ITプラットフォームへ移動
特集

Web動画広告で自社をアピールする方法

  • 2022年5月12日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー 清水康裕
  • 動画
  • 動画広告
Web動画広告で自社をアピールする方法のサムネイル画像

皆様が日ごろ利用しているスマートフォンアプリ、特に無料で利用できるものには必ずと言って良いほど、画面の上段や下段等に広告が表示されているのをご存じでしょうか?
この広告欄を使って自社商品のPRをするにあたり、知っておくべきポイントを解説します。

【Web広告の特徴】

昨今は、多くの方がパソコンやスマートフォンを利用してさまざまなSNSを活用しています。仕事で利用する場合は、有償(ラインビジネス等)のアプリケーションが多いかと思いますが、個人で利用しているSNSはほぼ無料ではないでしょうか?

無料で便利なアプリケーションを利用できるのは、運用会社が、より多くの方に自社のアプリを利用してもらいたいと考えるためです。利用者が多ければ多いほど、企業はアプリケーションを通じて効果的な広告を出すことができます。そして、SNS運用会社は広告収入を得ることができます。この三方良しの関係は、テレビ放送局・CMを出す企業・視聴者の関係とよく似ています。

LINEを例として紹介します。

LINEは、多くの方が日常的にチャットアプリケーションとして利用しているのではないでしょうか? LINE株式会社の2022年1月~6月のBusiness Guide(Summary)によると、国内の月間利用者数は8,900万人(2021年9月時点)で、日本の人口の約70%が利用している計算になります。

LINE利用者に向けて広告を出すことができれば、最大で日本の人口の70%の人々に商品宣伝できる可能性があることになります。これをテレビに置き換えて、番組の視聴率とCMの関係と考えると、驚異的な数値であることがわかります。

もちろん、TVとSNSにはそれぞれの特性があります。

TVをリアルタイムで見る場合、CMを飛ばして視聴することができません。ファミリー世帯の場合、1台のTVで複数人にアピールできるということになります。それに対して、LINEを代表とするSNSの場合、広告を無視することができます。また、パソコンやスマートフォンは、ほとんどの人が単独で利用しているため、1つの端末で複数の人に視聴してもらうことは困難です。

さらに大きな違いは、TVCMの場合、番組の視聴者層を予測して、自社商品に興味を持ちそうな世帯が多く視聴すると考える番組にCMを提供するのに対して、SNS広告は、個人の属性や嗜好性によって、商品を紹介する対象者を絞り込むことができます。TVCMが決まった時刻に一斉に放映されるのに対し、SNS広告は個人のタイミングに合わせて視聴されます。

どちらもメリット・デメリットがありますが、SNS広告は、ほとんどの場合、TVCMほどの費用が発生しないため、今まで新聞チラシやDMを活用していた企業にとっては、新たな宣伝広告の機会となり得ます。

【動画を載せる代表的なSNS】

ここで、代表的なSNSを紹介します。

(1)LINE

まずは、先ほど例に用いたLINEを紹介します。

おそらく、LINE公式アカウントとして、すでに登録されている企業も多いと思います。LINE公式アカウントの機能を利用してショップカードを作成・運用する、クーポンを配信する等して顧客囲い込みや集客につなげている企業も多く存在します。

ただし、これらを有効に機能させるためには、個人利用者に自社を認識させ、友だち登録してもらう必要があり、いかに多くのファンを獲得するかが重要であるため、労力と時間を要します。

友だち集めの労力なく、商品を宣伝する方法が、これから紹介する機能になります。

 
出展:LINE株式会社 Business Guide(Summary)

LINEには、友だち追加していない個人利用者に対して宣伝する方法が用意されています。さまざまな画面に広告が登場しますが、最もよく見るのはトーク画面の最上部にある広告ではないでしょうか?

トーク画面の最上部の静止画をクリックすると、そのサイトに遷移します。遷移先が記事だけの場合もあれば、動画を用意している場合もあります。動画の場合、動画の画面をクリックすると、動画が流れる仕組みです。

 
出展:LINE株式会社 Business Guide(Summary)

(2)Facebook

近年社名をMeta(正式にはメタ・プラットフォームズ)に変更した、同社の代表的なSNSアプリケーションがFacebookです。Facebookは、原則として利用者が実名登録しているため、ターゲットとするユーザに訴求する効果が高いと言われています。

Facebookアプリケーションをパソコンで開くと、右側に広告が出ています。スマートフォンの場合は固定の広告はありません。パソコン、スマートフォンいずれを利用した場合でも、投稿内容をスクロールしていくと、高頻度で広告が出現します。その広告をクリックして宣伝サイトに行く場合と、その場で広告が自動再生される場合がありますが、これらは広告方法によって切り分けることができます。

 
Facebookのスマホ画面イメージ
出展:Metaサイト
https://www.facebook.com/business/success/2-lulus

(3)YouTube

Web動画というとこのアプリケーションを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?YouTuber(ユーチューバー)という言葉も定着し、社会的な認知度は高まっています。

私もテニスやゴルフの動画レッスンをよく活用しておりますが、目的のレッスン動画を見ようとすると、最初や途中に出現する広告があります。YouTubeの場合、目的動画を見るためには、広告動画を一定時間見なければならない場合や、意識的に広告を消す必要があり、注意喚起できます。

YouTubeでは、目的動画を見るために自動再生される動画広告が多いのですが、文字広告もあり、どちらも選べます。

YouTube画面イメージ画像

(4)その他

その他にも数多くのSNSがあります。前述のアプリケーションと異なる特徴を持つものとして、Instagram、TikTok、Twitterを挙げます。

これらはいずれも、先のSNSアプリケーション同様、自社の動画を宣伝広告することができ、「for business」というサービスも用意されています。しかし、現在、これらのツールの主要な利用方法は自社発信よりも他者発信、いわゆる口コミの拡散だと思います。多くのフォロワー(情報発信者からの受信者)を持つ情報発信者をインフルエンサー(広告塔)として、自社商品を紹介してもらうサービスです。

インフルエンサーが自分の意思で商品紹介していることもあれば、企業から依頼されて商品紹介していることもあります。フォロワーからすれば、信頼するインフルエンサーからの情報なので、ほぼ無条件に興味を持つ可能性がある、という具合です。この場合は、自社で製作した動画を活用するというよりは、インフルエンサーがオリジナルに作った動画や記事をアップしてもらう、という対応になります。

【費用について】

自社動画の費用について説明します。
動画の課金方法には大きく以下の4種類があります。

(1)CPV課金(Cost Per View)
再生1回あたりの単価×再生回数で課金されます。10秒以上動画が再生された場合に1再生とみなすといった具合です。再生とみなす時間の設定はアプリケーションによって異なります。

(2)CPCV課金(Cost Per Completed View)
再生終了1回あたりの単価×再生回数で課金されます。(1)との違いは、(1)が一定時間の視聴により課金されるのに対し、(2)は動画視聴完了によって課金されることです。

(3)CPM課金(Cost Per Mille)
広告が表示されると料金が発生する課金方式です。視聴時間にかかわらず課金されるので、注意が必要です。

(4)CPC課金(Cost Per Click)
広告がクリックされると料金が発生する課金方式です。動画の場合、静止画状態であってもクリックしてサイトに遷移した時点で課金される場合が多いです。

それでは課金される単価はどうやって決まるのでしょうか?代表的なものは入札(オークション)です。

多くの企業が宣伝したいと考える、「個人属性や嗜好性に対する宣伝」や「人気のある番組内での宣伝」は、競合倍率が高く、単価が高くなる傾向にあります。そこで気になるのが広告宣伝費用です。SNSはTVCMと違って、視聴タイミングを決定できません。そのため、意図せぬ多額な広告宣伝費用とならないように各アプリケーションで制御しています。

多くのアプリケーションは一日あたりの課金に対する予算設定があり、上限値に達すると、それ以上は配信されません。閑散期には広告宣伝費を抑え、集中的に情報発信したいときに予算を多く組むといった戦略的投資が可能です。

まとめ

できれば費用をかけず動画広告を掲載したい、という方は、自社ホームページの活用も検討対象となります。もちろん、ホームページの作成・改修費用は必要となりますし、ホームページの訪問者数を増やすための努力(SEO対策や、思わず口コミで広げたくなる魅力的な動画を更新し続ける等)が重要になります。この方法は、多くの人に認知してもらうまでには時間がかかる場合があります。

自社製品をだれに(ターゲットの明確化)、どの程度(のべ人数、頻度)見てほしいのか、それが実現した場合儲かりそうか(例えば、一定数の動画視聴者の購買に直結する見込みのある動画になっているか)など、整理したうえで、広告媒体を選択してください。

そのために5W2Hを当てはめると考えを整理しやすくなります。

  • Who(だれに)
    ターゲットとする客層は明確か?
  • What(何を)
    自社のどの商品を売り込むか?
  • When(いつ)
    広告期間はどの程度とるか?
  • Where(どこで)
    Web広告は宣伝媒体として自社商品に適しているか?
  • Why(なぜ)
    なぜWeb広告は宣伝媒体として効果が出ると考えるか?
  • How(どうやって)
    どのようなWeb広告を出すか?
  • How many(どれくらい)
    予算はどの程度にするか?

諸々検討の上、積極的に活用してください。