【課題】環境を変えずに合理化を図る
まず前提として、業務の中で最終的に書面にしなくてはいけないことが多いという課題があります。
当然不動産業・建設業専門のビジネスツールは数多く出ていますが、専門性と価格が高く、気軽に導入できるようなものは多くありません。また、そういった専門性の高いものに限って印刷上の修正の煩雑さや、微調整に手間がかかるなど、いわゆる「痒いところに手が届かない」ところがあります。理想から言えば、今の環境を変えずに取り組めることが重要になります。
【導入】OneDriveを活用した環境を変えない共有術
課題解決のために導入したのがMicrosoft社のOneDriveでした。
選定理由としては、行政・契約に関する書類に関して、多くのフォーマットが既にoffice準拠で作られていることが一番の理由です。紙ベースでの最終資料にすることを念頭に置いて、他社ソフトでコンバートした時の不具合調整に時間とストレスをかけるのであれば、最初から完成形に近いものとして作成をすることで不具合は減らせます。
また、他社への資料共有についての問題も少なく、もしもの時のバックアップや復旧も容易です。そして最低限の導入プランでも基本的な業務に十分耐えうるということも決め手となりました。
【効果】知らないうちに共有化、まず理解の前に実感
導入による最大の効果は手間の削除です。
遠隔地の案件であっても資料の共有先さえ用意しておけば、フォーマットはどこも一緒なので効率よく情報収集ができます。さらに、一度作成したデータが参考資料で終わらずに、最終まで使えることにもなるので効率が劇的に改善します。
何度も現地に足を運ばなくても、必要な情報が取れて書面作成ができるので、節約できる時間が増えました。導入トレーニングについても、社内については保存フォルダを指定してしまうだけなので、管理者となる自分が多少の勉強をするだけで済みます。自分のスキルアップがそのまま会社のITリテラシーの向上と効率向上につながる形になりました。
【展望】出来るようになったことを理解につなげる
最終的な目標としては業務効率化の理解と向上です。
そもそも保守的な業界・会社の中で「難しそう」という心理的な枷を取り払わなくてはいけません。
そこで何となくやっていたものが、実は効率化ができているという成功体験を関係者に体験してもらうことで興味と向上心を持ってもらえれば、今度は考える人間の数が増え、より多くのアイディアが出てきやすい土壌が生まれます。
保守的な中でも一歩一歩進めることで、イノベーションを生みだすことはできます。そのために最初の一歩を踏み出すということを今後も大切にしていきたいと思います。
会社名:株式会社長建
代表:長沼イツ子
主な事業:不動産管理業
所在地:群馬県高崎市
創業:34年