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特集

美容室・理容室の集客を支援するITとは【中小企業のためのクラウドサービス/アプリ分野紹介 第10弾 予約管理(理容・美容業)】

  • 2019年10月17日
  • 中小機構 中小企業支援アドバイザー 吉田明弘
  • アプリ分野紹介
 

 スマートフォンの普及により、多くのモノゴトに関して、Web上でコミュニケーションできるようになりました。美容室・理容室の予約に関しても、Web予約の割合はどんどん増加しており、女性に関しては電話での予約を上回ったという調査結果があります(※)。特に20代女性では70%がWeb予約を利用しているという数字が出ています。

 スマートフォンの普及により、多くのモノゴトに関して、Web上でコミュニケーションできるようになりました。美容室・理容室の予約に関しても、Web予約の割合はどんどん増加しており、女性に関しては電話での予約を上回ったという調査結果があります(※)。特に20代女性では70%がWeb予約を利用しているという数字が出ています。

「【美容センサス2019年上期】≪美容室・理容室編≫」株式会社リクルートライフスタイル より

○新規顧客を獲得するために

 そのような事業環境のもとで、顧客を増やしていくためには、Webによるプロモーションが必須となります。中でも、いわゆる「クーポンサイト」による集客が、理容・美容業界では有効とされています。

 クーポンサイトの運営業者は、数多くの店舗に参加を呼びかけサイトから予約可能な状態にして、さらに様々な宣伝広告によりサイトという「場」を盛り上げるので、美容室・理容室を利用したいお客様がクーポンサイトに集まってきます。各店舗は、クーポンサイトにおいて他の店舗と「比較」され競争することにはなりますが、目的を持ったお客様が集まっている「場」になるので、宣伝広告の効率がとても高くなるのがメリットです。

 立ち上げたばかりの自社ホームページなどは、言ってみれば人通りのないところに立てた看板なので、見てくれる人がほとんどいません。多くの人が通行する(しかも美容室・理容室を利用したい人ばかりが通る)大通りや駅前に看板を立てる、もしくはそこでビラ配りをする、と考えればクーポンサイトのイメージが分かりやすいかもしれません。

予約管理(理容・美容業)画像1
クーポンサイトから予約、来店していただく

複数サイトの集中管理

 しかし、クーポンサイトは世界にひとつではなく、いくつもの運営業者がそれぞれのサービスを立ち上げています。新規顧客の間口を広げるためには、店舗としては複数のクーポンサイトを利用して、どこからでも予約を取れるようにした方が良いと言えます。そのとき問題になるのが、ダブルブッキングです。あるクーポンサイトから予約された際に、共通の予約台帳がなかったり、台帳に反映されるのが遅くなったりすると、同じ時間帯に別のクーポンサイトからの予約が入ってしまうことがあります。

 この問題を解決するために有効なのは、複数のクーポンサイトからの予約を自動で集中管理するための仕組みです。予約サイトの集中管理機能を持ったアプリを使うことで、それが可能になります。当然のことながら、店舗で直接受け付けた予約なども合わせて管理することができます。

 もし人手で、複数のクーポンサイトや店舗での予約を管理していこうとすると、1日の間に何度もクーポンサイトを巡回してチェックする必要が出てきて、お客様に向き合う時間が減ってしまいます。ITを上手く活用して、大切なことに集中して時間を使えるようにしましょう。

○クーポンサイトだけに頼ることのデメリット

 また、クーポンサイトを利用すること自体、必ずしも良いことばかりではありません。お客様に来店していただいたあと、次の予約もクーポンサイトを経由されるとなれば、そこでまた、他の店舗も含めた中で自店を選んでいただく必要があります。お客様がヘアスタイルを整えたいタイミングで、都度「比較」がされる構造です。

 お客様に「比較」の機会があることは悪いことではないのですが、一方で、美容室・理容室は、続けて利用していただくことで、顧客情報を蓄積していって、より良いサービスを提供できるようになります。お客様に対して質の高いサービスを提供する機会を失うことは、店舗にとっても、お客様にとっても、デメリットになります。

 もちろん、お客様に高い満足を持っていただいたならば、次も選んでいただける可能性は高いでしょう。しかし、初回のご利用などで、まだそれほど大きな差を感じていただいていない場合には、別の店舗を選ばれる可能性もあります。

予約管理(理容・美容業)画像2
次の予約もクーポンサイト上での競争になってしまう

○継続して利用してもらうために

 そのため、最初はクーポンサイト経由で新規顧客にご来店いただいた場合でも、2回目以降のご利用のために別の専用ルートを用意する、ということが大切になります。そこでは「比較」をせずに、すぐに自店の予約ができるようにして、さらに店舗側からの情報提供とシームレスにつながっているとなお良いです。

 具体的には、自店のホームページとつながった専用予約サイトであったり、スマートフォンアプリであったりといった形が良いでしょう。これらは、理容・美容業界向けの予約管理アプリを導入することで、簡単に実現することができます。

 アプリを利用することのメリットは、それだけではなく、予約時(来店前)に入力いただいた顧客情報をそのままPOSと連動させて管理したり、クーポンやスタンプカードの機能でお得意様に対して日頃のご愛顧への感謝を形にして示したり、といったことが可能になります。個々のお客様に適切なタイミングで、スマートフォンアプリのメッセージ通知などを活用し、ご利用の提案や新しいサービスの告知などをしていくことでも、ご来店を促していくことができます。

※アプリによって使える機能は変わります

予約管理(理容・美容業)画像3
2回目以降の予約ルートを用意する

株式会社リザービア「Reservia」予約画面

株式会社リザービア「Reservia」予約画面

○まとめ

 理容室・美容室では、新規顧客を獲得する施策として、複数のクーポンサイトを利用することがあります。理容・美容業向けの予約管理アプリを活用することで、複数サイトの集中管理が自動化できるため、理容師・美容師の時間をお客様と向き合うことにより多く使えるようになります。

 また、お客様が2回目以降のご利用に際して使える、自店専用の予約システムを用意することで、継続して利用していただきやすくすることも重要です。ここでも予約管理アプリは有効です。

 IT活用により、お客様がより高い満足を得られるようなサービスを継続して提供していってください。

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