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特集

レシピ管理システムで飲食店の経営管理力を高めよう

  • 2022年11月24日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 坂本ゆみか
  • レシピ管理
  • 飲食店
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レシピ管理システムは、レシピ情報として食材名や分量、調理手順などを登録・管理するものです。
レシピ情報は、経営戦略上のメニュー開発や仕入計画、価格改定などにおいて重要な役割を持つため、レシピ管理は飲食店や飲食事業を展開する企業にとっては、重要な取り組みの一つです。
そこで今回の特集では、レシピ管理システムについてご紹介します。

レシピ管理システムのメリット

レシピ管理システムでは、レシピに関する情報の変更や共有がしやすくなるほか、経営管理上さまざまな効果が期待できます。

複数店舗間でも即時に情報の更新・確認が可能

レシピやメニューなどの情報をノートや表計算ソフトなどで管理している場合、食材や調理手順を変更しても店舗間や従業員間での確認に時間を要します。データとしてシステム上で連携できれば、季節の新メニューやセットメニューの変更についてもスムーズに情報共有がなされ、調理や盛り付けの方法も標準化しやすくなり、品質が安定します。

食材情報の提供やこだわりの訴求により顧客対応力が向上

メニューに含まれる食材のアレルギー情報や原産地情報などが参照しやすくなり、お客様からの問い合わせに対して正確かつスムーズに回答することができるようになります。食材にこだわっている飲食店では、より丁寧に訴求することで安全や健康意識の高い顧客へアピールでき、サービス力の向上につながります。

調理ノウハウの属人化防止、従業員のスキルアップ

レシピ管理ができていない場合、特定の料理人や従業員にのみ調理技術が保有され、スタッフの育成に時間を要したり、味の再現が難しくなったりすることが考えられます。レシピ情報を事前に整備し、写真や動画などで調理や盛り付けのポイントなどを共有することができれば、ノウハウの承継や従業員のスキルアップを効率的に行うことも可能です。

原価計算やメニュー開発に役立てて収益をコントロール

仕入情報や売上データと連携することで原価管理や利益管理に取り組みやすくなります。たとえば、使う食材の量や仕入価格からメニューごとの原価を算定し、原価率を把握・管理することや、売上データと組み合わせてメニューや価格の改定を適切に判断することなどが容易になります。

レシピ管理システムのタイプと選び方

レシピ管理システムには、レシピ情報の登録・管理に特化したシンプルな製品と原価管理機能や売上データ連携機能などを含み、店舗運営管理の領域を広くカバーするような製品があります。下記のような点に留意して製品の比較や導入判断を行いましょう。

機能面

レシピ管理のほかによくある飲食店舗向けの機能として、POSレジデータと連動した売上管理機能、受発注システムと連動した発注予測・自動発注機能、従業員の勤怠管理機能などを備えた製品があります。多機能でも十分に使いこなせないケースもありますので、自社・自店に必要な機能の洗い出しやシステム連携の方法、カスタマイズの必要性などを事前に確認しておきましょう。

また、複数店舗で活用する場合は、まず1店舗でテスト導入・運用を行い、操作性の確認やトラブル時の対応ルールなどを十分に検討したうえで、全店への展開を進めるようにしましょう。

運用コスト面

レシピ管理システムの料金体系について調べてみると、初期費用はあまりかからない一方で、ユーザー数や店舗数に応じて月額料金が変動する製品が多いようです。最低利用金額や契約単位期間が定められているケースがありますので、必要な機能やオプションサービスと照らし、利用者が増えた場合の運用コストを想定して製品を比較してみましょう。

また、システムの利用を始めるにあたり、スマートフォンやタブレット端末、ネットワーク環境などを新たに整備する必要があれば、予算や投資の計画と合わせて検討を進めましょう。