生成AIを使っても業務効率がそれほど上がらない!?
引き続き、さまざまなAIサービスが登場しており、筆者は日々それらの検証に取り組んでいます。
サービスの種類が非常に多いため、多くのユーザーは利用するAIを絞って活用されているように感じます。 「私はChatGPTだけを使っています!」というケースもよく見られます。
しかし、実際に業務の効率化を図るには、無料版のChatGPTだけではやや物足りなさを感じることもあるのではないでしょうか。
「文章を書いたり、調査したりするには便利だけど、実際の業務はそれだけじゃないんだよなあ」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
業務の種類に応じて適したAIを使い分けたり、有料版のサービスを活用したりする必要性を感じる場面が出てきています。また、社内業務にAIを活用するには、自社データをAIに学習させる必要があり、そういった観点からも無料版のChatGPTだけでは、限界を感じる場面が訪れるでしょう。
実際の業務をAIで効率化するには、自社データや業務内容を学習させた専用AIの導入が必要です。ただし、こうした仕組みを構築するにはそれなりのコストがかかるため、多くの中小企業では導入が難しいのが現状です。
ガートナーが毎年発表しているテクノロジーの「ハイプ・サイクル」においても、いくつかの生成AI機能が「幻滅期」に入ったとされています。とはいえ、これは一時的な沈静化を経て社会に定着していく、技術の自然な流れですので、「生成AIはもう終わりだ」と考える必要はありません。ただし、当初期待されていたほどには、業務効率化への貢献が進んでいないという見方もできるかもしれません。
一方で、AIの新たな可能性として注目されているのが「バイブコーディング」です。「バイブ」とは「気軽に」といった意味で、プログラミングの知識がない方でも、一定レベルのプログラムを生成できるようになってきています。
生成AIでプログラムが作れる?
バイブコーディングについては以下の記事を掲載していますので、ぜひご一読ください。
「AIでプログラムを作って業務効率化する〜バイブコーディングの取組み」
https://ittools.smrj.go.jp/info/feature/m747k100000001dk.php
ただし、プログラムを作れるとはいっても、何でもかんでも生成できるわけではありません。たとえば、社内全体の基幹システムのような大規模な仕組みを、バイブコーディングだけで構築するのは現実的ではないでしょう。一方で、ちょっとした業務処理を効率化する場面では、バイブコーディングで十分に対応できるケースがあります。
たとえば、社内に多数のExcelファイルが存在し、それらのファイル間でデータの転記や修正が頻繁に発生している場合などです。こうした処理は、Excelのマクロを使えば自動化することが可能です。通常はVBAというプログラミング言語を用いてマクロを作成します。VBAに取り組んだことのある方も一定数いらっしゃると思いますが、プログラミング初心者にとってはハードルが高く、苦労されたこともあったのではないでしょうか。
そんなときに、バイブコーディングでは、生成AIを活用して「VBAで○○する処理を作って」と日本語で依頼することにより、必要なコードが簡単に生成されます。もちろん、正確に処理できているかテストを行ったり、処理が不足していれば追加の指示を出したりする必要はありますが、その指示もすべて日本語で行えるため、意外とスムーズに目的のプログラムが完成します。
さらに、インターネット上のサービスと連携した処理を生成することも可能です。前述の記事でも紹介しましたが、たとえばGoogleカレンダーの内容を自動集計したり、予定を書き込んだりする処理も、生成AIを使って実現することができます。
ただし、中小企業において社員が各自で生成AIを使って業務処理を作成する場合、業務効率は向上する一方で、セキュリティリスクや内部統制上の問題が生じる可能性もあります。こうした注意点はあるものの、無料の生成AIを活用して業務効率化を目指すのであれば、今回ご紹介した「バイブコーディング」は成果につながる手法の一つだと考えています。
まずは、ちょっとした業務処理から、プログラムで解決してみてはいかがでしょうか?
中小機構からのお知らせ
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【11/18開催】経営課題解決実践スキル習得OJT型講習会 のお知らせ
第2弾「価格転嫁を促す話法と落としどころを探る手法」
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中小機構では、中小企業支援の最前線に立つ支援機関の皆様に向けた、
より実践的かつ効果的なスキルアップの機会の拡充を目指し、新たに
『支援機関OJT支援事業』を開始いたしました。
■令和7年度支援機関OJT支援事業 実践スキル強化講習会 Webページ
https://shiensupport-ojt.smrj.go.jp/
第2弾として、下記のとおり講習会を開催いたします。
今回のテーマは経営課題抽出と価格転嫁支援ノウハウ。その場で講師に
“聞ける・つながる”ライブチャットを取り入れて、支援のヒントが広がる
講習会となっています。奮ってご参加ください!
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【開催概要】
■講習会名:令和7年度支援機関OJT支援事業 実践スキル強化講習会第2弾
「すぐに役立つ!価格転嫁実践スキル習得OJT型講習会
~価格転嫁を促す話法と落としどころを探る手法~」
■開催日時:令和7年11月18日(火)13:30~16:00(予定)
■実施方法:zoomウェビナーによるオンライン配信
■アーカイブ配信あり:事前申込者に後日、配信URL(YouTubeを予定)や
配信期間等の詳細をご連絡します。
■講師: 株式会社船井総合研究所 チームリーダー 関根 祐貴
■対象者:商工団体、金融機関、公的支援機関等の職員の方
■参加費:無料
■プログラム:
第1部 価格転嫁の基礎と課題を抽出する対話手法
・価格転嫁の背景と必要性を整理し、企業が直面する経営課題を学ぶ。
・価格転嫁に向けた課題を引き出すためのヒアリング手法を紹介。
・中小機構支援ツール「価格転嫁検討ツール」を活用した課題整理の進め方を解説。
第2部 事例研究・ライブチャット解説
・講師による成功事例紹介を通じて、業界別の価格転嫁の進め方や工夫を学ぶ。
・リアルタイムで寄せられる質問に講師が回答し、具体的な支援ノウハウを習得。
・現場で使える「交渉の言葉づくり」「伝え方」のポイントをわかりやすく解説。
第3部 実践演習と振り返り
・支援現場を想定し、課題整理から価格交渉までのシナリオを作成。
・支援ツールを活用して、今後の支援の方向性を検討。
・講師のフィードバックを通じて、翌日から現場で活かせる実践力を身につける。
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■令和7年度支援機関OJT支援事業 実践スキル強化講習会 Webページ
https://shiensupport-ojt.smrj.go.jp/
■申込み方法:下記URLより申込みフォームにアクセスし、必要事項をご記入のうえお申込みください。
【URL】https://service.smrj.go.jp/cas/customer/apply/901e4485a9e14b08a47249c5f72f0895
(申込み〆切:11月13日(木)まで)
※お申込み頂きますと、当日のご都合が合わない場合にも
アーカイブ配信をご視聴頂けます。
※テキスト(配布用資料)は、開催前日までにライブ配信参加用URLと共にリンクを送付させていただきます。
※本講習会に関するお問い合わせは下記事務局までお願いいたします。
中小機構 支援機関OJT支援事業事務局(請負事業者:株式会社船井総合研究所)
Tel:0120-611-863(受付時間 平日9:45~17:30 ※土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)
E-mail:smrj_shiensupport-ojt@funaisoken.co.jp
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