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特集

適切な人材配置や組織のパフォーマンス向上に役立つ人材管理システム

  • 2023年3月13日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 坂本ゆみか
  • 人材管理
  • タレントマネジメント

人材管理システムとは、人に関するデータや情報を一元化し、人材の採用や育成、評価、人員配置などの管理プロセスを支援するシステムです。
働き方が多様化し、女性や高齢者、外国人材など企業内部で働く人材も変化しています。従業員や組織のパフォーマンスを向上させるため、きめ細やかな人材管理の重要性が高まっています。
そこで今回の特集では、人材管理システムについてご紹介します。

人材管理システムの主な機能と効果

人材管理システムは、人材マネジメントシステムやタレントマネジメントシステムとも呼ばれます。ここでは、人材管理システムの主な機能とその効果について解説します。

人材データベースによる組織の可視化と適材適所の実現

社員の氏名、年齢、勤続年数、業務経験、勤怠状況、保有資格、面談記録など、分散しがちな人材関連情報を集約し、一元的に管理します。社員の最新情報や組織の状況を正確に把握することで、人事上の課題整理やマネジメント施策の立案に役立ちます。また、データベース上から人材の抽出・分析ができるため、要員計画の策定や人材配置の検討がしやすくなり、1人1人の特性を活かした適材適所の実現につながります。

目標管理機能による人事評価の透明性確保、効率的な運用

目標管理機能は、個人やチーム目標の設定・調整、評価入力・申請手続き、進捗状況の確認などがスムーズにできるようになります。システム上で評価に必要なデータが可視化されるため、上司から部下への助言やフィードバックが質的に向上し、評価プロセスが明確になります。客観性も高まるため、透明性の確保や人事評価の効率的な運用が可能となります。

アンケート機能によるエンゲージメント向上

社員の満足度調査や異動希望の調査、研修の効果測定などに利用できるアンケート機能があれば、フォーム作成や結果の集計などの管理・運用が容易になります。回収したデータを分析することで、社員のモチベーション変化や組織や上司に対する希望・要望の抽出、年代や部署ごとの差異が整理でき、社員のエンゲージメント向上や有能な社員の離職防止などに役立ちます。

上記のほかにも、人材育成につながるeラーニング機能や研修管理機能を備えた製品や新規採用時に応募者の適性を検査したり、採用チャネルごとに効果分析ができたりする採用管理支援の機能を有する製品などがあります。

人材管理システムのタイプと選び方

人材管理システムのタイプとして、人材マネジメント系の機能に特化したタイプと、人事・労務・勤怠などの情報も総合的に管理できるタイプの製品があります。組織の規模や経営戦略上の目的に照らして、必要な機能の洗い出しや製品の選定を検討しましょう。

例えば、自社の課題が人事評価の基準が不明確で評価者によってばらつきが生じている場合などには、目標管理や評価管理機能のある製品が候補になります。計画的に人材育成を行いたい場合などには、eラーニングや研修管理機能を備えた製品が候補として考えられます。

また、人材管理システムは、人事部門担当者のほか各部署のリーダーや経営者層も使用する可能性が高いため、システムの操作性や導入・運用時のサポート体制の有無なども確認し、比較検討してみましょう。