多店舗展開を見据え、遠隔地でも連携できる会計システムを

渡邊さん「私たちは、人々に幸運をもたらす縁起物『白河だるま』を江戸末期から代々つくり続けてきたメーカーです。2021年、福島県白河市に『だるまランド』という観光施設をオープンさせたことをきっかけに、さらにお客様へ直接届ける場をつくろうと、2022年9月には、東京・浅草に『だるまランド浅草店』をオープンしました。日本人観光客はもちろん、外国人観光客へ向けても伝統的な縁起物である『だるま』を日本の土産物としてメジャーにしていきたいと考えています」

【課題】本拠地の福島にいながら、遠隔地の店舗売上を把握したい

渡邊さん「これまでメーカーとして商品を卸していましたが、小売店は初めての試みです。2021年に1店舗目となる観光施設をつくった時、すでにインバウンドを視野に入れた多店舗展開を考えていました。というのも、以前から卸先の中でも特に京都や浅草エリアは売上が大きく、インバウンドの影響が大きいと感じていたのです。コロナ禍で流通がストップすると商品の動きもパタっと止まリ、外国人観光客のシェアの大きさを改めて実感しました。そこで今回２店舗目の出店地として浅草を選びました。小売店オープンにあたって必要となる会計や売上管理システムについては、極力コストを抑えながら効率的に、かつ、いずれ店舗を出す遠隔地でも福島の本拠地から売上管理しやすいものを、という観点で検討しました」

【導入】無料のPOSレジ&キャッシュレス決済アプリを導入

渡邊さん「今回採用した無料のPOSレジアプリ『Airレジ』とキャッシュレス決済アプリ『Airペイ』は、自分で調べて導入を決めました。iPadさえあれば導入コストがかからない上、操作もシンプルで、何より売上データをリアルタイムにクラウド上で確認することができることが決め手でした。従来型のレジスターやクレジット決済システムは導入コストが高額になる上、売上の集計を別途エクセルなどで打ち込んでクラウド上にアップしてデータ共有する、といった手間も時間もかかります。ですから当初から『Airレジ』一択でしたね。導入方法もハードルが低くて、戸惑うことなく入れることができました」

【効果】オペレーションがシンプルで、売上の遠隔管理もラク

渡邊さん「レジまわりのオペレーションが圧倒的にラクですね。福島にいながら浅草店のその日の売上集計をアプリ上で把握することができますので、当初の目的をクリアするのに十分効果的なアプリだと実感しています。キャッシュレス決済アプリの『Airペイ』についても、クレジット決済はもちろん、QRコード決済ができるので決済の幅が広いですね。福島ではまだあまりQRコード決済は多くありませんが、特に外国人観光客が多い浅草店では重宝しています」

【展望】日本の縁起物＝「Daruma」を目指して

渡邊さん「現在のホームページは10年ほど前に制作したもので、スマートフォン向けのレスポンシブデザインにも対応していませんし、今後リニューアルを検討していきたいですね。ECサイトについてもさらに充実させたいと考えています。また、外国人観光客へ向けて情報発信ができる浅草の地に店舗を構えることができたので、今後はここから、『Daruma＝赤くて丸くてヒゲのある、ラッキーになれる日本の縁起物』という認識を海外の方に持ってもらえるよう、認知度アップを目指して発信していきたいですね」

【メッセージ】気持ちのハードルを越えて、まずはITツールを体感することが大事

渡邊さん「業界の中では、率先していろいろなITツールを試してきた方だと思います。ITツールの中でも特にソフトウエアは導入コストが無料のものや安価なものが大半です。億劫になるという気持ちのハードルをひとつ乗り越えて、ITツールを触って、積極的に体感してみるしかないと思います。やって合わなかったら使わなければいい。まずは気軽に導入して触ってみることをおすすめします」