【メンタリング1回目】課題抽出と解決策の策定
第1回のメンタリングでは、デジタル化に際して、株式会社影山工務店ではどのような課題を有しているのかを調査しました。本メンタリングには、公益社団法人日本青年会議所 地域グループ デジタル推進委員会のほか、ITの専門家1名が参加しました。
<現状について>
株式会社影山工務店は1972年創業、東京都足立区で従業員13名の工務店を営んでいます。特定建築業、内装仕上工事業 、防水工事業、大工工事業、一級建築士事務所としての許可を得ており、地域貢献やSDGsの達成に大変尽力されている会社です。
現状の課題について、まず、作業の透明化という点が挙げられました。それぞれの作業員が現場に行き、作業をする過程において、どのような動きが為されているのか正確に把握したいということでした。
また、見積り作業や荒天時の作業中断・続行の判断等、現場の状況確認が必要な際に職人を派遣しなければならず、人手や時間がかかっているとのことでした。
<解決策について>
作業の透明化については、業務日報をデジタル化し、位置情報を付ける等の方法が挙げられました。しかし、作業員の監視を厳しくし過ぎるとモチベーションに影響するとの意見があり、不採用となりました。
また、見積り作業や荒天時の作業中断・続行の判断等に関しては、カメラの使用を提案しました。まず、見積りについてはカメラ撮影をするスタッフと専門知識のあるスタッフを分け、専門知識のあるスタッフがカメラ撮影スタッフに対して撮影する場所や角度を遠隔で指示する、という形を提案しました。
この形であれば、専門知識のあるスタッフは同時に複数の現場状況を確認することが出来ます。
次に、荒天時の作業中断・続行の判断等については、固定カメラの使用を提案しました。固定カメラから現場の状況を確認することで、遠隔地でも現場の状況を把握できます。
これは、強風の際に囲いを強化するかどうか等の判断にも使用することができます。
<メンタリング1回目のまとめ>
「遠隔地にいる専門スタッフが現場の状況を確認できるようにすること」をデジタル化で達成していく方向性になりました。第2回のメンタリングでは、具体的な現場の状況から使用するカメラを選定します。
【メンタリング2回目】使用するカメラの決定
第2回のメンタリングでは、第1回で話し合ったカメラについて、さらに深く話し合いをしました。
<カメラについて>
こうした作業に向いているカメラをいくつかピックアップし、資料請求をしました。比較検討の結果、固定カメラについては視野角が広く風雨に強いタイプとしました。
スタッフが持ち歩くものに関しては、胸ポケットに入れて使うタイプか、ヘルメットに固定して使うタイプとしました。画質は予算に応じて相談することとなりましたが、前者についてはあまり高い画質を必要としないため、総額でも12~13万円程度のものを同時進行する現場の件数分購入という計画になりました。
持ち歩き用のカメラについては、映像を撮影時に自動でクラウドにアップロードする機能を重視しました。
これにより、遠隔見積りがスムーズになります。
<カメラ導入後の課題について>
以上のカメラを導入した後、課題となるのは次の2点であると考えられます。まず、スタッフが持ち歩くものについては適切な場所を適切な角度で映せない可能性があることや、カメラを持ったまま現場に入ることでカメラを壊したり、耐用年数が短くなる等のカメラの取り扱いについてです。
次に、固定カメラについては強風によって物が飛んでくる等の原因による、物理的損壊の可能性です。
それぞれについて、次回メンタリングにて話し合うことにし、第2回メンタリングを終了しました。
【メンタリング3回目】カメラ導入後の課題について
第3回目のメンタリングでは、カメラ導入後の課題について話し合いました。
<社員教育によって課題を解決>
スタッフが持ち歩くカメラについて、適切な場所を適切な角度で映せないという課題は、適切な指示があれば解決すると考えました。撮影して映像を送ると同時に、通話が可能となる環境を整えることで解決します。
また、カメラの取り扱いについては社員教育が重要であると考えました。カメラの保管場所を固定し、常に管理を怠らないことが重要となります。
次に、固定カメラの損壊については、設置位置の徹底が最重要と考えました。配線業者とも話し合い、現場入りの初日の作業として、カメラの取り付け位置の決定を行うようにします。
以上を通じて見積り先や現場にカメラを設置し、専門人員を現場に送ることなく様々な見積りや判断を遠隔地で行えるように計画を策定しました。