ITプラットフォームへ移動

アナログな世界の建築業界にICT を導入、社内外での時間効率化を実現

  • 2020年02月14日
  • 株式会社ダンドリワーク
  • 建設業
  • ビジネスチャット
  • テレワーク
  • 近畿

“ムリ・ムダ・ムラ” が多いと言われていた建築業界に、いち早くICT を導入、コミュニケーション効率化を図った先駆的企業、株式会社ダンドリワーク。
そのダンドリワークが、自社製品とチャットを組み合わせ、社内外での非効率な時間をなくし、さらに生産性を図ろうとしている。

経営戦略室
成田 曜(なりた ひかり) 氏

大工さんの言葉で『段取り八分』というものがあります。仕事の実作業は2割程度、大部分の8割は段取りだという意味だそうです。段取りとは『物事の手順』という意味で、建築業界の段取りはアナログな作業がほとんどだったことから、ムリ・ムダ・ムラが多い業界でした。そこで、当社はICT を活用してムリ・ムダ・ムラを激減させるコミュニケーションツールを開発したのです。それが『ダンドリワーク』です。
『ダンドリワーク』は、当社のクライアントと、大工さんなどの現場に携わるすべての協力業者さんを繋ぐクラウド型の情報共有コミュニケーションツールです。
一方、当社とクライアントのコミュニケーションに活用しているのは、ビジネスチャットの『Chatwork(チャットワーク)』です。当社は全クライアントとのやりとりはChatwork で行っています。クライアントからの質問はチャットワークで飛ばしてもらい、当社CSスタッフが5分以内に返答する、という流れを作っています。チャットワーク上で行うことで、担当者だけでなく、その他スタッフにも情報が共有される仕組みになっており、会社全体でサポートする体制を作っています。

【課題】 プロジェクトの進捗状況の共有ができていなかった

代表の加賀爪(かがつめ)が前職の建築会社に勤めていた時、月曜と火曜は会議ばかりで、その内容もほう・れん・そう(報告・連絡・相談)がほとんどだったにも関わらず、なんと約6 時間もかかっていたそうです。「これは、どうにかしたい」と考えていたときに、知人からChatwork を教えてもらったと聞いています。
また、社員の異動や、病気などで休んだ社員の代わりに応対したとき、どういう経緯で今の状況にあるのかが分からないと困ってしまいますよね。メールの内容は当事者間でないと見られませんし、過去の情報が共有できないということでうまく引き継ぎができないとクライアントに迷惑がかかってしまいます。建築業界に限らず、プロジェクトの進捗だったり、話の経緯だったり、当初から最新までの一連の流れを把握できないことはデメリットだったと思います。
そのほか、営業メンバー以外は遠方のクライアントや全国各地の支社とのコミュニケーションも電話かメールで、顔を見ながら話すといったことはなかなか機会がありませんでした。

【導入】 操作性も非常に簡単、使い勝手も良いので大変助かっている

私は、当社でチャットワークを初めて使ったのですが、『LINE(ライン)』を使ったことがあるため、チャットの操作面の難しさは全く感じませんでした。チャット以外の機能だったり、便利な使い方は先輩に教えてもらいながら覚えました。
同じようなビジネスチャットのアプリもありますが、Chatwork は他のアプリと比べて、操作性などのハードルが低いと感じています。ITにあまり詳しくない方でも使いやすいUI(ユーザーインターフェイス)なので、アナログ派が多い職人さんでも使える点が素晴らしいと思います。
朝、出社したらメールを見る前に、まずChatwork を開いてto(自分宛て)のチャットがないかを確認することから始めています。それから、タスクとは別に、マイチャットに今日自分がやるべきことを書き出して、それが終わったら消していくといった使い方をしています。

【効果】 情報共有が簡単にできるのと、様々な周辺機能で効率化

クライアントとのやり取りを全てChatwork で行っていることから、いつでも進捗確認ができるといった効果があります。例えば、『あの案件って今どうなっているの︖』と直接話しかけてしまうと、相手を拘束することになります。直接だったり、電話だったり、聞く内容をチャットで送ることで、お互いの時間のロスをなくせます。
私が広報を担当している関係で、クライアントに取材をさせていただくことがあるのですが、都内近郊であれば、直接お会いしてお話を伺うことができますが、地方だと現場に伺うのがなかなか難しくなります。そういったとき、全国各地にいるクライアントと音声通話・ビデオ通話ができる『Chatwork Live(チャットワークライブ)』を活用しています。
社内でも毎週の営業会議ではチャットワークライブを使っていて、全国各地を飛び回っている営業メンバーも顔を見ながら会議ができるようになっています。特に、画面共有できるのが便利ですね。自分の見ている画面を相手にも共有できるので、資料の共有がタイムリーにできて円滑なコミュニケーションがとれます。
それからチャットワークは会社を退職した人のアカウントを制御できるため、情報を持ち逃げされる等といったセキュリティ面で心配がないこともメリットだと感じています。

【展望】 活用中のIT ツールからヒントを得て自社開発に活かす

将来的にチャットワークライブの音声を録音できたり、さらにその音声が文字データになったりしたら、かなり嬉しいです。実現したら、チャットワークライブを使った取材や会議は議事録を起こす手間がなくなりますからね。
あとダンドリワークのユーザーさんからよく言われるのが、カレンダーとの連携です。スケジュール管理はスマートフォンやPCのカレンダー機能を活用している人は多いと思います。例えば、タスクにしたことがGoogleカレンダーに転記されると非常に便利ですよね。
実はダンドリワークもチャットワークに近いチャット機能を開発していて、近くリニューアルする予定になっています。ハウスメーカーなどの元請けさんと、協力業者さんたちとのやり取りがチャットでできるようになります。
建設業界向けのITツールはたくさんありますが、ダンドリワークの特徴は職人さんたちのスマートフォンにアプリが入っているという点です。リニューアル後は、職人さんたちでも使いやすいインターフェイスになっているので、早くお披露目したいですね。

社名:株式会社ダンドリワーク
HP:https://dandori-work.co.jp/

所在地:滋賀県草津市南草津2-1-7 ラクーンビル1F(滋賀本社オフィス)
従業員数:35名
創業:2013年5月23日(7年目)