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特集

【データをもっと経営に活かそう!】売上を上げるためにトッピングの組み合わせを考えてみた〜相関係数の確認

  • 2021年7月7日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也

あるラーメン屋さんで、売上をアップするための施策を考えていました。店内で複数のメニューの組み合わせをPOPでお勧めすることにしました。どの組合せが良いのか、分析してみます。

当店のメニューは以下となっています。

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【当店のメニューの例】

トッピングの種類の豊富さがウリの一つであることから、おすすめのトッピングをアピールしていきたいところです。しかし、お客様はトッピングを頼んでも1つのことが多く、より単価を高めるためには、複数のトッピングを頼んでもらいたいと思っていました。

お客様アンケートの実施

そこで、当店では2つの組み合わせたトッピングのおすすめPOPを作ることにしました。
どのトッピングの組み合わせをおすすめするかは、お客様20名にアンケートを取ってみました。

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※以下のデータは、想定で作成したもので、実際の店舗のデータではありません。
 アンケート結果は以下の様になりました。この結果からどの組み合わせを提案したらいいでしょうか? 例えば、半熟卵(3.4点)と、チャーシュー(4.0点)は両方とも点数が高く、良い組み合わせかもしれません。しかしそうでしょうか?組み合わせでは人による好き嫌いもありますので、半熟卵は好きだけど、チャーシューは嫌いという人もいるかも知れません。

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相関分析の実施

そんな時、調べたいのが「相関」です。半熟卵が好きな人で、チャーシューが好きな人が多いと、相関が高くなりますし、逆であれば相関は低くなります。エクセルの分析ツールを使うと、すぐに相関係数を求めることができます。

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エクセルの機能を使って相関係数を計算してみました。エクセルから以下のようなデータが出力されます。(見た目は整形しています)その結果、半熟卵の相関係数は-0.4となっており、チャーシュー好きの人には半熟卵が好きではない人がある程度存在することになります。つまり、チャーシューと半熟卵の組み合わせのお勧めは有効ではないと考えられます。

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なお数値の目安としては、-0.4 であり、弱い逆相関があると言えます。

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そうすると、POPでおすすめするのはどの組み合わせがいいでしょうか?相関係数が高い組み合わせが良いということになります。上位3位まで抽出してみると、以下となりました。そうすると、この3つでPOPを作っていけばいいわけです。

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POPの作り方は、本記事の主題ではありませんが、いつどこで、誰に何をどのようにといった要素を取り込んだPOPを作るといいでしょう。
相関係数の高い人気の組み合わせのトッピングのPOPを作ってみました。

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まとめ

商品のおすすめを選定するには、ABC分析で売れている商品を把握していくといいでしょう。ただし、複数の組み合わせで提案したい場合には、単に売れ筋の組み合わせでは心配です。今回の例のようにチャーシューと半熟卵の組み合わせは人気がない場合もあります。数値を分析して、データからお客様に人気のある組み合わせを選んでいくといいのではないでしょうか。

相関分析
相関分析