チラシをどうやって作っていますか?
支援機関の皆さまは、セミナーや補助金相談会、各種イベントの告知などで、チラシなどの配布物を作成する機会が多いのではないでしょうか。
手書きのチラシには味わいがありますが、効率的に作成するために、何らかのツールを使用されている方が増えているようです。
プロのデザイナーが使用するツールとしては、Adobe Illustratorを思い浮かべる方が多いかもしれません。
一般の方々がチラシを作成する際には、Microsoft 365のPowerPointやWordを使っているケースも多いようです。また、あまり推奨されていませんが、Excelで細かなレイアウトを工夫してチラシを作成される方もいらっしゃると思います。
一方で、【ChatGPT】に聞いてみたところ、以下の回答では「Canva」というツールが目立って紹介されていました。

今回はチラシ作りのツールについて考えていきたいと思います。
本記事の最後のパートで紹介しているデザインツールを活用することで、チラシ作成の作業効率が大幅に上がりますので、まずは無料版から体験していただきたいと思います。
Microsoftで作る
職場でMicrosoft365を利用する組織は多いと思います。
そのため、いつも使っているツールでそのままチラシを作るのが一番スムーズだと感じる方も多いでしょう。
Microsoftのチラシテンプレートからダウンロードして作る
白紙の状態で一から作ってもよいのですが、時間がかかるためにテンプレートを利用している方もいるでしょう。また、過去に先輩が作ったチラシ書式をコピーして作るケースもあるでしょう。
Microsoftでは以下のサイトでチラシやポスターのテンプレートを用意しています。
パワーポイントが中心ですが、ワードのテンプレートも用意されています。エクセルのテンプレートは掲載されていません。

ただそれほどデザインテンプレートの数は多くありません。
また、ダウンロードした後はワードやパワーポイントでの操作が必要になります。

他にもインターネットで検索すると、ワードやパワーポイントのテンプレートサイトがありますので探してみてください。
Microsoftの生成AI(Copilot)でチラシを作れる?
Microsoftも生成AIが徐々に進化していますので、AIを使ってチラシを作る未来も近づいているでしょう。
ただ、まだまだMicrosoft365の中で動くAIは力不足気味で、思い通りのチラシを生成するのは難しいものです。
例えば、ワードで「A4の1枚で整体院の集客チラシを作ってください。」とお願いしてみました。


結果は作成されたものの、文書の書式と内容でチラシとしてはビジュアル要素がない状態です。
それではパワーポイントではどうでしょうか?
イラストは作ってくれるものの、画像が出力されるだけで、オフィスツールのAIでチラシを作るのは、現時点では難しそうです。

ネットプリントでつくる
チラシはデザインした後、印刷をするものですから、最初からネットプリントのサイトで用意されているチラシテンプレートを使って印刷まで発注すると、スムーズにできるでしょう。
ネットプリントには、ラクスルやプリントパックなどのサービスがあります。
こちらもテンプレートの種類が多いわけではありませんが、テンプレートを選んで文字を入れ替えれば、そのまま印刷発注できるところが魅力です。
ラクスルのチラシデザインテンプレート

AIでつくる
先ほどは、Microsoft365内のAIを活用した場合を説明しましたが、図表をある程度まで作ってくれるAIも登場しています。
例えばGeminiのCanvas機能を使って、チラシの項目を生成してもらって、インフォジェニックに出力を実行すると、以下図表の右側のように出力してくれます。
これは画像ではないので、項目の内容を自分で修正できます。
ただし、HTML形式で出力されるため、慣れていない方には修正は難しいかもしれません。

デザインツールでつくる
ここまで色んなツールで試してきましたが、現時点では、デザインツールを活用してチラシを作成するのが一番スムーズだと思います。
冒頭にChatGPTが提案してくれたように、デザイン初心者にとっては、AdobeExpress、Canvaの2つが有力候補となるでしょう。
AdobeExpressでつくる
アカウント登録をしてテンプレートから選択すると、様々なテンプレートが表示され、選んだテンプレートの文字や写真を修正していくと完成します。

Canvaでつくる
Canvaも同様にテンプレートを選択して、文字・写真を入れ替えていくだけです。テンプレートの数は膨大に存在し、さらに、イラストや写真素材の数も豊富です。
なお、無料で使うこともできますが、テンプレートや素材は有料のものが多いため、本格的に活用する場合は有料プランの契約が必要になります。

AIのみでチラシを作ろうと試みましたが、あまり上手に作成できませんでした。
チラシは記載する内容がすでに決まっている場合が多いでしょうから、無理にAIで生成する必要はなく、テンプレートに決まった内容を入れ込んでいく方が作業工程としては円滑です。
ただ、部分的にキャッチコピーを見直したいときなどは、AIを後から活用できます。
例えば、キャッチコピーを選択して、鉛筆マークを押すとAIで指示ができます。「もっと集客できる内容に変えて」とお願いしました。

そうすると以下のようにキャッチコピーの内容が変わりました。
いかがでしょうか?集客力が少しは高まったでしょうか?

このように、資料内でAIを使いながら完成に導くことが可能です。
また、作成したチラシをそのまま印刷発注することも可能です。なお、通常のネットプリントに比べると印刷価格は高めになっています。

まとめ
昔はパワーポイントやワードでチラシを作ることも多かったです。そして作るたびに、「自分はデザインセンスがないんだ・・・」と思い知ることになります。なかなか格好良く、おさまりが良いチラシを作ることができませんでした。
しかし、デザインツールが登場して、テンプレートの数も数え切れないほど多くなった今は、ある程度用途にあったテンプレートを見つけることができれば、良いチラシが素人でも作れるようになりました。それも短時間で。
もちろん必要な時はプロに頼んでデザインしてもらうことも必要でしょう。一方で、迅速に色んな種類のチラシを作りたいといった時は、自分でデザインツールを使って作成するのも悪くないですね。