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現場の負担軽減を追求したグループウェアの作り込み

  • 2019年12月13日
  • ESMシステム株式会社
  • 建設業
  • グループウェア
  • テレワーク
  • 近畿

大阪府内を中心に半世紀近くにわたって電気工事業を手がけるESMシステム株式会社。ひとくちに電気工事といっても、強電から弱電、計装と分野が分かれており、必要な技術もそれぞれ異なる。その点、同社の強みはこれらのすべてを網羅しており、それぞれの専門家が連携して施工にワンストップで対応できる点にある。そのため、顧客も官公庁からゼネコン、サブコン、民間企業と幅広い。そしてさらに、業務革新に向けたグループウェアを積極的に活用することで、業務の効率化、省力化を進めている。

 当社は、1971年の創立以来、「技術と思いで未来をつなぐ」をモットーにして、大阪府を中心とした関西圏にて電気工事業を営んでいます。事業の特長としては、電気や空調、制御、通信、セキュリティ、省エネなどさまざまな設備の施工をワンストップで行うことができる点です。これによって、お客様をはじめとして、従業員や協力会社などの幸せを追求し、社会から喜ばれる会社、誇れる会社をめざしています。
 具体的には、オフィスビルや工場における電気設備の企画提案をはじめ、設計、現場管理、施工、さらには現場での保守点検や調整などを行っています。また、制御盤の製作や自動制御工事などの計装関係の設計施工でも実績があります。このほか、お客様のご要望に応じて、空調から通信機器、省エネ設備、防犯機器、太陽光発電システムに至るまで、多岐にわたる工事の設計施工を通じて、お客様への貢献を追求しています。

【課題】現場の負担をいかに軽減するかが大きな課題

 当社では、施工現場での業務が多いことから、出張費の精算や社内申請書の稟議などが従業員の負担となっていました。かつては紙による申請が中心だったため、従業員は現場から社内に戻って書面を作成する必要があったほか、決裁する管理職の方も多数の申請書の処理に相当な時間を費やしていました。また、工事案件の管理をはじめ、工事車両や工具の管理なども情報共有に手間がかかっていたのです。
 そこで、早くからグループウェアの導入によって、業務のペーパーレス化を図ってきました。これによってある程度は業務の負担を軽減することができたものの、業務量の増大とともに、サーバのデータ量が飛躍的に増えたことからコストがかさむようになりました。特に当社は施工現場の写真データなどを扱うことが多く、それがサーバの負荷を増やす一因となっていたのです。

【導入】業務に合わせてカスタマイズできる点が魅力

 既存のグループウェアでは限界を感じたことから、新たにクラウド対応のものを検討したのです。その際、現場の声を集めて、どのような機能が求められているのか、ワークフローはどうあるべきかを検討しました。その上で、各社のグループウェアを比較検討していったのです。
 そして行き着いたのが、「desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)」というグループウェアです。これの利点はさまざまな業種向けに基本のアプリがそろっているのに加えて、業務の独自性に合わせて業務アプリを作ることができる点にあります。また、一人あたりのコストパフォーマンスも満足のいくものでした。
 私自身、前職でWeb関係の仕事をしていたことから、アプリの構築に関するスキルを持っていたことも、このグループウェアを活用してみようと判断した理由の一つです。

【効果】業務の多岐にわたる決裁が格段にスピードアップ

 新たなクラウドを導入して約2年が経ちました。現在では、経費の生産をはじめ、請求書の発行、工事案件の管理、車両や備品の管理など40種類以上の業務アプリが稼働しています。当社の事情に合わせたワークフローの作り込みに時間がかかりましたが、工夫を凝らしたおかげさまで従業員に好評です。現場に出ている従業員が外から経費の申請などを行うことができる上、管理職も社内、社外のどこからでも決裁できる点が何より便利といえます。

 さらに、各現場で仕事をする従業員同士の情報共有に課題があったのに対して、グループウェアを通じてコミュニケーションをより密にできるようになった点も大きなメリットといえます。これによって、お客様に対する対応がさらに迅速なものとなり、当社に対する信頼が高まっているのではないかと考えます。

【展望】業務アプリのノウハウを新事業として育てる

 当社では、グループウェアを業務管理にとどまらず、勤怠管理をはじめとする人事や総務の分野でも積極的に活用しています。また、業務の改善に対する従業員の声を集めるためのアンケート機能なども活用しており、経営革新に向けた取り組みにつながっています。
 直近の課題は、業務の効率化と働き方改革に向けた取り組みです。効率化については、RPA(ロボットによる業務の自動化)を導入し、グループウェアとの連携を図っているところです。また、働き方改革に関しては、2024年4月から建設業において労働時間規制が適用されることから、勤怠管理システムの有効活用が欠かせません。従業員一人ひとりの事情に応じた働き方を実現していくため、データをもとに具体的な施策を社内で検討していく予定です。
 さらには、これまでに多数の業務アプリを社内で作ってきたことから、建設業の業務に特化したアプリに関するノウハウを蓄積することができています。これを活かして、業務改善に向けたコンサルティング業務を当社の新たな事業に育てていくことが私の夢となっています。今後も現場に役立つシステムを追求していくことで、当社のさらなる発展をめざしていきます。

社名:ESMシステム株式会社
HP:https://esm-s.co.jp/

主な事業:電気工事業
所在地:大阪市鶴見区放出東1丁目30番23号
従業員数:42名
設立:1980(昭和55)年(創業:1971(昭和46)年)

特定建設業大阪府知事許可取得企業