【課題】長い待ち時間と診療時間で、患者様もクリニック側も疲弊
以前は、受付した順番で診察を行っていたのですが、待ち時間がかなり発生してしまうこともありました。待ち時間のデータを取って大体の予想を立て、戻り時間を伝えて外出してもらうようにもしましたが、それでは根本的な解決にはなりません。順番制だと、患者様も来院してみないと、一体何時に診察が終わるのかわからない。医院側も、受付時間内に来院された方すべてを診察しないといけないので、診療時間が大幅に延びてしまうことが日常茶飯事でした。そこで、予約制の導入を検討し始めました。
【導入】反対の声もあったが、メリットの方が多いと判断
電話で予約を受けると受付の負担が増える上に、電話回線を増やす必要もある……。医療系の予約システムは、費用がかかりすぎる……。なるべく導入コストを抑えられて、個人情報の取り扱いについても安心のできるサービスはないか、情報を集めました。結果、たどり着いたのが無料プランもある「Airリザーブ」です。ネット予約ということもあり、主にスマホを持っていない人から反対の声もありましたが、予約に関する運用ルールを明確に定めマニュアル化しました。例えば、当日空きがあれば電話での予約を受け付ける、などです。診療と処置とに分けて予約を取るなど、いろいろと触ってみて工夫。2018年の6月に検討を始め、7月には導入しました。
【効果】待ち時間の問題も、診療時間が長引く問題も解決
予約制にすることにより、患者様の待ち時間の問題を解決することができました。また、クリニック側にも良い効果がありました。残業が頻発して、提携の薬局や検査機関にも遅くまで対応してもらっていた状況を解消することができたのです。その他には、インフルエンザワクチンの在庫管理も容易になりました。さらに、待ち時間を短縮することで、院内感染の予防にもつながっているのではないかと思います。
【展望】IT技術を活用して、より診療に専念できる環境を作っていきたい
インフルエンザ以外のワクチン予約は電話で受け付けているのですが、将来的にはすべてネット予約にしたいと考えています。ただ、乳幼児のワクチンのように複雑なものは、どのタイミングでどのワクチンを打てばいいのか、患者様ご自身では判断が難しいこともあります。単純に時間枠として予約を取ってもらうだけでは、うまくいきません。この課題を解決し、いつかはシステム化したいと日々模索しています。ほかには、Airリザーブ を無料プランから有料プランへアップグレードしたり、決済に「Airペイ」を導入したりもしています。有料プランにしたのは、生年月日を入れて電子カルテとの照合を容易にするためです。時間が短縮できただけでなく、ミスを減らすことにも成功しました。これからも、便利なものはどんどん取り入れて、専念すべきところに専念できる環境を作っていくつもりです。ITを取り入れることを目的にする必要はありませんが、ITを取り入れることによってメリットがあるのであれば、積極的に取り入れていくのが良いと考えています。
西小山クリニック
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