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特集

デジタルタコグラフで運行状況を記録・分析して、より安全に、より効率的に!

  • 2022年11月24日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 並木博
  • デジタルタコグラフ
  • 運輸業
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タコグラフとは「運行記録用計器」のことで、バスやタクシー、トラックなどに搭載されています。
1962年(昭和37年)に装着義務対象車が初めて指定され、現在では装着義務対象車が拡大されるとともに、デジタル化によって「デジタルタコグラフ(デジタコ)」と呼ばれるようになり、業務用車両の運行状況の記録に使われています。 

装着は義務 必ず運行状況を記録しましょう

国土交通省は2014年(平成26年)に『貨物自動車運送事業輸送安全規則』を改正し、「車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラック」についても装着を義務化しました。現時点では装着するタコグラフはアナログ式でも良いそうですが、利便性が高く、データを用いた分析などが行えるデジタル式が主流となっています。

もし、タコグラフが壊れたまま走行、もしくは記録媒体を入れ忘れるなどの記録できない状態で走行した場合は、道路運送車両保安基準や道路交通法に違反となる恐れもあるので確実に動作するか必ず確認してから走行しなければなりません。

記録された運行データを分析し活用しましょう

デジタルタコグラフは、主に走行距離・走行時間・運転中の速度などの運行データをリアルタイムかつ正確に記録します。エンジンの回転数やGPSの位置情報を記録することができる機種もあります。

このような運行状況データを分析すると、運行中の急加速、急減速、無駄なアイドリング、危険な運転などがあった場合に見つけることができます。それは、円滑な業務を妨げる恐れのある危険な走行や、燃料消費の無駄、ドライバーの過労走行などを見つけることができるということです。重大な事故を防ぐだけでなく、人件費や燃料代の無駄の削減にもつなげることができます。

クラウド対応の機種も増えてきました

デジタルタコグラフの運行状況データは、メモリーカード等の電子媒体に記録される機種が多く存在します。近年ではクラウド対応の機種も増えてきており、記録媒体を会社のPCに入れてデータを提出する手間が無い事や、記録媒体の入れ忘れが防げる、管理者がリアルタイムに運行状況データを確認できるなど業務効率のアップが期待されています。

さらに、デジタルタコグラフの導入や運行管理の高度化に対して国の支援があり、国土交通大臣による型式指定を受けたデジタルタコグラフの導入の際などに、費用の一部助成が行われています。

導入が進み、日々進化を続けているデジタルタコグラフですが、「ドライバーの体調確認」「ドライブレコーダーとの連携」「運転免許証の認証」などの機能も備わってくると言われており、期待が寄せられています。安全な運行に世間の注目が集まる中、円滑に業務を継続するためにも、デジタルタコグラフから得られるデータを上手に活用していきましょう。