され、領収書をスキャンして登録する要件が大幅に緩和されています。効率化を図るためにも、法律に対応していくためにも、領収書の電子保存の検討も進めていきましょう。

まとめ

紙の通帳は手元にあるとすぐデータが確認できて安心できます。一方で、記帳に行かないと最新データを確認できません。今後は積極的にネットバンクの活用をお勧めします。
 
さらにネットバンクにすれば、通帳の最新情報が確認できるだけでなく、会計ソフトとの連携が可能になり、データの二重入力もなくなります。事業所の皆さんの会計業務において、効率化効果も大きいのではないでしょうか。

以上をふまえて、まずは紙の通帳を使わないところからデジタル化に取り組んでみてはいかがでしょうか?

解説動画(10分程度)

紙の通帳をやめよう

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