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特集

情報発信や広告宣伝の効果を高めるデジタルサイネージ

  • 2022年11月22日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 坂本ゆみか
  • デジタルサイネージ
  • 広告
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デジタルサイネージ(Digital Signage)は、屋外・店頭・公共の場所などに設置されたディスプレイやプロジェクタなどの表示機器を用いて情報提供や広告配信などを行うシステムのことで、電子看板などとも呼ばれます。
近年は、ネットワーク環境の発展、サイネージ端末・機器類の低価格化、配信サービスの増加などを背景に市場が拡大しています。
そこで今回の特集では、デジタルサイネージについて紹介します。

デジタルサイネージの種類・特徴

デジタルサイネージには、大きく分けて「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」の2種類があります。それぞれの特徴や導入・運用時の留意点などについて解説します。

スタンドアロン型

スタンドアロン型は、ネットワークを必要としないデジタルサイネージです。画像や動画などが保存されたUSBメモリやSDカードなどの記録媒体とディスプレイ機器を接続して情報配信を行います。ネットワーク(インターネット)環境がない場所でも利用できるため、比較的簡単に始められます。スライドショーのように同じコンテンツが繰り返し再生される機能を用いて、ポスターや看板の替わりにスタンドアロン型を導入するケースが多くあるようです。
スタンドアロン型を運用する際の留意点として、コンテンツの変更作業がその場所ごとや機器ごとに行う必要があること、記録媒体から機器へのデータ読み込みに時間を要することなどがあります。頻繁にコンテンツを更新するような運用には適していないため、管理台数が少ない店舗や繰り返し同じコンテンツ配信を行うイベント会場などでの活用が考えられます。

ネットワーク型

ネットワーク型は、クラウドや社内LANなどのネットワークを通じて情報配信を行うデジタルサイネージです。サイネージ端末やディスプレイ機器の管理台数が多かったり、遠隔地や高所に設置されていたりする状況でもコンテンツ更新しやすい点が特徴です。本社と複数の拠点・支店で運用する場合や、緊急性・速報性の高い情報の配信、時間や場所によってコンテンツの切り替えが必要なケースでの運用に適しています。ただ、スタンドアロン型と比べて、高機能な配信管理システムを利用することなどからネットワーク回線の整備やランニングコストなどを考慮する必要があります。

デジタルサイネージの効果

場所や用途に応じてさまざまに活用されるデジタルサイネージは、マーケティングやプロモーションの効果を高めるツールの一つです。具体的な効果・メリットとして次のような点があげられます。

視認性や訴求力の向上

動画や音楽、アニメーションなどのコンテンツが配信でき、看板や紙のポスターに比べて情報量や表現の幅が広がります。インパクトのある内容で視認性が高まり、販促効果の向上が期待できます。

手間やコストの低減

ポスターやチラシを印刷して掲示する際には、紙やインク代がかかりますが、デジタルサイネージでは電子データを用いるためそれらのコストが削減できます。また、配布や張り替えの手間も不要なためコンテンツの入れ替えが容易になります。

利便性の高い情報提供の実現

タッチパネルなどの入力機能やセンサー機能が備わっているサイネージ端末では、利用者の要望や状況に応じて表示内容を動的に設定することが可能です。また、配信システムのタイマーやスケジュール機能により柔軟な配信設定が可能となり、より利便性が高く、効果的な情報提供サービスが実現できます。

デジタルサイネージに必要な機器等

デジタルサイネージでの情報提供や広告配信を行うために一定の設備投資や準備が必要になります。ここでは、主な機器・システム等についてご紹介します。予算と照らして、保有している機器の活用やレンタル・リースでの導入を検討してみましょう。

ディスプレイ

ディスプレイは、コンテンツを表示・出力し、「看板」の役割を担います。長時間の稼働や屋外での使用が想定される場合は、耐久性の高いディスプレイが必要です。設置場所や視認性などを考慮してディスプレイの大きさ、横置き・縦置きの対応可否などを検討します。

プレーヤー

プレーヤーは、指定したスケジュールやプレイリストに従ってコンテンツを自動的に再生する装置です。ディスプレイに接続して利用します。プレーヤー機能を内蔵したディスプレイ製品もあり、コンテンツが保存されたUSBメモリやSDカードを差し込むことで利用できます。

STB(セット・トップ・ボックス)

STBは、プレーヤーと同じく、ディスプレイにコンテンツを映し出すための装置です。もともとはテレビと接続して、衛星放送やインターネット配信などを視聴するための機器として普及してきたものですが、近年はデジタルサイネージに適した形状や性能のSTB製品が登場しています。

上記のような機器のほか、ディスプレイに表示・出力するコンテンツの管理、配信設定などを一元的に管理するためには、サイネージ配信システム(サイネージソフトウェア)が必要です。使いやすさや機能の充実度など、自社・自店の目的や予算にあわせて導入を検討しましょう。