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特集

運行状況も配車も請求も一元管理して業務全体を最適化

  • 2023年3月22日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 並木博
  • 運行管理
  • 配車計画

運行管理システムとは、トラック、バス、営業車など業務で使用している車両の配車、乗務員の勤怠、売上や請求などを一元管理できるシステムです。
デジタルタコグラフやETC、GPSや他のシステム等と連携することで、配車計画や各種書類の作成などの管理業務の大幅な効率化が期待されています。

運行管理システムの主な機能

物流・配送向けや工事車両向けなどの業務に特化したものもありますが、概ね下記のような機能が実装されています。

(1)乗務員や車両データの管理

乗務員からの日報や業務報告、健康状態、運転免許証の期限などの情報の他、連続運転時間や拘束時間を管理します。音声ガイダンスで直接乗務員に注意を促すものもあります。

(2)運行情報の管理

車両の位置、走行距離、走行時間など現状の運行状況を管理します。配車支援・計画システムとの連動させる機能(もしくは配車管理の機能が実装されている)によって運行実績や到着予定時刻などの詳細な運行情報を管理することができます。

(3)帳票の自動作成

運行計画書や運行指示書などの帳票を自動作成したり、乗務員からの報告や運行情報をもとに自動的に請求書を作成することができます。

運行に関わる様々な情報を管理し安全運行に貢献

運行管理システムは、運行情報(GPS、デジタルタコグラフ、ETCなどからのデータを含む)をはじめ、配車計画や車両情報、乗務員情報などを管理し、どの車両を誰が運転していて、どのような状況で、いつまでにどこへ向かうか、というような、それぞれの乗務員や車両の実績、状況、予定を管理することができます。

それは、乗務員の連続運転時間の超過等のコンプライアンスの遵守や、車両の到着予定を知りたい顧客からの問合せに正確に答えることによって顧客満足度を上げるなど、様々な好循環へ繋がります。スムーズな乗務を実現することで乗務員の安全への意識やモチベーションが高まることも期待できます。

クラウド対応のシステムも増えてきました

近年ではクラウドを活用したシステムもリリースされており、初期のコストが低く抑えられることや、クラウドにリアルタイムにデータを送信・蓄積するため、管理者側でリアルタイムに状況を確認することができるようになりました。また、クラウドの利点を活かし、複数拠点での情報共有が可能なものもあります。
(電波や機器の状態によって、通信ができない場合は、車両に搭載された機器にデータを一旦溜めて、回復後にデータを送信します)

導入にあたって考慮すること

運行管理システムは、汎用的で多機能なシステムから、運行する車両やサービスに特化したシステム、配車管理、地図、会計、給与計算等の他システムとの連携によって機能を拡張するシステムなど様々なタイプが存在します。

自社での運行管理に何を求めるか(重視するか)をしっかりと検討し、過不足の無い機能を実現できるシステムを選択することが重要です。

安全な運行やコンプライアンス遵守に対する関心が高まっている中、運行管理システムは業務で車両を扱う事業者にはとても大きな力となります。管理者やオペレーターの負担を減らし乗務員のモチベーションを高め、現状よりさらに円滑で安全な運行を目指すため、運行管理システムを導入・活用してみてはいかがでしょうか。