弊社は、農薬を削減して栽培した高品質で美味しい果物を、長野県の上田市、東御市から直接消費者の皆さんにお届けしています。
2021年には農水省からみどりの食料システム戦略が発表され、今後は日本としても減農薬や、有機栽培の拡大が見えてきました。しかし日本は、ヨーロッパやアメリカの農業地帯と比べても病気の原因になる降水量が多い為、減農薬をすることは実際のところ他の国に比べて難しいものがあります。
しかし、雨量・温度・湿度・日照時間等を観測することで農薬の削減は可能であり、その為には圃場監視システム導入が必須の条件となります。
弊社はそれらを見越して圃場監視システムを導入し、規模拡大の為にハウスの自動換気システム等を導入しました。地元の農村風景を守る事を企業理念に掲げ、この地域を守る農業法人として、常に新しいことにチャレンジし続けて成功事例となり、他の農家にノウハウを還元することで、この地域の発展に寄与したいと考えています。
【課題】ハウスの温度管理を行っている時間がなかった
ハウス栽培は天候に左右されない反面、全てを人間がしっかりと管理しなければ全滅してしまう、とてもリスクが高く難しい栽培方法でもあります。
一番大事なのが温度と水の管理ですが、とりわけ温度管理は少しのミスも許されない作業です。一日に温度調整の為に何度も何度も開け閉めしなければならないため、相当な労力と神経を使います。そのため、ハウスの管理に割く労力が大きくなることで規模拡大の妨げになっていました。
また労力だけでなく、前述のとおり常に大きなリスクと隣り合わせの為、夜も不安で眠れないといった状況でした。
【導入】24時間の圃場監視システム(みどりクラウド)の導入
圃場監視システムに株式会社セラクのみどりクラウドを導入し、ハウスの自動換気システムも同時に導入しました。現在圃場管理システムは多くの会社から様々なものが出されていますが、スマホで簡単に圃場の状況を見る事ができて、アラート機能があり、導入費用と運用費用が安価なものを探していました。
まだまだ発展途上のシステムが多いため、どれがいいか探すのに苦労しました。スマホで見る為にはインターネットにデータをあげなければなりませんが、Wi-Fiの整備などが必要なく、4G回線を使ってネット接続できるのも、採用したきっかけとなりました。
【効果】労力の削減と心のゆとりの実現
ハウスの開け閉めは、毎日6時、10時、13時、17時の計四回必須でしたが、大きな変化がない日は、一回も開け閉めしなくてよくなり、その分の労力が削減されました。またみどりクラウドを導入したことにより、温度が危険水準になった時にアラートがくるので、早急に対応できたことで救われたこともあります。
夜は逆に熱さではなく、寒さの対策が必要ですが、雪が降る時なども、家にいながらハウス内の温度を確認できて、カメラで積雪量もおよそ分かる為、安心して眠る事ができるようになりました。
【展望】小労力での高品質大量生産を実現していく
今回ハウスの自動換気システムと圃場管理システムを導入したことで、生産の安定と小労力化、高品質化を実現することができました。このノウハウを生かして、ハウスを増棟し生産規模を拡大していきたいと考えています。
またそれ以外にも労務管理システムを導入しています。従業員がスマホで入力したデータが給与システムに自動入力され、そのデータが連携している会計ソフトに取り込まれ、自動で起票されるシステムです。
あらゆる面でデジタルの力を借りることにより、専門知識がない中でも様々なことが数秒でできるようになりました。効率化により生み出された時間を使い、より高品質な農産物が提供できるように、さらに生産に力を入れていきたいです。
会社名:株式会社パトリオットエンタープライズ
HP:https://patriot-enterprise.co.jp/
主な事業:果樹の生産、山羊の飼育、チーズの生産販売
所在地:長野県東御市和3028-2
創業:8年