無料アプリを使ってみよう!
- 2023年10月27日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 山本正人
「デジタル活用を進めたいがお金がかけられない」そうお悩みの企業は多いのではないでしょうか。一方で、近年は無料で利用できて効果が期待できるアプリが多く提供されており、実際に中小企業で活躍しているケースも増えています。
コストがネックとなりデジタル活用が上手く進まないとお考えの方、まずはデジタル活用の取り掛かりとして無料アプリの活用から始めてみてはいかがでしょうか?
多くの中小企業で費用がデジタル化のネックとなっている
デジタル活用を進めようする多くの中小企業が突き当たる壁の一つがアプリ費用です。アプリの導入には一般的にお金がかかります。価値や効果が見えづらいというソフトウェア固有の特性も重なって、「お金をかけてアプリを購入しても本当にコストに見合う効果があるのだろうか」と、ついつい購入することを躊躇ってしまうのも無理はありません。
中小機構が2023年に公表した、全国の中小企業1,000社を対象としたアンケート調査「中小企業のDX 推進に関する調査」によれば、DX に取り組むに当たっての課題という質問に対して「予算の確保が難しい」と回答している企業が、従業員規模20人以下では過去2年にわたり約26%と多くなっています。
コストがかからない有益なアプリはたくさんある
近年、様々なシステム提供会社から、期間の制約なく無料で利用できるアプリが提供されています。
以下に示すのは、業種・業態を問わず幅広く利用できる無料アプリのごく一部です。
他にもここに書き切れないほど多くの“無料アプリ”が提供されています。
「タダより高いものはない」と言われますが、無料というと「どうせ使えないものだろう」とか「何か裏があるのでは?」と勘繰る方も多いと思います。しかし、最近の製品は無料の範囲で十分に効果を上げられるものも多く、実際に中小企業・小規模事業者で活用されているケースも増えています。
なぜ無料で使えるのか?
アプリの開発・販売には通常大きなコストがかかります。無料アプリの提供会社はアプリ製作にかけたコストをどのように回収しているのでしょうか?提供会社や製品によって方法は様々ですが、主に以下のような方法によっています。
・アプリの利用者からではなく、広告料収入など他の収益源から回収する。
・一定規模以下の中小企業には無料で提供し、大企業には有料として販売し回収する。
・無料版は機能を限定し、別途機能を充実させた有料版の販売にて回収する。
・アプリ自体は無料で提供し、付随するサポートや機器販売により回収する。
このように、アプリ提供会社がビジネスモデルを工夫することにより無料化を実現していることが近年多くみられる特徴です。
アプリ提供会社がこのような工夫をして無料で提供するメリットは何でしょうか?大きなメリットの1つはシェアや利用実績を獲得できることです。利用者が多ければ口コミも広がり、知名度も向上させることができます。これらは販売促進に活かせます。多くの利用者の声を集められれば、よりよい製品開発に活かすこともできるでしょう。
無料版で一定の満足を得て、より高度な機能を求める利用者を有料版の購入へ誘導できることも大きなメリットです。規模の小さい企業限定で無料提供されているアプリは、利用企業が成長してスケールアップすることにより有料版のシェア獲得につなげることも期待できます。このように、提供会社側にも無料で提供する様々なメリットがあるのです。
無料アプリを利用する上での注意点
高い費用対効果が期待できる無料アプリですが、良いことばかりではありません。次のような点には注意しましょう
(1)使い方は自分で調べて覚える
無料アプリは基本的に提供会社のサポートはありません。利用ガイドやマニュアルを参考に、不明な点は書籍やインターネットで調べるなどして、利用者自身で利用法を覚えていく必要があります。
(2)利用機能が制約される
多くの無料アプリには機能がより充実した有料プランが別に存在し、無料版では利用できない機能が提供されています。このため、無料プランの範囲内では使いたい機能が使えないこともあるでしょう。
(3)広告が表示されるものがある
提供会社が広告料収入を前提として無料提供しているアプリは、画面上に広告が表示される場合があります。無料の代償として可能な限り許容しましょう。
(4)利用条件がある
製品によって従業員数、利用者数、売上高などにより無料で利用できる条件があります。自分の会社が条件を満たしているか確認が必要です。
(5)“無料”に甘えて眠ってしまうことも
費用がかかっていないと「使わなくてもどうせ損はしないから」いう意識が働きがちです。いくら無料でも、使わなければ何の意味もありません。解決したい業務課題をきちんと認識して、その解決に資する製品を選び、意識を高く持って利用しましょう。
まずは使ってみよう!
無料アプリには、コストをかけることなく業務課題を解決し、効果を上げることが期待できます。さらに複数の無料アプリや導入済のアプリを組み合わせることで、かなりの業務効率を高めることが可能です。仮に期待する効果が得られなかったとしても、コストが無駄になるリスクはありません。
業務アプリ作成やRPAなど、アプリの種類によっては初期導入時の習得に時間や労力を要するアプリもあるでしょう。そのような場合は、まず支援機関・支援者が利用方法を習得し、中小企業・小規模事業者をサポートしてあげることもスムーズな導入には有効と考えられます。
デジタル活用を進めたいが費用がネックとなっている方は、まず無料アプリの利用から始めてみてはいかがでしょうか。
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