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飲食店経営で成功、さらなる夢に向けて業務アプリを活用

  • 2020年02月14日
  • 株式会社ことはり
  • 飲食業
  • POS(汎用)
  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 近畿

大阪府、守口市駅の近くで、「そばバー」としてそばとお酒を中心に提供する理(ことはり)。石臼挽き自家製粉と、つなぎなしの本十割そば屋として地元で人気の飲食店だ。お酒は、ソムリエの資格を持つ社長の岩尾良英氏が厳選した日本酒をはじめ、ワインやウィスキー、カクテルなどを取り揃えている。また、季節に応じたさまざまな酒の肴や一品料理も自慢だ。
社長ご夫婦とアルバイト4名の少数精鋭で効率的な運営を行っており、開店当初から業務効率化、合理化を追求し、税理士からの提案によりさまざまな業務アプリを導入。ICT(情報通信技術)を積極的に活用し「効率化を図る分、お客様に対する付加価値の提供に努めたい」という思いが、地域の繁盛店の実現につながっている。

 約10年前から大阪北部、守口市駅の近くに「理(ことはり)」を開いています。元々は同駅周辺でワインバーを経営していました。ソムリエの資格を活かして、ワインと料理の店を続けていたのです。当時からそば打ちに興味があったほか、常連のお客様から「そばの店をやってよ」と勧められたことから、ワインバーの替わりにこの店を出すことにしました。
 店のこだわりとして、食材や調理方法、店内の空間、接客に至るまで工夫を凝らしています。中でも自家製粉の十割そばが看板メニューです。また、ソムリエとしての知識を活かしたワインや日本酒の品揃えに自信があります。
 ちなみに、店名の「理(ことはり)」は、理屈や理論など意味する理(ことわり=旧仮名遣いでことはり)に由来しています。私が理系の出身という飲食業界では変わり種であり、何事も理屈を大切にするタイプであることから命名しました。この世界に飛び込んだ頃から「やるからには徹底して研究する」という方針で飲食の知識や理屈を勉強してきました。その集大成が「理(ことはり)」という店なのです。

【課題】利益を残すためにアプリをどう活用するかが大きな課題

 当然のことですが、飲食業界は安易な気持ちで取り組んで成功するものではありません。やるからには覚悟と努力、そして工夫が欠かせません。利益を残すためには効率化と付加価値を追求することが大切です。その点、近年はさまざまな業務支援のアプリが登場しており、業務の効率化においていかに活用するかが成功の秘訣といえます。
 私は理系で、何でも理屈を極めないと納得しないタイプです。また、何事にも好奇心を抱く性格から、飲食業界の展示会などにはよく出向いて情報収集を行ってきました。アプリの活用もその一環といえます。
 もっとも、業務に役立つアプリにどんなものがあり、どのように導入して活用するかはよくわかっていませんでした。特に店舗を運営して持続的に利益を生み出していくためには、人件費をはじめとして経費を抑える経営が必須です。アプリを用いて、それをどう実現していくべきか、大きな課題でした。

【導入】税理士からの提案で業務アプリの導入を推進

 「理(ことはり)」を運営する過程で、人を通じて新たな税理士の方を紹介していただき、税理士さんから提案を受けて業務支援用のアプリを積極的に導入していったのです。税理士さんは当店の事業について理解があり、成功に向けてどんなアプリが役立つかといった提案を随時行ってくれました。
 特に重宝しているのは、労務管理アプリです。税理士さんの勧めで勤怠管理システムの「KING OF TIME(キングオブタイム)」と、給与計算システムの「Money Forward(マネーフォワード)クラウド」を活用しています。
 また、売上管理については、レジ機能などのついた「スマレジ」を導入しています。これは基本的なレジ機能に加えて、売上分析や予算管理などの機能を豊富に搭載していて、店舗運営の強い味方といえます。現時点でさまざまな機能をすべて利用しているわけではありませんが、事業の発展に向けて順次使いこなしていきたいと考えています。

【効果】間接業務に時間を取られず、その時間を前向きな仕事に活かす

 飲食店の運営では調理や接客といった本来の業務に加えて、実に多くの間接業務をこなす必要があります。これらをすべて手作業で行おうとすると、時間がいくらあっても足りません。場合によっては間接業務に時間と手間を取られて、肝心の調理や接客がおろそかになりかねません。
 その点、当店ではアプリの活用で間接業務の省力化を進めています。まず「KING OF TIME(キングオブタイム)」を通じて、4名のアルバイトの方は出勤、退勤の際、タブレットのボタンをクリックするだけで済みます。そして、月に一回、データを「Money Forward(マネーフォワード)」に入力するだけで勤怠管理の作業が完了します。間接業務のほとんどは妻が担当しているのですが、勤怠管理に関してはアプリのおかげで大幅な省力化を実現しています。
 また、日々の売上管理は「スマレジ」が活躍しています。お客様が注文された品々をタブレットに搭載した「スマレジ」上にてクリック操作で入力するだけで、会計処理から売上げの集計までを一気に行うことができます。業務の効率化、省力化という面に加えて、正確な売上の確認という点からも役立っています。税理士さんとのデータのやりとりも便利な上、適正な税務申告という面でも威力を発揮しています。
 間接業務で無駄な時間を使わないことから、料理メニューの開発をはじめ、お酒と料理のマッチング、さらには酒造メーカーなどの仕入れ先の開拓に時間を使うことができます。仕入れは機械的ではなく、むしろ人とのつきあいを大切にして、互いの信頼関係のもとで行うように心がけています。

【展望】業務アプリのおかげでさらなる夢に向けた余裕が持てるように

 これまで飲食店の経営に深く関わってきて、お客様へのおもてなしのあり方を追求してきました。食材や調理方法、店の空間、接客に工夫を凝らすためには、時間と手間を惜しまない姿勢が欠かせません。そのためには労務管理や売上管理といった間接業務の効率化、省力化が必須です。町を見渡すと新たな飲食店が次々に生まれるものの、経営を持続できるのはごくわずかという厳しい現実があります。毎月、確実に利益を生み出し、店舗経営を続けていくために、ICT(情報通信技術)の活用はとても重要だと思います。
 当店としては、今後「スマレジ」の売上分析などを活用し、曜日や時間帯、天気ごとの売上げ状況を踏まえて、仕入れやメニューに役立てていく考えです。これによって、来店されるお客様に喜ばれる店づくりをさらに追求していきたいと思います。
 また、店舗の運営に加えて、「理(ことはり)」ブランドの商品企画に乗り出すことが私の夢です。日々、料理を作りながら、「こんなことをしたい」「あんなことに挑戦したい」と夢を膨らませています。こうした余裕を持てるのも、さまざまな業務アプリによる効率化、省力化のおかげだと思っています。

社名:株式会社ことはり
HP:https://r.goope.jp/kotohari/

代表取締役:岩尾良英 氏
主な事業:飲食店の経営
所在地:大阪府守口市寺内町1-8-8
従業員数:6名(アルバイトを含む)
設立:2008(平成20)年

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