医療福祉をはじめとする計画経済領域では、規制や需給調整による影響から自由経済領域と比較して複雑な産業になりやすく、テクノロジー活用が遅れています。その結果、産業のポテンシャルが活かしきれていないと私たちは考えます。インターネットをはじめとする情報技術を活用し、満たされていない実需に貢献していくことが当社の理念です。
【課題】複雑化する業務を効率化する必要に迫られた
当社の提供するクラウド診療支援システム「CLINICS」は、10万を超えると言われている国内の診療所が顧客となり得る製品です。潜在顧客や見込み顧客へのアプローチは担当部門も異なり、どういうコミュニケーションを取ってきたのかという履歴の蓄積や商談内容の記録が、サービスの提供において非常に重要であるため、サービス立ち上げ後間もない段階から顧客管理のためのITツールの利用を考えました。また、会計ソフトは既に導入していましたが、利便性に課題がある状況でした。例えば、請求書の作成業務については、事業部側から作成依頼を受け取った経理部門が作成するという業務フローになっていましたが、これまでのソフトでは仕訳を行うための会計データを別に作成する必要があり、同じ作業を2度も行う必要がありました。サービス拡大に伴い顧客数が増加し、こういった煩雑なバックオフィス業務を効率化する必要に迫られていました。
【導入】トップが強力にツール導入の推進を行った
「Salesforce」の導入では、最初に顧客情報を投入する点や、ビジネスプロセスの構築に苦労しました。後者は今でも細かな改善を繰り返し続けています。導入や活用にあたっては、トップが強力な推進者として、主導してくれていました。現在は主にマネージャー陣や一部の詳しいメンバーが現場からの問い合わせに対応しています。「freee」については、前述の課題を解決できる点と、社内に利用したことがあるメンバーがいたことが決め手となり、導入を決定しました。旧来利用していたツールと、データの保持方法や会計処理の考え方、操作方法などが大きく異なるため、それらの点をキャッチアップするのに苦労しました。共にクラウドサービスであるため、ツールの利用環境構築のための大きな出費やハードウェアのメンテナンスコストを必要としないといった、導入コストの面でも魅力的でした。
【効果】部門をまたいだ、大幅な工数削減に成功
導入前の状況と比較すると、現在は提供する製品のラインナップも増え、顧客数も2倍以上となっていますが、Saleforceとfreeeを連携し、業務効率を改善できたことにより、導入前と同じ体制で請求書作成作業を行えています。それだけでなく、発行した請求書への入金確認といった業務までをも事業部側で吸収することができ、経理部門の負荷軽減も実現しつつ、事業部内で入金状況を迅速に確認し担当者に共有できるというメリットもありました。今後、顧客数がもう少し増えても、現在の人員で十分対応可能であると見込んでいます。また、Salesforceの導入により、日々の現場の行動の結果をリアルタイムに可視化できるようになり、現場のメンバーが複数の商談を管理しやすくなりました。商談の結果としての売上情報が、freeeにそのまま渡るので、精緻なデータで月次決算を締めることが可能となり、経理部門にとっても工数削減に繋がっています。
【展開】ツールの導入で問題を解決し、より注力すべきことにリソースを割く
ツールの導入により業務の効率化に成功すると、空いた時間を本来注力すべき業務に割くことができるようになり、サービス価値の向上や組織力の強化に繋がります。また、人の手を介した入力業務が多い環境では、作業ミスなども発生しやすくなりますが、ツールを効果的に導入し業務の自動化・効率化を実現できれば、そういった間違いを減らすことができます。ツールが問題解決の手段となり得るのであれば、積極的に使ってみるといいというのが私の考えです。ただし、「ツールを導入する」ことが目的化してしまっては本末転倒なので、「ツールを導入することで何が解決できるのか」ということに常に主眼を置くことがポイントだと考えます。
会社名:株式会社メドレー
HP:https://www.medley.jp/
事業内容:人材プラットフォーム事業/医療プラットフォーム事業
設立:2009年6月5日