デジタル活用はじめの一歩 8 ~電話で仕事の連絡を止めると!?
- 2022年12月22日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也
- DX
- はじめてのIT
コミュニケーションを図る手段は口頭や文書でのやり取りなど様々あり、それぞれの良さがあります。
ただし、ビジネスにおいて情報を伝える際には、音声より文字を優先した方が良いのではないでしょうか?
テキスト情報の方が証拠としても残るため、後で内容を確認することができますし、複数人で共有できるというメリットもあるからです。
本記事では、電話の不便さとチャットの便利さをお伝えします。
電話には出たくない
最近は音ではなくて腕時計が電話の通知をしてくれますが、著者は電話が鳴るとビクッとして身構えてしまいます。誰もがスマホを持ち歩き、簡単に電話で連絡が取れるようになりましたが、電話をするのが好きな人もいれば、著者のように嫌いな人もいると思います。
先週1週間のスマホアプリの利用時間を調べてみました。1週間で電話アプリを使ったのは1分でした。一方で、一番よく使うチャットアプリは194分でした。
これはあくまでスマホアプリでの利用時間なので、パソコンで色々なチャットアプリを使ってコミュニケーションを取っている時間を含めると、電話でのコミュニケーションよりも、圧倒的にチャットでコミュニケーションをとっています。
チャットと電話の違い~チャットで連絡するメリットとは?
それでは、なぜ電話よりチャットを使うのでしょうか。電話にもメリットがあると思いますが、今回はチャットのメリットに絞って紹介します。
(1)作業の手を止めない
最大のメリットは、お互いの作業の手を止めないことでしょう。作業に集中している時に電話が鳴ると、そこで集中力が中断されてしまい、その後の作業効率が悪くなってしまいます。
また、打ち合わせをしている時に電話がかかってくると、打ち合わせが中断してしまいます。
電話は、先方の都合を考えないで割り込んでくるツールと言えます。
(もちろん、緊急時には有効性を発揮しますし、電話を受けることが前提のコールセンターなどでは話が違ってくるでしょう。)
猫に作業の妨害をされるのは構いませんが、電話に妨害をされるのはイライラしてしまいます。
(2)マルチタスクができる
対面の打ち合わせや電話では、その最中には一つのことしかできません。一方、チャットではいくつのかの仕事を同時並行的に実施することができます。複数のチャットを同時に使うこともできますし、チャットしながら文書作成など、他の仕事を行うこともできます。
チャットであれば、複数のお客様に同時に対応することが可能になるため、最近ではコールセンターでも電話だけではなくチャットの受付をしている企業が増えています。
(3)証拠が残る
言った!言わない!がなくなります。電話では、こちらが伝えたと思っても、先方が聞いていない!というような齟齬が生じることもあります。特に、仕事の受発注の電話では相互認識の違いは後々のトラブルになります。
その点、チャットでは文字のテキスト情報が残っていますし、開封したかどうかも確認できるので、書いた!書いていない!ということで認識違いが発生することはありません。
(4)後から検索できる
(3)の証拠が残ることと近いですが、後からチャットのやり取りを検索できるのは便利です。見解の相違があった場合に検索して内容を相互に確認できます。
また、久しぶりに仕事の依頼を受けた時に、前回はどんな内容の打ち合わせをしていたのかをスムーズに思い出すことができます。
(5)効率的に伝えられる
電話では、話を整理して伝えられる方もいれば、話の要領を得ず話がまとまらない方もいると思います。テキスト情報であれば、伝える前に考えて文字情報化できますので、口頭で伝えるよりは論理的な内容になり、効率的に先方に伝えることができるでしょう。
もちろん文字で伝えるのが苦手で、口頭の方が伝わると考えている方もいると思います。しかし、受け手からすると、内容が整理されていないと受け取られるケースも多いです。わかりにくい話こそ、文字で伝える方がいいでしょう。
文字で証拠を残したくない話なので口頭で、と言う場面もありますが、正直、証拠に残したくないような話はあまり聞きたいものではありません。
(6)一度に伝えられる
電話で仕事の依頼を受けた時には、以下のようなやり取りが起きます。
「こんな仕事だけどできますか?」→「できます!」
「納期は○○だけどできますか?」→「できます!」
「価格は○○円だけどできますか?」→「できません!」
仕事の内容や、日程、納期などは対応できるのですが、金額があわずに断るような場合です。このような場合、最初に費やした仕事の内容についてのやり取りは、双方にとって無駄な時間となりかねません。
チャット(メール)の場合、仕事の内容、納期、価格をまとめて最初に提示してもらえれば、全体を見た上で受諾の可否が伝えられるので、双方にとってメリットがあるのではないでしょうか?
(7)複数人で情報共有ができる
電話でも複数人で会話はできますが、やはり多人数だと限界があります。一度に多くの人に伝える場合には、チャットが有効だと言えます。
(8)多くの情報を伝えることができる
電話だと音声だけですが、チャットであれば文字情報だけではなく、写真や動画情報も伝えることができます。
グラフや画像などは口頭では説明しづらいですが、その場ですぐにチャットで共有できれば、短時間でやりとりをすることができるでしょう。
チャットアプリにはどんなものがある?
ここからアプリでビジネスチャットのコーナーを確認してみます。
「LINE WORKS」や「Microsoft Teams」、「Slack」や「Chatwork」などがビジネでの利用が増えています。特に、社内システム等がMicrosoftで統一されていれば、「Microsoft Teams」を活用している企業が増えていますし、中小企業では社員が使い慣れている「LINE」の活用が増えています。チャットの利用が多いIT企業などでは「Slack」や「Chatwork」の利用が多いでしょう。
また、個人事業では「Instagram」や「Facebook」などのSNSチャットで仕事のやり取りをしているケースも多いです。著者の場合も冒頭の図表の通り、「Facebookメッセンジャー」で仕事のやり取りをしていることが多いです。
チャットツールは多数あり、それぞれに特徴はありますが、やはり相手があってのチャットツールなので、所属されている集団によって最適なチャットツールは変わってきます。
まとめ
著者の電話嫌いもあって、チャットのメリットばかり強調する記事となっています。
電話にもメリットはあると思いますが、ビジネスの現場でこそ記録が残るというチャットの最大のメリットを活用する割合を増やしていきたいものです。特定の社員しか知らない情報をなくし、社内での情報共有の割合を高めることで、結果として組織力を高めていくことになるでしょう。
ぜひ、チャットツールを始めてみませんか?