大野さん 「弊社はデジタルマーケティング、とくにコンテンツマーケティングに強みを持つ会社です。現在は他社オウンドメディア(会社が自ら保有し、情報を発信するメディア)の制作、運営、効果測定を事業の主軸にしていますが、来年以降はそうした委託案件から、自社が主体となって動く事業に注力していきたいと思っています。私はこれまでITに近い領域でキャリアを積んできました。そのため業務に必要なITは“普通にある”というイメージです。弊社は2015年に設立しましたが、創業時から業務効率化のためのITは積極的に使っていくという立場でした」
【課題】請求書発行、各種契約の作業が業務の負担に
大野さん 「事業の拡大とともに、請求書発行の手間が負担となってきました。また弊社ではより有能な人材の確保を目的に、正社員採用にこだわらず、業務委託を積極的に進めています。そうした業務委託契約や、機密保持契約、また株式関係の契約を紙ベースで進めることは、速度感に欠けるものがありました。現在はクラウドの利用やサブスクリプションモデルの拡大により、さまざまなアプリ、ソリューションの利用のハードルが低くなり、『使いたいと思ったものをすぐに試す』『もっといいものがあれば乗り換える』ことが容易です。そこで躊躇なくこうした業務にITの導入を進めました」
【導入】よりよいものを自ら選択、積極的に導入
大野さん 「請求書発行業務には、現在『マネーフォワードクラウド』を使っています。じつはこれ以前にも他社のソリューションを使っていた時期もあったのですが、税理士さん、会計士さんなどとの連携に、よりメリットのあるマネーフォワードクラウドに乗り換えました。また契約書の締結については、一連の作業がオンラインで完結する『クラウドサイン』を導入しています。
【効果】社外の士業とデータ連携し手間を軽減
大野さん 「マネーフォワードクラウド」により、見積書の作成から請求書発行、さらには会計、給与計算までも含めたバックオフィス業務がスムーズになり、大幅に省力化が実現しました。また同じくマネーフォワードクラウドを使う税理士さんや会計士さんにデータをそのまま渡すことができるので、わざわざ資料を作る手間もなくなりました。クラウドサインでは、これまでの契約書類を作り、紙に印刷し相手方に送付するという手間、そしてやりとりにかかる時間がなくなり、契約締結までがスピーディになりました。さらに“紙での保存”ではなく、デジタルデータでクラウド上に保存されるため、管理の手間も軽減されました」
【展望】今後は資金調達や人材確保にもIT活用を
大野さん 「私たちのようなベンチャー企業が新規事業を展開していくには、ファイナンス、つまり資金面と、人材の確保が不可欠の要因となります。資金面ではお付き合いのある金融機関からの資金調達を行いますが、その事務手続きに時間がかかり、速度感を損なわれていました。マネーフォワードクラウドが持つ金融機関と連携してのファイナンス機能は、速度感でそこをカバーしてくれるのではないかと期待しています。また人材面では『ウォンテッドリー』などのビジネスSNSに興味を持っています。これからの人口減少社会では、いい人材は必ず他社と取り合いになります。そうした人材にITツールを使い、業務委託など『採用』とは別のアプローチで弊社の魅力を伝えていきたいと思います」
法人名 株式会社HF.M(エイチエフエム)
所在地 〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目1-1 美濃富ビル2F
代表取締役 大野恭希
主な事業内容 オウンドメディア構築・運用/コンテンツマーケティング/メディアコンサルティング/コンテンツ企画・制作/広告企画・制作/ウェルビーイング事業
設立年月 2015年7月7