髙橋会計事務所 税理士の髙橋正典氏は、高齢化する税理士業界の中で積極的なITツールの活用をすることで、幅広い年齢層のクライアントからの税務相談等に対応しています。
【課題】相続税の申告業務を顧問先以外から相談されるように認知を広げ、販路拡大に取り組むことが課題であった
従来は、事業者向けの顧問契約中心の会計事務所であったため、顧問先以外からの相続税の申告に関する相談が少なく販路を拡大する必要がありました。
相続税の申告が対応可能なことはHPにも記載していましたが、多くの認知を得るには足りない状況でした。
【導入】相続税簡易シミュレーションツールの導入
HP上に相続の相談を受ける方が現状の相続対象となる資産と負債を入力していただき、その相続事案にかかわる相続人が何人いるのかを条件として選択していただくことで、相続税の金額が概算にて算出されるシミュレーションを組み込みました。また相続の相談に必要なものを整理してわかりやすく説明を記載し安心して、相談できるようなページ構成にしています。
【効果】安心して相談できる会計事務所として認知が拡大
シミュレーションツールをHPの特設ページに組み込むことで相続の申告も可能であると認知を広げ、今後の販路拡大の後押しとなるよう取り組みました。
相続シミュレーションソフトの導入でHPを見ていただいた方からは相談しやすいようなイメージを持っていただき、安心して相談できる会計事務所として幅広く認知をしていただけるようになりました。相続税の算出は、まずご自身の相続する資産の現状把握から始まります。計算方法もネットや本には載っているものの一般の方が自分でおおよその額としても計算するのは簡易なことではありません。こうした点を簡単にイメージしていただき、相談しやすい環境と広報に力を入れる点で非常に有効でした。
特設HPページ公開後から問い合わせが増加してすぐに契約が決まりました。
【展望】相続専門ホームページの立ち上げ等により更なる事業拡大を目指す
相続マーケットは、2015年の相続税法改正により相続税の非課税枠が引き下がったことや、高齢化の進展により、年々拡大しています。実際、相続税の申告対象者の全国平均値は、国税庁の統計によると2015年以前までは6%でありましたが、近年は8.5%まで拡大しています。愛知県は14.3%と東京都に次いで2番目となり、全国的にみても相続税に関する相談需要が高い地域であることが分かります。
この状況を踏まえ、今まで税理士や司法書士などの専門家と関りがない層の需要が高まり、どこに相談していいか分からない方も多くいらっしゃいます。また、税理士業界のホームページ保有率は30%とまだまだ低いのが現状であり、相続専門ホームページを立ち上げることで専門家の敷居を下げ、また気軽に相談できる窓口として多くの方に周知することで、相続事業の拡大が見込まれます。