【データをもっと経営に活かそう!】お客様の数を予測して廃棄ロスを減らしたい〜単回帰分析
- 2021年7月7日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也
あるラーメン屋さんでは、廃棄ロスが多くて悩んでいました。今までは、勘と経験で仕入れする材料の量を決めていましたが、予想以上に暑い日が続いたりすると、来客が減少して、材料が残ってしまいました。
そこで、来店客数と気温の関係を分析してみます。
月の平均気温は気象庁のサイトからダウンロードできます。
データをダウンロードして調べ、その月の平均気温とラーメン屋の平均来店客数を並べた表を作りました。さて平均気温から来客数の予想はできそうでしょうか?
なんとなく、平均気温が高いと来客数が減っているような気もします。
数値を眺めているだけでは、わかりませんので、次にこの数値をグラフにしてみます。
エクセルの機能を使って、散布図を作成しました。近似曲線をひいて、グラフに数式を表示できます。
その結果、1日の平均来店客数 y=-0.9097x(月の平均気温)+110.42 となり、平均気温がわかれば月の平均来店客数は予測できることになります。やはり、月の平均気温が上がると平均来店客数は下がっていますね。しかし、散布図を見るとかなりデータはばらついています。この予測式はどこまで信用していいのでしょうか?
そんな時、エクセルの分析ツールで“回帰分析”で確認することができます。
細かな分析については省略しますが、ここでは重決定R2に着目します。データの何%を説明できているかという指標です。ここでは0.29・・となっており、この回帰分析の予測式では、ラーメン屋の売上を予測するには説明不足と言えます。
つまり、月の平均気温だけでは、月の平均来店客数を予測するのは困難ということです。
まとめ
今回は回帰分析で、気温と来店客数の予測をしてみました。残念ながら予測式は役に立ちませんでした。
確かに気温だけで来客を予測するのは無理があったのかもしれません。それではどうすればよいでしょうか。気温以外の項目も追加して、重回帰分析を行い、予測式の精度を高めていく必要があります。
そこで、次の記事では、重回帰分析で予測していきます。