デジタル活用はじめの一歩 1 ~電卓をやめよう!
- 2022年10月26日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也
- DX
- 会計

電卓は便利な文明機器ですが、検算も必要になり、業務の効率化に役立っているでしょうか?
さらに便利な仕組みが多数あります。そろばんを電卓に変更するときにも勇気が求められましたが、今こそ電卓を卒業してみませんか?
デジタルを使う頻度を増やしていきたい!
デジタルを活用していますか?今ではインターネットのクラウドサービスで安価にシステムを利用するケースも増えています。とは言っても、多くの業務を手作業で行っている状態から、いきなりシステム活用をするのは難しいものです。
なるべく手作業を減らし、スマホやパソコンの活用頻度を上げていくことから始めてみたいところです。
特に近年はスマホを仕事に活用しているケース、例えば、領収書をスマホで読み込んだり、POSレジをスマホで実現したりする事業者が増えています。
ただし、スマホは便利ですが画面も小さく、大量のデータを処理するのにはあまり向いていません。パソコンを使わなければならないシーンもあるでしょう。例えば次のようなケースです。
どうやって計算する?
以下のようなデータがあって、勘定科目ごとの件数と金額を集計してくださいと言われたら、皆さんはどうするでしょうか?
(1)電卓で計算する
これくらいの量であれば、電卓でピピッと計算してしまうこともあるかと思います。しかし行数がもっともっと増えれば大変になってしまいます。また検算で2回電卓を打つとなるとさらに負荷は高まります。
電卓を打つスピードにもよりますが、これでも10分程度はかかるのではないでしょうか?
(2)表計算ソフト(エクセル)で計算する~関数を使う
エクセルでも電卓のように計算することができます。下図の①のように交通費のセルを指定して足し算をすると集計ができます。しかし、これでは電卓を使うのと大変さはあまり変わりません。
そこでエクセルに備わっている②便利な関数を使います。
SUMIF関数であれば、範囲を指定し、交通費を集計することができます。また、件数であればCOUNTIF関数を使います。
関数を使うと3分くらいで集計できました。だいぶ楽になったでしょうか?
(3)表計算ソフト(エクセル)で計算する~ピボットテーブルを使う
さらにエクセルには関数以外にも便利なツールが有り、ピボットテーブルという機能があります。ピボットテーブルはデータを集計分析するツールです。
ピボットテーブルを使うと、1分以内に集計できました。データ件数が10件であっても1,000件であっても集計時間に大差は有りません。
(4)会計システムを使う
ここまで電卓やエクセル、ピボットテーブルで集計を行ってきました。それぞれデータを入力して、集計するわけですが、会計システムを使っている場合はどうなるでしょうか?
交通費や、会議費などのデータ入力が予め終わっていれば、会計システムは自動で集計してくれます。当たり前といえば当たり前ですが、集計時間は0ということになります。
まとめ
手書きで計算をしている時代から、そろばんになり、電卓が登場して計算処理速度は向上しました。
さらに今では、表計算ソフト(エクセル等)があり、使い方を習熟することで劇的に業務の処理速度が上がります。まずは積極的にパソコンを使い、表計算ソフトを使う割合を増やしていきましょう。
その上で、今回のように会計に特化した業務処理であれば、専門のソフトである会計システムを使うとさらに便利になり効率的になります。
システムを導入するのは大変だと思いますが、最初の導入の手間を乗り越えれば継続的に便利になり、楽をすることができます。