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おいしく安価な食事の提供をめざしてシステム化を推進

  • 2020年01月10日
  • 株式会社BHI
  • 飲食業
  • POS(飲食店)
  • 近畿

大阪府内で3店舗の飲食店を経営する株式会社BHI。「体にやさしい和食堂」をキャッチフレーズに、安心と安全、そしておいしく安価な食事の提供に努めている。昼時となると食事を求めて行列ができるほど大勢のお客様が来店する。同社では運営コストをできるだけ抑えるため、注文の手間を省くオーダーエントリーシステムを導入し、業務の省力化を図っている。

 大阪府寝屋川市の郊外での「麺丼 備前屋」をはじめとして、府内で3店舗の飲食店を展開しています。これまでさまざまな飲食店を経営してきた経験を活かし、その集大成として理想の食事処を追求しています。経営者として利益を追求するのは当然の使命ですが、それとともに事業を通じて地域社会のお役に立てる企業でありたいと願っています。
 提供しているメニューはうどんなどの麺類をはじめ、カツ丼などの丼物、そしてさまざまな定食です。メニューの種類が豊富であること、季節の食材を活かしたメニューも特長となっています。中でも鶏の唐揚げが大人気です。

 材料の配合に工夫を凝らした出汁や、国産の食材にこだわることで、お客様に安心して食事をしていただけるように日々努めています。仕事の合間に来店される方に加えて、家族連れでお越しくださるお客様も多く、地域の皆様からご支持をいただいていることに感謝しています。そして、現状に慢心することなく、常に進化していくように経営努力を怠りません。

【課題】食材や人件費の高騰に対するコスト削減が急務

 安全でおいしい料理をできるだけリーズナブルにお出しする。言うのは簡単ですが、実現するのは容易ではありません。当社では、肉や野菜をはじめとして国産の食材だけを使用しております。これに対して多くのお客様から「家族と一緒に安心して食事ができる」と評価していただいています。
 しかし、一方で高騰する食材のコストをいかに抑えるかが大きな課題です。さらには人手不足を背景に人材の確保が難しく、人件費が高騰している現状があります。日々、食材の無駄をできるだけなくすとともに、業務の効率化、省力化を工夫することで人件費の上昇を抑える努力をしていますが、それだけでは限界があります。そこで、当社の身の丈に合ったICT(情報通信技術)をうまく活用することで、運営コストの削減を少しでも進めたいと考えていました。

【導入】注文とりの手間を省くオーダーエントリーシステム

 飲食店の経営で基本的なことは、売上げは、お客様の単価×お客様の数で決まるということです。当社が運営している店舗はいずれも一食あたりの単価をできるだけ抑えているため、一日あたりのお客様数をいかに確保するかが重要です。そのため、昼時など限られた時間内で時間あたりのお客様数、つまり回転率を上げることが重要な課題です。
 ところが、一度に多数のお客様が来店されると、注文をとって調理場に伝えるのに手間がかかり、それが回転率を上げる際の障害になることがあります。お客様からいかに早く注文を伺い、調理場に伝えることができるか、さまざまなアプリを調べて比較した結果、「でん票くん」というオーダーエントリーシステムにたどり着きました。
これは、スマートフォンに入れた専用アプリを通じて、お客様のご注文を入力すると、メニュー情報が調理場に自動的に流れる仕組みです。また、お客様にお出しする伝票も同時に印刷されるため、手書きの伝票を書く手間を省くことができます。こうしたメリットに加えて、月々のコストが安価な点も導入を決めた理由となっています。

【効果】メニューのオプションにも素早く正確に対応

 「でん票くん」を入れた結果、従業員一人分に相当する戦力となっていることを実感しています。従来、紙の伝票に注文を書き入れ、それを調理場に伝える手間がかかっていましたが、スマートフォンに入力するだけで直ちにメニュー情報が流れるため、注文から配膳のスピードアップとともに、作業の正確さも実現しています。
 特に当社の店舗では、定食のオプションがきめ細かくそろっています。たとえば、スープのかわりにミニうどんに変えることができたり、唐揚げ定食の唐揚げの数を指定できたり、カレーの辛さを選ぶことができたりと、お客様の好みに応じた対応を心がけています。このオプションがたいへん好評である反面、注文を伺うのに手間がかかるのです。
 その点、「でん票くん」では、メニューを指定するだけで、オプションを画面で順に表示するため、画面を見ながら注文を間違いなくとることができます。これによって、大幅な省力化を可能にし、従業員の負担軽減につながっています。

【展望】高齢の従業員でもわかりやすいシステムを希望

 おかげさまで、地域のお客様から支持される飲食店として成長してきました。今後、オーダーエントリーシステムなどを通じて業務の効率化をさらに進めていく考えです。人手不足が深刻になる中で、高齢の方に活躍していただける職場となることが欠かせません。高齢の方でも大きな文字で見やすい画面、初心者の方でも操作しやすい手順など、改善の希望を開発元に伝えていきたいと思います。
 また、注文から会計まで完全セルフの店についても検討していく考えです。少人数のオペーションでの効率化、省力化を追求して、おいしい食事を少しでも安価で提供していくことが願いです。これによって、地域のお客様から「麺丼 備前屋が一番」と言っていただけるように業務の改善に引き続き努めていくつもりです。

社名:株式会社BHI
主な事業:飲食業
所在地:大阪府寝屋川市香里新町10-1 405号
資本金:500万円
創業:平成14年
設立:平成27年
従業員:20人
代表取締役 井上 博行氏