ICTの活用を通じて業務の効率化をサポートし、お客様の笑顔を増やしたい

　当社は、代表取締役の福山重紀が元々、会社経営者として経験してきたことを活かし、コンサルティングなどのフロントオフィス業務を始めたことが起源です。現在、フロントオフィス業務では中小企業診断士とともに、経営課題の解決をはじめとして、マーケティングツールの作成サポート、出張セミナー、ストアコンセプト作成サポートといった業務を行っています。
　こうしたフロントオフィス業務を進める中で、「間接業務の支援をお願いしたい」というご要望をいただいたことから、約3年前からバックオフィス業務を開始しました。ここでは私たち2名で記帳代行を中心とした会計業務の支援を行っています。2人とも会計事務所に勤務していた知識と経験を活かし、領収書の入力や仕訳作業等を行っています。中小企業においては会計事務員を採用する予算を確保できないところがあり、こうしたお客様に向けてリーズナブルな料金でサービスを提供しています。また、税理士との連携で決算まで対応できる点が強みです。
　加えて、整理収納アドバイザーでもある岡田が、オフィスにおける文書などの整理収納に関するコンサルティングサービスを提供しています。企業における5S（整理・整頓・清掃・清潔・しつけ）は業務効率化の鍵でありますが、その実行にはノウハウが必要です。当社では経営の観点から5Sの推進をサポートしています。

【課題】お客様に真に役立つシステムは何かと試行錯誤

　近年、業務支援のための多種多様なシステム、アプリが登場しています。豊富なサービスから自由に選べる反面、自社にとって最も役立つものは何かを選び出すのは容易ではありません。その点、当社のバックオフィス業務では、長年にわたり会計業務で培った知識と経験を活かして、お客様目線でシステムやアプリを提案し、使いこなすことができます。
　また、会計業務では税理士との連携が欠かせません。いくら使いやすいシステムといえども、連携がうまくいかなければ業務の効率化を実現できません。さまざまな条件をクリアして、お客様に真に役立つものは何か、これまで試行錯誤を続けてきました。

【導入】会計事務所との連携を重視した会計システムの選択

　会計業務に関して、主要なシステムを比較検討し、実際に試した中で、当社が採用したのが、税務・会計・給与のオールインワンシステム「A-SaaS（エーサース）」です。これは会計事務所の業務を支えるビジネスインフラであるとともに、中小企業の業務と経営をサポートするシステムだからです。それとともに、販売管理などのシステムとして採用しているのが、バックオフィス業務を統合的に効率化させるクラウドERPシステム「SmileWorks（スマイルワークス）」です。
　前者の「A-SaaS」は、当社が行う会計業務にとって最適である上、会計事務所との連携を図る上で最も便利と判断しました。また、「SmileWorks」は、当社のお客様が請求業務を行う上で必要な機能がそろっていると判断し、採用しました。たとえば、業種によっては繰越残高を確認した上で当月の請求を起こす必要がありますが、こうした機能はすべての会計システムが対応しているわけではなく、選択を間違えると請求業務が円滑にできなくなります。その点、当社は各社のサービスを試した結果、繰越残高請求に対応した「SmileWorks」を採用しました。

【効果】ツールやシステムの活用で手間のかかる軽減税率に対応

　バックオフィス業務における記帳代行は、スピードと正確さが求められます。当社では、「A-SaaS」と「SmileWorks」を使い迅速な対応を心がけています。レシートなどのデータ読み込みは、業務用スキャナーの「ScanSnap（スキャンスナップ）」を活用して自動化を図っています。また、お客様とはレシートの画像を共有するため、オンラインストレージサービスの「Dropbox（ドロップボックス）」を利用しています。これによって、「ScanSnap」で読み取ったデータはすべて「Dropbox」に収納され、必要に応じて閲覧が可能となっています。
　そのほか、入力と仕訳については、会計事務所での経験を活かしてスピーディな作業を心がけています。昨年、消費税率引き上げに伴い軽減税率制度がスタートしましたが、8％と10％を分けて処理するのは大変な手間となっています。こうした課題についても当社では迅速かつ正確な対応が可能であり、お客様から評価をいただいています。

【展望】次々に舞い込む新たな課題の解決に真摯に取り組んでいく

　当社では、フロントオフィス業務とバックオフィス業務のシナジーを発揮し、中小企業の経営支援を加速しています。また、新たに事業を起こそうとする方々に向けて、補助金申請のサポートなどの創業支援を行っています。和歌山を中心に事業意欲のある方を支えるとともに、創業後はバックオフィス業務で成長を支えていくことが使命と考えています。そして、地域経済の活性化に貢献していきたいと願っています。
　こうした取り組みでは、起業家の方々との密接な連絡が欠かせません。そこでクラウド型ビジネスチャットツールの「Chatwork（チャットワーク）」を活用しています。この中にはビデオ通話の機能が備わっており、遠方にいてもリアルタイムで会議が行えるのが利点です。補助金申請では書類の書き方などを丁寧にアドバイスする必要があり、ビデオ通話やファイル共有が威力を発揮しています。
　近年、お客様の経営サポートを通じて、新たな課題が次々に舞い込んでいます。たとえば、物品受領証のペーパーレス化、勤怠管理システムの導入など、ICT（情報通信技術）に関する問い合わせが増えている状況です。こうした課題に対して一つひとつ真摯に取り組み、解決を図っていくことで、企業の成長に貢献していきたいと考えています。