当店は大衆酒場をイメージとした居酒屋で、経営は今年で4年目になります。人気メニューは、塩辛焼きそばや手作りのさつまあげ、気仙沼や大船渡から日々仕入れている新鮮な魚介類、「奥州いわいどり」という地鶏を使用した料理です。メインのお客様は地元に住んでいる40~50代の方々ですが、蔵ホテル様の近隣に位置していることから、旅行や出張で岩手を訪れた方にも足を運んでいただいています。遠方からいらっしゃるお客様にとって、当店の新鮮な魚介類や「奥州いわいどり」を使用した料理は、一関市を訪れる際の楽しみの1つとなっているのではないかと考えています。
【課題】カードを利用したいというお客様をお断りしてしまっていた
2年前まではキャッシュレス決済の設備を導入しておらず、日に何度かカードを利用したいというお客様をお断りすることがありました。お断りしなければならないお客様が一定数存在していたため、キャッシュレス決済の必要性を日に日に強く感じるようになり、約2年前に遂に導入しました。現在では、全国でキャッシュレス化が進んでいるように感じているため、導入して良かったと思っています。
【導入】キャンペーンを利用してお手軽導入
当時は、端末などが無料でついてくるというキャンペーンが広く行われており、初期費用をかけずにサービスの利用を開始することができました。キャッシュレス化の必要性を強く感じていた当店としてはまさに渡りに船で、いくつかのキャッシュレス決済サービスを導入しました。契約に関する諸手続きは大変だと思うこともありましたが、お客様に喜んでいただけるという思いから、複数のキャッシュレス決済を導入しました。機材としてはiPadと持ち歩ける程度の小さな端末を使用しています。操作が非常にシンプルで、これまでキャッシュレス決済を使ったことのなかったスタッフもすぐに使えるようになり、スムーズに導入できたと思っています。
【効果】導入するアプリを増やしたことで他店舗と差別化ができた
導入によって月々の売上が約20~30万円ほど向上しました。現在は新型コロナの影響により、必ずしも導入直後のような売上はありませんが、テイクアウトを始めた際にも、カード決済なら利用したいというお客様が比較的多く、気軽にテイクアウトをご利用いただけていると感じています。主要な交通手段が電車であり、SuicaやPASMOの利用が多い東京をはじめとする大都市と比較すればまだまだかもしれませんが、このことは岩手県内でもキャッシュレス決済が浸透してきた1つの証ではないでしょうか。また当店は一関市の他店舖と比較して、より多くの種類のキャッシュレス決済サービスを導入しています。「PayPay」を利用される方が多いことは確かですが、多くのサービスを利用する中で、特に「d払い」と「au PAY」は他店舗との差別化に役立っていると感じています。これら2つのキャッシュレスサービスのポイントを利用できる居酒屋が、一関市ではまだ少ないからです。これらのキャッシュレス決済サービスはどれもお客様には気持ちよく使っていただけているようで、良い関係の構築にもつながっているのではないかと思います。
【展望】IT活用で店舗のより良い将来を目指す
私が店長に就任してからまだ4年しか経っていないため、今後も成長や変化、挑戦の余地が大いにあるのではないかと考えています。
例えば、店長就任当初からInstagramを継続的に利用していますが、このアカウントでは仕入れ状況や新メニューについてはもちろんのこと、私のプライベートやキャラクターを含めて、お店のイメージとして楽しんでもらえるような投稿を心掛けています。具体的にはスタッフが食べる賄いに関する投稿や、休日に訪れた居酒屋の写真などです。狙い通り親しみやすさを感じていただけているのか、現在ではInstagramを通じて予約のDMを送っていただくことも増えてきました。またストーリーという機能を用いて席の空き状況を伝えることも始めました。ピークタイム以外のお客様のご来店にも繋がっているように感じます。
このように、キャッシュレス決済サービス以外にも、ITツールにはまだまだ活用できるものがあるのではないかと思っています。さらなる事業の発展に向けて、今後も新しいサービスを探していきたいです。
店名: 居酒屋杏庵
Instagram:https://www.instagram.com/ichinoseki_anan/
主な事業:大衆居酒屋の経営
所在地:岩手県一関市大手町1-2
創業:2008年