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ICTの活用で本業に徹して、自社でしかできない洋菓子作りをめざす

  • 2020年02月14日
  • リブ・ラブ・デザイン有限会社
  • 小売業
  • 給与計算
  • 中国

新山口駅の近くで洋菓子店「リブ・ラブ・キッチン」を営むリブ・ラブ・デザイン有限会社。社長の伊藤元晴氏は、若い頃に神戸でフランス料理の修業をした経歴を持つパティシエだ。約25年前、出身地の山口県に戻って洋菓子店を開業。店の特色は、地元産のフルーツなどを活用した洋菓子。生産者との人間関係を大切にして、同社でしかできない菓子作りを追求している。「食材の開拓や商品の企画に少しでも多くの時間をかけたい」という思いから、業務の効率化、省力化は必須の課題。また、商品情報をお客様に提供することも重要であることから、「ICT(情報通信技術)の活用は欠かせない」という。

1996(平成8)年に山陽小野田市にて洋菓子店を開いた後、5年前に現在の場所に移転してきました。当初から地元の食材を使って、当店でしか味わえないお菓子の提供に努めています。お客様をはじめ、食材の生産者の方々にも喜んでいただけるビジネスを追求することが願いです。
洋菓子は季節感の演出が大切であることから、それぞれの時期に収穫されるフルーツの確保に努めています。山口県内では、いちごや栗、レモン、ブルーベリー、ブラックベリーなど生産量は少ないものの、ここでしか入手できないフルーツが多数あります。食材として利用する前には、産地を訪問して生産者の方に必ずお会いし、人間関係を築くことを心がけています。また、生産者の情報や菓子作りの過程などをお客様に伝えることで、顔の見えるビジネス、商品ストーリーの訴求を通じて、リピーターのお客様を一人でも増やしたいと考えています。

【課題】菓子作りの本業に徹するため、間接業務の省力化が必須の課題

菓子作りや店舗の運営をはじめ、商品の企画、生産者の開拓と時間はいくらあっても足りない状況です。そのため、会計や代金決済、労務管理といった間接業務は可能な限り効率化、省力化したいものです。そして、パティシエとして本来注力すべき仕事に全力を尽くしたいと考えています。
従来、パソコン向けの給与計算ソフトを用い、会計業務はお世話になっている税理士にお任せするなど、間接業務の省力化に取り組んできていました。しかし、パソコンが壊れてデータを失ったという苦い経験からクラウドサービスの利用を考えました。

【導入】6名のパート従業員の給与計算でクラウドサービスを活用

クラウドサービスとして活用しているのが給与計算の「PayBook(ペイブック)」です。
導入する際は、ホームページ上で類似のサービスをいくつか比較検討しました。ネット上での評判も調べたほか、無料のお試し版も試行しました。その結果、これが最も自社に合っていると判断して本格的に導入したのです。また、お試し期間中、わからないことはサポートデスクに素早く丁寧に教えていただき、助かりました。
現在、「PayBook」で6名のパート従業員の給与計算を行っています。出勤、退勤の時間はタイムカードで管理し、月に一度「PayBook」に入力するだけで作業が完了します。後はデータを税理士にメールで送って終わりです。何といっても入力が簡単なので、社会保険など給与計算に関する専門的な知識がなくても活用できる点を重宝しています。

【効果】いつでもどこでも給与計算の仕事ができる点が大きな魅力

日々、商品作りなどに忙しい中、クラウドサービスは隙間時間を利用して、どこでも仕事ができる点が一番の魅力です。また、スマートフォンやタブレット、パソコンなどどの端末からでもデータの入力や確認が行える点が見逃せません。私の場合、店舗や出先ではスマートフォンやタブレット、自宅ではパソコンというように端末を使い分けています。
また、仮に端末が故障してもデータがクラウド上に残るため、安心して利用できることが大きなメリットです。従業員が退職時や税務申告などで、過去データを参照する必要が生じることがあり、その際に素早く検索できる点も見逃せません。

【展望】SNSの活用で顔の見えるビジネスを追求して事業を差別化

現在、生菓子に加えて焼き菓子の製造、販売を行っています。今後は焼き菓子の比重を増やしていきたいと考えています。また、フルーツの仕入れルートが広がる中で、旬のものを使ったジャム作りにも挑戦したいです。それとともに、課題であるネット販売にも取り組みたいと思っています。
さらに今後注力したいのが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じた生産者とのコミュニティ作りです。これまでもInstagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)、自社ホームページなどを通じて、商品の情報を発信してきました。こうした取り組みを加速させて、既存のお客様に情報を伝えることで、リピーターを一人でも多く増やしたいのです。
これからの地域ビジネスは、人とのつながりをいかに密にしていくかが課題です。その点、SNSの活用は強みになることでしょう。今後も生産者の方々とのご縁を大切にして、顔の見えるビジネスを追求することで事業の差別化を図っていく考えです。

社名:リブ・ラブ・デザイン有限会社
Instagram:https://www.instagram.com/live_love_kitchen.japan/

代表取締役:伊藤元晴 氏
主な事業:洋菓子の製造、販売
所在地:山口県山口市小郡下郷1981-1
従業員数: 6名(パート・アルバイトを含む)
創業:1996(平成8)年 設立:2005(平成17)年