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特集

デジタル活用はじめの一歩 5 ~FAXを止めると!?

  • 2022年12月2日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(営業支援) 村上知也
  • DX
  • BtoB EC
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FAXで情報を送ることは簡単です。
しかし発注する際にFAXを使うと、受け取った側はFAXのデータを見て、改めて受注システムに受注情報を入力する作業が発生します。
諸外国に比べ、日本は社外の取引先とのやり取りのデジタル化が遅れていると言われています。
FAXをやめて事業者間の受発注の仕組み(BtoB EC)の導入を考えてみませんか?

受注処理の負荷は高い

電話での受注処理は大変です。電話を受ける時間帯しか受注できませんし、電話内容をメモする際に聞き間違えてしまうと、クレームにも繋がりかねません。

それに比べてFAXでの受注処理は便利でしょう。受付する人がいなくてもFAX受信は可能です。しかし届いたFAXの内容を読んで、改めて自社の受注システムへの入力が必要になります。またFAXに記載の文字が読めないなど問題があれば、電話で確認をする必要があります。

ではメールで受信すれば便利になるでしょうか?流石にメールだと文字が判別できないといった問題はなくなるでしょう。しかし、FAXと同様に、メールの内容を確認して、受注システムへ入力するといった負荷は残ります。

「ファックスや電話、メールで受注していると受注処理の負荷が高い」のイメージ画像

BtoB ECを導入すると

受注処理が忙しくて終わらない、社員がずっと受注処理をしていて新しい取り組みができない、といった課題を抱えている中小の事業者はたくさんあるでしょう。

そんな時、一番効率的な方法は事業者間の取引でもネットショップ(BtoB EC)を導入し、受注処理を効率化することです。

「BtoB ECを導入し事業者のネットショップで受注処理が効率化」のイメージ画像

いままでの受注処理は、電話やFAX、メールで発注先が注文内容を入力しているのにも関わらず、受注側で改めてシステムに入力することになります。いわゆる二度手間です。そのためシステム化してBtoB ECを導入すると、上記図表のように、発注先が入力した項目をそのまま受注処理に連携することができます。

自社が登録していた内容を、発注先が入力してくれるわけですから、受注処理は効率化します。

さらに在庫処理などと連動することで、在庫管理の作業負荷も下がるでしょう。

BtoB(事業者向け)とBtoC(消費者向け)で、EC(ネットショップ)は何が変わるか?

ところでBtoBとBtoCのネットショップは何が違うのでしょうか?
BtoBでは①価格、②商品、③決済を取引先ごとに変更することが可能です。

「BtoB(事業者向け)とBtoC(消費者向け)ネットショップの違い」のイメージ画像

①価格

通常のネットショップでは1物1価ですが、BtoB ECでは同じ商品でも価格を変更できます。
例えば少量購入の取引先は2,300円ですが、大量購入のお得意様は、1,500円で販売するなど、取引先によって販売価格を変更できます。

②商品

BtoBでは特定の取引先だけに販売する商品が存在する場合があります。取引先ごとの専用型番を設けることもあるでしょう。そのためBtoB ECでは取引先によって販売する商品を変更できます。

③決済

BtoBでは取引先によって支払いなどの取引条件が異なります。クレカ払いか請求書払いかなど、支払手段を変更できる他、請求書の締日や振り込み期限を変更することができます。A社は末日締めの翌月末払い、B社は20日締めの翌月20日払い、などです。

このように、事業者ごとの取引に合わせて条件等を設定できるのがBtoB ECのメリットだと言えます。

まとめ

受注側は自社の処理が効率化されるため、BtoB ECを導入するメリットは大きくなります。受注処理に困っている事業者は是非導入を検討してほしいです。

一方で発注側にとっては、今までの発注方法が変更されるため、導入に賛同してもらえないこともあるでしょう。

BtoB EC導入にあたっては、発注先に対しては、新しい仕組みを使ってもらった方が双方にとってのメリットがあることを丁寧に説明する必要があるでしょう。

自社だけではなく、取引先も巻き込んでデジタル化が実現できれば、その効果は大きく、デジタルを活用した顧客への価値創出もできることから、BtoB ECの導入はDXの実現に大きく寄与すると言えます。

解説動画(10分程度)

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