WEBサイトへの問合せに24時間対応!チャットボットで人件費削減・顧客満足度向上を実現しましょう
- 2022年9月6日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 並木博
- チャットボット
- 24時間対応
自社WEBサイトの問合せ対応が平日の日中に限られていて、機会損失となってしまったり、回答を待たされたユーザーと不要なトラブルに発展したりといった経験がある企業は多いのではないでしょうか?
「すぐにでも回答が欲しい」というユーザーニーズに夜間や休日でも応えてくれる「チャットボット」について解説します。
チャットボットの種類と選定方法
チャットボットの多くはWEBサイトの一部や端の方にチャットができるスペースや小さなウィンドウを表示し、そこに質問を書いたり選択肢を選んだりすると回答が受け取れるスタイルとなっています。
問合せをする側(ユーザー)から見ると、どのチャットボットも誰かが回答してくれているように見えますが、その「回答者」によって大きく2つに分類することができ、それぞれ実現可能な事が異なります。
導入・選定の際には、自社のサービス・商品に対する質問に適した回答ができるか、チャットボットを表示させたい場所(WEBサイトなど)が実装可能かどうかを確認して選ぶことが大切です。
(1)AI型
ユーザーからの問合せや入力に対して、機械学習を活用し過去の質問や会話を元に統計的に正解と思われる回答を算出して回答します。学習量が増えてくると人間と会話しているような自然な会話が成り立つようになります。一部のサービスでは最初からスムーズな会話が可能なものもあります。
メリット
- オペレーターと会話しているような自然なやりとりができる
- 複雑な質問や大量の質問に対応できる
- 運用期間が長く質問の量が多いほど回答の精度が高くなる
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表記揺れに対応できる
デメリット
- 導入してしばらくの間、回答の精度が高くない場合がある
- 非AI型チャットボットより導入費用が高い
(2)非AI型(シナリオ型など)
事前に登録されたシナリオ(質問と回答の選択肢)や辞書・FAQに沿ってユーザーへ情報提供します。学習することは無く、予め準備していた回答をユーザーに提示するため、質問が複雑化しないサービスに向いています。
メリット
- 企業側が聞きたいことのみを質問し、ユーザーから情報を得ることができる
- シナリオをなぞるように回答まで誘導することができる
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導入コストがAI型と比べて安価(無料もあり)
デメリット
- 複雑な質問では条件分岐が大量になり回答に辿り着くまで時間がかかる
- 回答の精度を上げるためには、常に質問の傾向を分析したり回答を手動で調整する必要がある
- 表記揺れに対応できない(一部、表記揺れに対応したサービスもあり)
導入コストや費用対効果の考え方
チャットボットの料金プランは、月間の固定額や回答回数に応じた従量課金が主です。
初期費用はAI型で10万円~数十万円、非AI型で数万円。月額費用はどちらも数万円~ですが、回答回数やオプションによって様々です(初期費用や月額費用が無料・安価のサービスもありますが、回答回数の上限が低いなどの制限がある場合もあります)。
この「数万円~」の費用は場合によっては高いと感じるかもしれませんが、「24時間365日休まず働いてくれる受付スタッフを雇う」と考えれば高くない投資額だと言えるのではないでしょうか。
導入と運用のポイント
(1)AI型
ユーザーからの質問に対しできるだけ的確に自然に回答できるようにするため、基本となるシナリオや回答を、過去の問合せ履歴やFAQから設定します。初期段階では正確な回答ができない場合もあるので公開前に動作を確認しましょう。
導入後には、顧客満足度を高めるため、ユーザーからの問合せに対し見当違いな回答をしていないか、よくある質問内容に対しては過去と現在の回答内容を比較し、より的確な回答となっているかを確認し必要があれば改善します。
(2)非AI型
準備段階では、できるだけ多くの問合せに対応できるようにFAQや過去にあった問合せと対応内容を可能な限り詳細に設定することが重要です。
また、ユーザーからどのような情報を引き出し、最終的にどのような回答をユーザーに提供するかといったシナリオの設定も準備段階でよく検討しておくことが大事です。
導入後は、定期的に問合せの傾向や問合せ後のコンバージョン率等を確認し問題があれば改善します。商品名やサービスの仕様が変わったといった時は特に注意が必要です。