生成AIでプレゼン資料、どこまで作れる?
文章自体を生成AIで作成する機会は、以前よりも確実に増えてきているのではないでしょうか。しかし、実際の業務の中では、テキストの文章だけで完結するケースは多くありません。図や表を作成し、それらを含めて説明資料としてまとめる場面が多いのが実状です。
そこで今回の特集記事では、さまざまな生成AIを活用して、どのようにプレゼン資料を作成していくかをご紹介しています。操作方法についても、記事内の動画でご確認いただけます。
「プレゼン資料をどのAIで作る?」
https://ittools.smrj.go.jp/info/feature/rfsisg0000000kzh.php
プレゼン資料を作成するといえば、多くの方がMicrosoftのPowerPointを利用されているのではないでしょうか。そういう意味では、PowerPoint内でAIが使えることが、最もスムーズだと言えます。
ただし、記事内でも触れているとおり、PowerPointに搭載されている生成AIだけでは、現時点では思い通りの資料を作成するのは難しい面があります。
一方で、プレゼンに特化した生成AIツールを活用すると、想像以上に完成度の高い資料を作成できるケースもあります。記事内では「イルシル」等複数のツールを使用して資料を作成しています。
さらに「Genspark」を活用すれば、プレゼン構成に関連するデータを自動的に取得してくれるなど、非常に多機能です。たとえば「中小企業支援制度への理解」というテーマでスライドを依頼すると、心構えだけでなく、実際の中小企業支援施策やその概要に関する情報も自動で収集し、スライド化してくれました。
非常に効率的にプレゼン資料を作成できる時代になったと実感しています。
どのようなシーンで使っていくか?どう使い分けるか?
一方で、すべてのプレゼン資料を作成する場面において生成AIを活用するかというと、悩ましいところです。
たとえば、セミナーを実施する場合、セミナーの構成をAIに考えさせることについては、すでに実用レベルに達しているといえるでしょう。しかし、そのままプレゼン資料の作成までAIに任せると、思い描いていた内容とは異なる資料になってしまうことも多いです。自分の中で「この順番で話そう」「ここでオチをつけよう」といった構成が、うまく反映されないことがあるのです。
最初からプロンプトで細かく指示できていれば再現できるかもしれませんが、実際には概要や目次案を作成したあとで、資料の作成中に順番を入れ替えたり、思いつきで内容を追加したりすることも多いです。そうなると、生成AIで一気にプレゼン資料を作るよりも、自分の考えに合わせてPowerPointやCanvaで手を動かして作る方が、しっくりくると感じています。
一方で、制度説明をする場合や、社内勉強会の資料作成については、生成AIの活用が向いていると感じています。
制度の説明資料は、すでにPDFなどで詳細な情報が提供されていることが多いため、その内容の骨子を生成AIに渡すことで、効率よくプレゼン資料を作成することが可能です。
また、社内勉強会の資料は、あまり時間をかけられないケースもあります。そうした場面では、資料の完成度はそこそこでも、生成AIで一気に作り上げるほうが実用的であるといえるでしょう。
経営指導員の皆さまにとって大きな役割のひとつは、事業者のデータを一緒に見ながら改善を考えることだと思います。これまでは決算書やレジの売上データに基づいたアドバイスが中心だったかもしれませんが、今後はECサイトやSNSのインサイトデータを積極的に確認し、指導に活かしていくことが求められる時代になってきていると言えるでしょう。
皆さんも、ご自身の業務に合わせて「この場面では生成AIを活用しよう」「ここは自分で作成しよう」といった使い分けを意識しながら、進めてみてはいかがでしょうか?
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